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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『ごちそうさん』
すっかり習慣づいた朝ドラ視聴とはいえ、いわゆる「あまロス」から立ち直るのはたいへんだろうなと思っていました。
…が、思いのほかおもしろかったので、すぐに脱却することができました。
視聴率の高さが話題になっていましたが、これは不思議です。自分なりにも楽しめましたが、そこまで評価するほどなのかな? と。それこそ『あまちゃん』や『カーネーション』のほうがドラマとしては質が高かったような…。
ですが、居心地のよさを感じたのは確かです。
最近の朝ドラ主人公にありがちだった、ポジティブ思考やおせっかいではなく、ひたむきでも品行方正でもなく、ただの主婦というところも好感を勝ち得る要因だったかもしれません。しかも周囲が認める阿呆。その旦那も建築バカ。最後まで、感動のはずの再会の瞬間にアホ面をさらすバカ。
その、微妙に正統からはずれた描き方に、親しみを憶えたのでしょう。
孫ができても老けない杏ちゃんは冷静に考えれば違和感ですが、少女漫画の主人公チックでかわいらしかったです。東出昌大くんは放送当初は大人気でしたが、浮気騒動でめっきり株を下げ、おまけに戦地へ赴いてからはすっかり空気に。奥さんも旦那ナシでばりばり稼いでるし…もう帰ってこんでも大丈夫やん…と最終週を前につぶやいてしまいました。
いっぽう大幅に株を上げたのが、源ちゃんとお静さん。こちらもとことん報われない恋の鞘あてポジションだった源ちゃんは良い存在感でした。実は箱根ランナーだった和田正人はこれから売れるかも。お静さん役の宮崎美子は、クイズ番組では「え~え~どうしよ~言いながら正解してるやん! チッ」とあまり良い印象を抱いていなかったのですが、これでがらりと変わりました。終盤の腰を曲げた大股おばあさんの風体は老けないめ以子や希子と較べると少しかわいそうな感じはしましたが、演技力あったんやなあ、と感心しました。
何しゃべってるのかさっぱりわからない竹元先生やゲスのきわみの室井さんは良キャラだったと思います。卯野家が戦火の東京をどうやって生き抜いたのかとかレストランはどうなったのかとか、気になるところは多少ありましたが、全体を通してみればそこそこ安定したクオリティを保った半年間だったのではないでしょうか。
というわけで、最終回の日にカレー作ってしまいました。

あと試してみたいレシピはいろいろありますが、この夏にはハモニカ作ってみようかな。

『ちゅらさん』
主人公が結婚するとトーンダウンしてしまう朝ドラは多いですが、やはり「甲子園に行くまで激戦続きの地方大会」とか「ラスボスに行くまでが大変なRPG」と同様、朝ドラもまた「結ばれるまでが佳境の少女漫画」なのかもしれません。
この作品もまた、初恋の相手を追い続ける少女漫画の主人公のようなえりぃに感情移入してしまうと、結婚がゴールのように思えてしまい、後半はまるで後日談のように感じながら見ていました。最後にかけての和也のトラウマとえりぃの病気という展開には驚かされましたが。こうなったら、続編のスペシャルも見てみたいものです。

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『闇金ウシジマくん2』
今回は片瀬那奈的ポジションがなく、代わりに綾野剛が出演するようです。売れっ子だなあ。
1話を観た限り、またもやお金で身を持ち崩す人びとが次々出てくるようですが、とりあえずホスト遊びと借金はするまいと固く心に誓いました。
今夏公開の映画も製作されているようですが、そういえば映画の1作目を鑑賞するのを忘れていました。

