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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『銀二貫』
熱いお茶と、ほんのり甘いむしやしない。そんなセットが欲しくなるような、おだやかで、やさしい物語でした。
奇しくも生きていくために過去と決別せざるをえなかった松吉と真帆。そんなふたりが導かれるように再びめぐり会い、互いに互いへの思いを深めていく。そして父を殺した玄武もまた、武士の身分を捨てなければならなかったという運命の皮肉には、胸を打たれました。時の流れと心の動きが丁寧に描かれていて、涙なくしては鑑賞することはできない、味わい深い作品でした。
原作とは少し違う箇所もあるようなので、落ち着いたら読んでみようと思います。同じ作者の『みをつくし料理帖』も興味深そうな作品ですね。

『MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~』
こんなの百舌じゃなーい!
と叫んでしまいたくなるほどの改変っぷりに、すっかり興味を失ってしまいました。WOWOWなら許されるのかもしれないハードボイルドの濃さがすぎて、毎週ゲップが出てしまいそうでした。
倉木も大杉も美希も、魅力のカケラもない。冷たさの中にもユーモアセンスを混ぜた愛嬌が、逢坂剛作品に登場するキャラの良さなのですが、まったくない。あれでなぜ美希が倉木に惚れるのか、大杉が美希に惚れるのか(という展開になるかはわかりませんが)さっぱり理解できない。
百舌と一連の黒幕の話も膨らませすぎ。もともと2時間ドラマの枠にもおさめることのできるくらいのボリュームをわざわざ1クールにしてさらに続編にもひっぱらなければならないため、グラークαだのダルマだの、風呂敷を広げすぎて本当にきちんとたためるのか不安になるくらい。
百舌兄弟の心の闇がまったく描かれていない。東と中神の悪党っぷりが光に光っていたため、むしろいらんかったんと違うかと思うくらいの物語中の存在感の薄さ。おまけに池松壮亮の遠目にも女装とわかる女装はもはやギャグ。もちろん若手の中では演技派ですし、殺しのシーンは彼にしか出せない迫力でしたが、もうちょっと女装しても不自然ではない細身で優男の俳優はおらんかったんかいなと。
津城の「そうです、私がダルマです」と言わんばかりのうさんくささ全開な無表情も気に入らない。せっかく小日向文世を起用したのだから、原作どおりににこやかな笑顔だからこそ際立つ冷酷さを出してほしかった。津城が隠れているとも知らずに大杉が「津城の仕事は便所掃除」と評して美希が狼狽するシーンが好きだったのですが、あんな棒読み口調で「それはお言葉がすぎます」って、なんだよ美希。
あと殴られても蹴られても交通事故に遭っても至近距離で撃たれても死なない倉木。殺し屋としての執念を燃やす宏美をいともたやすく凌駕する主人公の不死身っぷり。これももはやギャグ。これ以上何をすれば死ぬのであろうか。いったい『砕かれた鍵』ではどのようにして死ぬというのか? あ、Season3の予定はないのか。
…といくら語っても語りつくせないこのドラマ。『極悪がんぼ』も改変しているとはいえ、そこまで不満はなく楽しめたのですがね。原作愛が強すぎるのかな…。
とりあえず、Season2は見ません。WOWOWがないので見ることができませんので。今すぐ見たいとも思わないし。




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『銀二貫』
義理と人情。勧善懲悪だけでない、じんと心をあたたかくする時代劇の魅力はそこにあります。
仇討ちによって父を失い、武士としての生活を捨てざるを得なかった鶴之輔。松吉と名を改めた彼は、銀二貫とひきかえに彼の命を救った和助のもとで丁稚としての第二の人生を生きる。
武士としての誇りを捨てきれない松吉。厳しい丁稚修行と人生の葛藤に思い悩み出歩いた月の夜、屈託ない真帆の笑顔に癒される姿にも、涙がこみ上げました。芦田愛菜をひさしぶりに見ましたが、やっぱりかわいいなあ。
成長した真帆を演じるのはリーダー、じゃなかった松岡茉優。松吉の父を斬った風間俊介が、あのシーンだけで終わるわけもないでしょう。松吉を取り巻く運命はどのように転変していくのか、原作を読まずに楽しみとします。

