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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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昨年末、「忘年会ランチの後、スターウォーズ見に行かない?」…とお誘いを受けました。
この冬、世間はスターウォーズフィーバー。コスプレ会場のような試写会とか、グッズでウン万使ったとか、そんなスターウォーズフリークがテレビでクローズアップされる毎日。しかし私には何の縁もない話。
なんと一話たりとも見たことがないのです。
テーマ音楽は知っていますし、光る剣とか、しゃべるロボットみたいなやつとか、情報の端切ればかりで果たして7作目である今作品を理解することができるのであろうか…。
と、返事しようとしたら、何と仲間のほとんどが初スターウォーズでした。意外といるのね。
まあ話のタネに、ということで友人にチケットを取ってもらい、行ってきました。
もちろん、ストーリーの細かいところはさっぱりわかりません。
最初に概要説明のようなものがありましたが、よくわからんので聞き流してしまいました。
それでも、さすがはディズニーです。
細かいところがわからなくても、惹きこまれました。いきなりのドンパチと愛らしいフォルムのBB-8。いわくありげなレイという女性。唯一顔と名前を知っているハリソン・フォード。なんとなく物語の大きな展開を追っていけば、あとは迫力を楽しむだけ。
ハリウッド映画ですから、「そら主人公は死なんやろうと思って見ていた(byじい先生)」としても、技術の高いCGによる宇宙戦争は映画館で見なければ迫力がありません。
熱狂的なファンがいればいるほど、その作品に対する賛否は大きく乖離してしまいますが、ビギナーにとっては「映画とは、日常とかけ離れた設定や映像で時間を忘れて楽しめる娯楽」であることを思い出させてくれる作品でした。最近は重厚な人間ドラマやテレビドラマの延長のような作品ばかり見てきていたので、ひさしぶりに、子どもの頃ポップコーン片手にワクワクしながらスクリーンを見上げたことを思い出すような「映画らしい映画」を楽しむことができました。
しかし、本当に子どもの頃スターウォーズに出会っていたら、もっともっと楽しめたかもしれません。今、1作目から見始めたとしても、きっとその当時得られたであろう興奮はないでしょうから。
あと、BB-8の造作は見事ですね。そら、グッズ欲しくなるもん。さすがディズニー…。




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オペラ座の怪人
昨シーズン、フィギュアスケートのシングル競技でボーカル入りの曲が解禁されるやいなや、多くの選手が『オペラ座の怪人』を使用しました。おなじみのメロディーはもともと耳にする機会がたびたびあったとはいえ、劇団四季の舞台も行ったことがないのでストーリーを知らず、ファントムやクリスティーヌのことを理解してからプログラムを見たかったなという思いが強かったのですが、ようやく鑑賞できました。
幾度も映画化されているこの有名なミュージカルですが、こちらは2004年に製作されたものです。
『オペラ座の怪人』といえば、シャンデリアの落下や、『The Phantom of the Opera』に代表される名曲の数々、ファントムとクリスティーヌの師弟関係など乏しい知識しかないため、パリのオペラ座でくり広げられるミステリアスで絢爛豪華なラブファンタジーだとばかり思っていたのですが。
これほどまでに悲しく切ない恋模様が描かれているとは、思いもしませんでした。
ファントムを“Angel of Music”と慕い敬うクリスティーヌ。彼女の類まれなる歌の才能を磨き続けてきたファントム。映画では直接描かれませんでしたが、ふたりの間に師弟の固い絆が結ばれていたのは言葉の端々から伝わります。弟子であったはずのクリスティーヌに対し、それ以上の想いを抱いていたことを、くしくも彼女の恋人が出現してから思い知らされるファントム。オペラ座の怪人として桟敷席から人びとを見下ろしてきたはずのファントムが、彼らと同じ場所に降り立つ時がやってきました。
ファントムに手を引かれ、うす暗くじめじめとした地下室にいざなわれるクリスティーヌ。恐怖や不安は、甘美な歌声の前に溶けて消えていく。それはファントムの魔法だったのかもしれない。ファントムの思いどおり、クリスティーヌはたやすく恋に落ちた。
しかし、魔法が解けやすいのもまた、女の習性。
クリスティーヌが優しく紳士的な幼なじみのラウルに惹かれていくのは、ごく自然ななりゆきだったのでしょうが、嫉妬や欲望に狂ったファントムはその事実を受け入れられない。仮面の下の醜悪な容貌は、ファントムの歪んだ心そのものだったのかもしれません。
ファントムに捧げたクリスティーヌのキスは、その苦しみと悲しみを浄化する聖母のくちづけでした。人の心を取り戻した怪人の最後の魔法は美しい愛へと姿を変えて、至高のミュージカルは幕を閉じます。
いつの世も、男女の胸をうち震わせるのは激しい恋と甘い歌と情熱的な音楽。
この物語が名作として演じ続けられているのもわかります。まだ夢の世界にたゆたうよう。いつか四季の舞台を見に行きたいと思いました。少し残念だったのは、テレビ放送版で吹き替えだったので、素晴らしいと評判のクリスティーヌ(エミー・ロッサム)の歌声が聴けなかったこと(ファントム役のジェラルド・バトラーの歌はイマイチらしく字幕も誤訳が多いとのこといですが)。そして、見せ場であるはずのシャンデリアの落下シーンが迫力に欠けていたことでしょうか。
そして改めて思ったのは、昨シーズンのプログラムの中ではやっぱり無良崇人くん演じた苦悩するファントムがいちばん好きだということです。