『ごちそうさん』(承前)
「悠さん、浮気する」の巻。
いや、悠さん的には浮気ではないのでしょう。理屈っぽい男は浮気の定義を自分の中で勝手に定めています。妻に黙って仕事前に幼なじみと会って話をすることや、夜に未亡人の家に行ってカレーを食べることや、涙する女性をうしろから抱き締めることは、悠さん的には浮気ではないのでしょう。もっとも、朝ドラ視聴者の大半を占めるであろう主婦層に、その理屈が受け容れられたかどうかは定かではありませんが。しかし「悠さんさいてー! 源ちゃんの方が百倍いいわ!」と言いたくなるには至らないほどに、源ちゃんが希子の淡い恋心を打ち消すくらい独身貴族を満喫している日常が先に描かれていたので、結局女目線からすれば身勝手にもほどがある悠さんを許さざるをえなくなりました。
しかし唸らされるのは、め以子に全面的に肩入れできないように描かれた脚本です。亜貴子の病院に突撃して、「夫に近づくな!」と断言さえすればいいものの、一見言い分を聞くという並列の姿勢を取りながら、結局は妻の権利を嵩にかけて根掘り葉掘りいやな思い出を聞き出すという、はからずもネチネチ攻撃を仕掛けて墓穴を掘ってしまいました。喧嘩慣れしていない苦労知らずのめ以子らしいといえばらしいのですが、当事者からすれば底意地の悪い仕打ちだろうなあ、と。もちろん、妻の気持ちを理解せず口を割らない悠太郎のせいですが。
結局、土曜日の15分で「振られました、戻りました、ごちそうさんでした」と、この問題は解決しましたが、悠太郎と亜貴子の間には深い結びつきがあって、それは恋だの浮気だのという薄っぺらい言葉では表現できない関係性なのでしょうが、それを悠太郎が説明しめ以子が理解するという過程を15分で描くのは無理があったのでしょう、よくわからないうちに元サヤに戻り、お話は希子の恋物語にシフトするようです。
男と女が恋をして、愛に実って夫婦となったのち、やがて愛は情へと変わり、空気になります。生きていくうえでなくてはならないが普段は意識しないものとはよく言われる譬えではありますが、女は男より情を重んじる生きものであるがゆえに、空気のような扱いには耐えられないのです。男は空気を甘受しながら刺激を求め、家の外にふたたび恋を探します。恋の果てに命の種をまき散らすのが太古からの男の役目とはいえ、なんと都合のよい生きものであることか。夫婦になることは、孤独に耐えること。それもまた太古から変わらぬ女の宿命であるのかもしれません。
ま、朝ドラにドロドロはふさわしからず。このエピソードは忘れて、次の「ごちそうさん」を楽しむことにいたしましょう。
『軍師官兵衛』
ひさびさのような気がする、男性主役の戦国ドラマ。
イケメンジャニーズと「ひらパー兄さん」とのギャップにも慣れてきた今日この頃の岡田くんですが、戦国好きならともかく一般的にはややマニアックにも思える黒田官兵衛という人物をどのように色づけしていくのか、よく知らない歴史の部分を理解していくのは非常に楽しみです。
オープニングではいきなり命の大切さを説く官兵衛が登場しました。震災などを経て、弱肉強食の戦国時代をストレートに表現するのは難しくなっているのかもしれません。現代人の感覚を持ち出して成功した歴史ドラマをあまり知らないのですが、せっかくの大河なのですから安易な描き方をせず、官兵衛という人間の生き様とさまざまな武将の悲喜こもごもを観せてくれるような、硬派な展開を期待して、この一年を楽しんでいきたいと思います。

『チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮』
あいかわらず、息ぴったりな白鳥・田口コンビな軽妙なやりとり。秘密のにおいぷんぷんな新キャラの面々。風光明媚な碧翠院。今回も初回からワクワクしながらの鑑賞でした。
原作はいまだ未読ですが、登場人物を女性キャラに変えたり、恋愛要素を入れたりしないのがこのシリーズの成功要因かなとも思います。シリーズごとのテーマも、作者が医者なだけあってその都度真に迫っており、深く考えさせられます。今回も終末期医療という人間の尊厳にかかわる問題を扱っていますが、作品がどのような答えを導いていくのかを見守っていこうと思います。
ただ、ついに「最終回は映画で!」パターンに入ってしまったのは非常に残念です…。

『医龍4』
チーム・バチスタと録画で続けてみると、どっちがどっちの病名やらわからなくなってきそう。佐々木蔵之助はこの間救命病棟で観たばかりだしなあ…。
回を重ねるたび、劇画調に磨きがかかっているように感じます。初回といえば「ハイ、難病患者が運びこまれてきた、どうしようどうしよう! ハイ、朝田先生登場! しかしまたもやオペの必要な患者が! 朝田先生も困った困った、ハイ、ここでチームドラゴン総登場! すごい、すごいわこの人たち、と驚くギャラリー! 治った治った、よかったよかった、しかしその頃アロワナの水槽ごしに野口がウフフ…」という、毎回このパターンなのですが、まるで時代劇を観ているかのようなこの安心感。杖をついている桜井院長がオペで立ちっぱなしなんて大丈夫かよ、とか、何度追いやられてもよみがえってくる野口は不死鳥かよ、とか、ツッコミドコロは満載なのですが、それすらどうでもよくなってくるのは良質なBGMにのせて迫力あるオペシーンが展開される演出と、完全に役になりきっている俳優陣のおかげでしょう。
3作目がイマイチだったので、今回は当初のスピード感を保っていってほしいと思います。
ミキちゃんはもう出てこないのかな…?
『刑事のまなざし』
地味といえば地味な作りでしたが、丁寧な脚本と抑えた演出、俳優陣も芸達者ばかりだったので、じっくり雰囲気を味わいながら鑑賞できるドラマでした。
最近めっきり曲者のイメージがついた椎名桔平(『アウトレイジ』『SPEC』『鴨、京都へ行く』etc)ですが、今回はいたって正統派。犯罪に対して真摯に向き合いながらも、家族の前では人間らしい弱さをかもしだす、どこにでもいる平凡でまじめな、だからこそ人の心を溶かすことのできる刑事を素直に演じていました。周囲の刑事たちもゲスト俳優も皆どこかで必ず目にしたことのある有名俳優でありながら鼻につくことなく、とくに最終話のキーマンとなった窪田正孝はあいかわらず少年期のあやうい精神状態を巧みに演じていて胸に迫るものがありました。
結局、娘を寝たきりにさせた犯人は見つからず、目覚めることもありませんでした。続編があるのかはわかりませんが、もう一度見てみたいと思う刑事ドラマでした。