『極悪がんぼ』
原作はもうずいぶん前に終了していますが、主人公・神崎守が女性の神崎薫に変わると聞いてなんだか嫌な予感がしていました。確かに原作は主人公の恋バナをのぞけば女性っ気のかけらもありませんが(それも悲惨な結末だし)、これは事件屋という職業の特異性からして仕方ないことですし、そもそもあらゆる点で「ギリギリ」なこの原作を月9で放送しようというのが土台無理な話なのです。
なので、コメディーチックな金髪三浦友和やガラッパチオノマチらのドタバタを、一種のファンタジーとして楽しむことにします。
改変されたのは主人公の性別だけでなく、所長の名字含む素性もでした。確かにあの設定は使用できんでしょうな…。しかし小林薫が雰囲気や表情を秦所長に似せていたのには笑えました。
金子や夏目も、原作キャラの持つ闇社会や裏稼業の陰は排除され、ちょっとコミカルに傾いています。冬月は完全に『鴨、京都へ行く』の衣川と被っていますね。まあ、椎名桔平だから許す。
随所に登場した東風隆弘の漫画は描き下ろしでしょうか。毎週の見どころとなりそうです。


『花子とアン』
むりやりタイトルの最後に「ん」を持ってこなくても…と思わないでもないタイトルですが、モデルは『赤毛のアン』の翻訳者。
アンにこれっぽっちも興味を持たずに育ってきました。姉は白い表紙のアンシリーズを宝物にしていて、長じてはプリンスエドワード島を訪れるまでのアンフリークでしたが、おそらくふつうの女の子がアンにあこがれる少女らしさを、自分はすべて姉に奪われてしまった状態で生まれてきたのではなかろうか、と本気で思っております。
思い返してみれば、姉のお古の少女名作シリーズにおいても、自分が好きだったのは『金髪のマーガレット』という迷子になった名家のお嬢様が裏町でこき使われて悪い子になっていくという話や、無実の罪を着せられて路頭に迷う『天使の花かご』、あらすじはよく憶えていませんが『さすらいの少女』『孤児マリー』といったタイトルからして悲惨そうな話(もちろん最後はめでたく幸せになるものも多いのですが)ばかり…。『少女パレアナ』は『金髪のマーガレット』と同じ作者なのにあまり好きではなかったなあ。
とまれ、この朝ドラにおいては『赤毛のアン』をなぞったエピソードが盛り込まれてい(るもよう)ます。話の概要すら知らないので、まったく気づきませんでした。『赤毛のアン』好きからはどう見られているのでしょうか。
オープニングで登場した戦時下の花子はすでに50代だそうですが、吉高由里子の声が若々しすぎて、老けメイクとのギャップがありました。ちび花子はかわいらしかったです。

『MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~』
これは原作が大大大好きなので期待していました。
といっても初版が出たのは30年前。今さらリメイクされるとは、驚きです。
さらに驚いたのはキャスティング。西島秀俊、香川照之、真木よう子。確かに年齢的にはぴったりですが、はじめて読んだのが学生の頃だったので、三人ともずっと大人のイメージでした。ちなみに倉木は田宮二郎で想像していました(リアルタイムでは観たことないけど)。そうか、もう同じ頃合いのトシになったのだな…。
まあでも、倉木も大杉もちょっとイメージが違うかな。美希はまだ許せますが。しかし津城はそのまんま。「津城ー!」と叫んでしまうほどそのまんま。
新谷役の池松壮亮も最近活躍めざましい若手俳優ですが、殺し屋の狂気をうまく演じていますので続編も楽しみです(WOWOWは見られないのですが)。
初回は謎をばらまく構成でした。原作は時間軸を効果的に操って最後まで息をつかせぬ展開でしたが、ドラマではどのように謎を暴いていくのでしょうか。
ひとつ残念なのが、倉木の喫煙シーン。ハードボイルドには欠かせないアイテムのひとつとはいえ、この嫌煙時代にむりやり使わなくても良かったんでないかいとツッコみたくなるような、非喫煙者であるのがバレバレのぎこちない手つきです。あれなら20年前は西島秀俊似といっても決して過言ではなかった喫煙歴○年のうちの相方のほうがサマになっています。たぶん。
『医龍4』
なんだかほんとに盛り上がりに欠けました。チームバチスタシリーズと比較してしまったからかなあ。岡村が実は…というのもバレバレだったし、あまり人の感情と行動の関連性がうまく描けていなかったように感じました。朝田が日本に残って伊集院が海外に行くというのは目新しいラストでしたが、ミキをチラ見せして次シリーズを思わせぶりに匂わせるという手法もなんだかなあ…。1や2がおもしろかっただけに、どんどんクオリティが下がっていくのは残念です。