崖の上のポニョ
『風立ちぬ』のひとつ前の宮崎駿監督作品。公開から7年を経てようやく鑑賞できました。これで『カリオストロの城』以降の宮崎駿映画をコンプリートしたことになります。
『風立ちぬ』が思いのほか監督の伝えたいことをストレートに表現していたと感じただけに、いまいち理解できなかった『ハウル』のあとの『ポニョ』はいったいどのような作り方なのだろうと、期待と不安半々で視聴したのですが。

主人公は子ども、モチーフは人魚姫。つまりこの作品は子ども向けで、あかるい世界観に包まれているものだと思いこんでいました。こども向け作品をすすんで見たいとも思えず、鑑賞にここまで時間がかかってしまいました。公開当時の大ヒットと主題歌をめぐる社会現象はいやでも耳に入ってきたものの、かんじんの作品自体の評価はあまり聞こえてこなかったのは、今から思えば不思議ではあります。
その理由は、この物語が決して誰もが知る人魚姫の展開をなぞっているわけではなく、昨今の宮崎駿作品の傾向である難解な表現方法から逸脱していなかったからなのでしょう。

そしてこの作品の受け止め方は、東日本大震災以前と以降で大きく変わってしまうであろうとも思いました。町を襲う津波、逃げる車。その映像を前にまだ心穏やかにはなれない日本人は少なくないでしょう。もちろんそれが作品の評価に直結するわけではありませんが。
海沿いの静かな町。絵本のような穏やかな風景からフォーカスしてみれば、約束を守らない夫に息子の前でヒステリーを起こす妻、親を呼び捨てにする子ども、熱があっても保育所に預ける親と預かる保育士など、現実のあちこちですれ違う一瞬にして一日ぶんの不快感を残していく住人たち。それでも海からやってきたポニョを受け容れ、水害を受け容れ、沈んだ町の上でしあわせと喜びをわかちあう。
魚の小骨のごとき違和感は最後までこの世界がファンタジーなのかリアルなのか、見るものとの間に横たわり続けます。
よってアンデルセンの『人魚姫』とは異なり、ポニョの願いが叶うラストシーンが果たしてほんとうにハッピーエンドとして受け止めてよいのやら、鑑賞後もなおのどの小骨にひっかけて飲み込めないままなのです。
ディズニーの『リトル・マーメイド』なら、ハッピーエンドのエンディングでは誰もがハッピーで笑顔になれるだろうけれど、そこがひと筋縄では行かない宮崎駿。

そもそも海の泡と消えた人魚姫は悲劇の象徴のように語られますが、分をわきまえぬ恋をして優しい姉たちの忠告も無視した自分勝手な行動が招いた当然の結果です。もちろん幼い頃はその結末に涙したものですが、甘い幻想もピュアなロマンもすべてかなぐり捨てて見れば、ただの恋に狂った女のたどるべき哀れな末路にすぎません。
しかし恋ほど自分本位なものもなく。
刹那のささいな心の震えが、五感を歪ませ足もとを狂わせ行く手の先を狭めてしまう。歴史を紐解いてみれば、時にそれが世界を変えてしまうこともあります。それほどの力がポニョの幼い胸に咲いたはじめての感情にも秘められていました。町を船を人を呑みこむ津波の上を、未来に向かって走るポニョ。小さな恋の、あまりにも大きすぎる代償をポニョは知らない。待ち受けるしあわせを疑わぬ無邪気な笑顔には、背筋が寒くなりさえします。
人魚姫の恋の代償はみずからの命。だがみずからの願いのために他者を犠牲にする恋もまた、おおいなる悲劇。恋に狂ったふたりの人魚姫、ハッピーエンドはありえない。誰かがしあわせになれば誰かに悲しみが訪れる。この海が満ちればあの海が干くように。きっと世界はそういう因果で構成されている。この作品は、太古より国境も言語も越えて人びとを支配し続けてきた恋という愚かな魔法の因果律を、人魚姫になぞらえて描いたのかもしれません。