『太陽の罠』
NHKらしい、知的財産を取り扱った硬派なミステリー。そしてキャスティングも『平清盛』に出演していたAAAの西島隆弘はじめ、NHK好みの俳優が並びました。そしてこれは自分の好みでもあります。決して視聴率や話題づくりを狙わない、とっかかりにくくても内容は濃い、NHKのドラマ制作陣は地味に良い仕事をするなあと毎回感心します。全4回というのも間延びせず飽きることなく集中して見られます。意図せず陰謀に巻き込まれ頼りなさそうだった主人公が復讐に燃えはじめるその変貌、産業スパイの秘められた過去、会社と家族への愛と犯した罪のはざまで悩む次長の姿、すべてに見どころがありました。ただひとつ残念だったのは、弁護士役の石田ひかりがどうしてもやり手に見えずミスキャストであったことでしょうか。

『八重の桜』
あいかわらず低視聴率がやり玉にあがる大河ドラマですが、作中八重が人生を燃焼しつくし終えたように、視聴者である自分も一年間その生涯に伴走しエンドロールを迎えて「ああ、これが生きるということなのだ」とようやく詰めていた息を吐き出したような思いにかられる、大河ドラマとしてその役割をじゅうぶんに果たした作品であったと思います。
歴史上悲劇として以外語られることのない幕末の会津ですが、その戦の制作側が描きたかったであろう重さは痛いほどに伝わりました。戦争とはいつどこのどんなものにおいても、当事者の些細ないざこざで始まるものでは決してなく、時代の潮流に否応なく巻き込まれた者たちがやむをえず引鉄を引かざるをえない状況に追い込まれて始まるものです。いずれ朝敵の汚名を着せられることになるとは予想だにしなかったであろう会津の忠誠心が丁寧に描かれれば描かれるほど、一方の価値観を壊滅させる革命というものがいかに残酷な歴史の大回転であるかを感じました。
会津戦争があまりにも悲惨であったために、その修羅場を乗り越えた八重と尚之助には新たな時代でふたたび幸せになってほしいと、結末を知りながらも願わずにはいられませんでした。新島襄との出会い、教育と信仰の前に立ちはだかるさまざまな困難をふたりで乗り越えていく姿には明治という時代を一から作らなければならなかった文化人たちの苦悩を知ることができましたが、ふたりの愛の偉大さを感じ取るには、それまでの思い入れが深すぎたかもしれません。
当初は少し不安でもあった「歴史的に無名の女性の物語」でしたが、非常にクオリティ高く大河ドラマらしい大河ドラマであったことも加えて一年間非常に満足できた作品でした。先日発表された再来年の大河が「さらに無名の女性の物語」であることに解消しかけた不安がまた首をもたげましたが…。
来年はひさびさの戦国時代。主演は岡田准一くん。どんな参謀を見せてくれるのか、また楽しみな日曜日になることを望みます。

『クロコーチ』
なんだろう、「一流の食材を使っているはずなのに、食後の満足感がまるでない」料理を食べたあとのような、この感じは…。
コンセプトもモチーフも素晴らしいです。役者も曲者ばかり(ヒロインが浮いていてかわいそうなくらい)で魅力的です。つかみかけた証拠がするりと逃げて焦らされて、次週が待ち遠しかったはずなのに。
演出と脚本の出来が非常に悪い…。
いろいろなことが起きている割に展開が遅く、重要事項がつねに口で語られ、それも黒河内のあの口調なものだからにわかに受け止めがたく、そもそもこの黒河内という人間の造形が浅く一定でない、これは長瀬くんのせいではなく指導できない制作側の責任でしょう。黒河内と清家のコンビもまるでアンバランスで最後までなじめませんでした。
まだ完結していないという原作を読めばこのモヤモヤ感も消化できるでしょうか…。

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