『ちりとてちん』
まあまあおもしろかったです。演出がちょっと過剰だったせいか、号泣するほどではなかったかな。狭い世界の話でも、中だるみすることなく最後まで楽しめました。落語の練習は大変だっただろうなあ。若狭塗り箸は、現在いただきものを使っています。食事のたびに、しみじみ眺めてしまいます。
『チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮』
やはりバチスタシリーズはクオリティが高いです。原作が良いのでしょうが。
柳葉敏郎がいささかミスキャストであったことをのぞけば、これといって残念な点がありませんでした。てっきりそうなるだろうと思っていた最終回を映画までひっぱるパターンにも入りませんでしたし。
安楽死をめぐるセリフのひとつひとつは、真に迫っていました。作者の主張なのでしょう。それについては、自分はあまりにもその問題とは縁遠いところで生きてきたので答えを導きだすには至りませんが、現場に直面したその時、自分はどんな選択をするのだろうかと少しそら恐ろしい感覚にも包まれました。少し前海外で、高齢の男性が家族友人らとシャンパンで乾杯した後、安楽死を選択して旅立ったというニュースが流れました。それを聞いてまず思ったのは「いい死に方だなあ」ということでした。苦しむことなく死を迎えられる、しかも誰かの手によって。最高ではないか。
何とも浅はかな感想でした。まだ残りある命をむざむざと消し去られていく事実を目の前に、彼を愛する人びとが何を思うか。彼を死に至らしめる薬を投入する医師の手は神への背徳に震えはしなかっただろうか。なぜこの国は安楽死を認め、日本では認めないのか。
医療という科学と命をめぐる宗教観。答えを出すのは、本人なのか周囲なのかあるいは医者なのか。いずれは訪れる死を前に守るべきであるという生。命というものは、考えれば考えるほど不思議です。
映画は豪華キャストで締めてくれそうです。田口&白鳥コンビもこれで見納めかと思うと少し淋しいです。

『闇金ウシジマくん2』
千秋目線であったSeason1からウシジマくん寄りの視点に変わったSeason2。あんなに信頼していた部下たちと少し距離ができた時の、ウシジマくんの心の揺れも感じられるようになりました。
物語の中心に描かれていたのは若さゆえに血気にはやる読モくんと、周囲への不満ばかりのフリーターくん。同様にウシジマくんに借金して身を持ち崩しながら、ふたりの結末は対照的です。どちらも若手俳優が好演していました。読モくんの行く末は会話でしか語られませんでしたが、今際の際に見たと思われるはかない映像が感傷を誘い、フリーターくんの将来にはあかるい陽が差すであろうことに安堵しました。しかしその希望に満ちた表情を抜いた画面の片隅に薬物中毒に陥ったパピコをチラ見せするあたり、最後まで裏社会の影を描くなんとも心にくい演出です。
戌亥は宣伝のわりにあまり存在感がありませんでしたが…もう少しウシジマくんとつっこんだからみが見たかったですが、それは映画までお預け…なのかな?
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自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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