映像の迫力と卓越した色彩感覚はジブリならではで、海の表現方法と技術力にはあいかわらず圧倒されました。声優も『風立ちぬ』の主演よりはよほど聞き取りやすかったです。所ジョージはいまいちでしたが。



ハッピーフライト
今年の旅行はGWに飛行機を利用することにしました。
で、さっそくチケットを調べたわけですが。
「エ…飛行機って、こんなに高いの?」
愕然としてしまいました。国内旅行は電車かバスしか利用したことがなく、海外はツアーかタダ(親まかせ)だったからです。飛行機で空港から空港へ往復するだけで、軽く予算を超えてしまうとは…。定価ではとても手が出ないので、あわててスケジュールを変更し、ギリギリ早割価格で予約しました。
もちろん、電車やバスを使えば、もっと安価でたどりつけます。しかし所要時間は比較にならない。いわば、時間をお金で買ったようなものです。
人にとって時間がどれだけ貴重であるか、もっとも念頭に置いて働いているのが、飛行機に関わる人びとなのかもしれません。
定刻どおり、トラブルなしに飛行機を飛ばすには、多くの人間がかかわっています。パイロット、CA、グランドスタッフ、管制官、オペレーションスタッフ、整備士…etc。乗客として目にするのはそのほんの一部ですが、この作品は、飛行機が飛び立って異常事態に見舞われ緊急着陸するまでの、彼らの奮闘ぶりを描いています。
パイロットが主人公であったり空港が舞台であったりしたドラマはいくつか見てきましたが、さすがANAが全面協力した映画作品とあって、空港の昂揚感に満ちた賑やかさ、コックピットとOCCや管制室のやりとりなど、あらゆる場面において迫力がありました。
この頃はまだまだあどけなさや可愛らしさを全面に出していた綾瀬はるかはCAにしてはオッチョコチョイすぎることや、変な乗客が固まりすぎなあたりは、「ツクリモノ」的な演出が目立ちましたが、それもリアリティに迫った展開の前には気になりません。
空港の裏側を訪問する小学生の社会見学の場面や、機長と副操縦士が同じ弁当を食べない理由、管制官は実は自由な服装で勤務していることなど、さまざまなトリビアが盛り込まれていて、随所で楽しめました。
分類としては群像劇にあたりますが、登場するすべての人びとが個性的で魅力的で、場面切り替えのテンポも良く、雑多な印象にはなりません。キャラとストーリーのバランスを取るのが上手な監督です。
機長役の時任三郎は威圧的だけれど頼りになるし、根性なしの田辺誠一も好演でした。チーフパーサーの寺島しのぶのセリフには、CAだけとは限らないあらゆる仕事に対する姿勢を考えさせられましたし、田畑智子の全力疾走には素敵な出会いになるといいねと応援したくなりました。そして意外にかっこよかったのが岸部一徳。ただのアナログなヘビースモーカーかと思いきや、緊急事態に頼りになるのはやっぱりこういう人なのでしょうね。
何よりも驚いたのが、バードさんベンガル。こういう仕事もあるなんて。
空港に行くのが、ますます楽しみになりました。



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連続ドラマの映画化には、「2時間ドラマと映画と、何が違うんだろう?」と首を傾げてしまう作品がままあるのですが、これもその域を超えなかったでしょうか。
アタルとマドカの関係性がもっと深く描かれていれば、せめてその前作品でもう少し触れてくれていれば、まだ思い入れも出てきたのでしょうが…。
連ドラと異なり、舞子と沢は完全に脇役だったのであまりオイシイ場面はなかったのですが、沢と星管理官の関係はいわくありげで、ちょっと沢主任がカッコよく見えました。抱き枕あたりはいつものキャラですが。エプロンつけたりアタルを疑ったりラリーも株を下げてしまったし、今回は完全にアタルとマドカの物語でした。
その割に、堀北真希は表情に乏しく、それが役柄によっては時に良い味を出すこともあるのですが、マドカに関しては殺人鬼の冷酷さも過去を背負った悲しみも感じ取ることはできませんでした。冒頭で生々しい焼死体を映した割には犯人の最期が美しいというのも若干理不尽のような…。銀歯はインパクトがありましたが。正直、この女優さんの魅力が今ひとつわかりません。(まあ『梅ちゃん先生』をムカムカしつつも最後まで視聴できたことこそがその答えなのかもしれませんが…)。
中居くんはあいかわらずの好演。『ナニワ金融道』よりこちらのほうがよほど当たり役に思います。あの愛らしさと悲しさを表現できる四十男は中居くんだけかもしれないな。
小ネタもあいかわらず多かったようですが、そのあたり興味がないのであまり気に止めていませんでした。これは流行なのか、『SPEC』と制作陣が同じなのか、どちらでしょうか。ああそういえば『SPEC』も早く見なくては…って、ストーリー忘れてしもたがな…。


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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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