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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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ジャニーズにはまるで興味のない十代を過ごしていました。
もちろんSMAPにもさっぱりで、歌番組で歌って踊る姿を見るとそれなりにかっこいいな、ダンスすごいな、とは思うけれど、明星を買ったりうちわ作ったりするファンになることは絶対にない、その程度の女子でした。

高校生になって、入学時の自己紹介でSMAP大好きと公言したクラスメートがいました。
英語の授業であったか、先生が「SMAPの意味は?」とその子に尋ねました。もちろん、彼女はスラスラ答えました。
「Sports、Music、Assemble、People」
グループ名に意味があったことは初耳でした。
先生の質問の意図は、唯一聞きなれない"assemble"の説明のためだったのですが、おかげでひとつ賢くなりました。その程度の感想でした。

次第に、SMAPはテレビをつけると見ない日はないほど、国民的アイドルになっていきました。「その程度」はいつしか少しずつかたちを変えていきました。森くんが脱退した時はちょっと残念だったし、今井雅之さんが中居くんを絶賛したと聞くととたんに贔屓になったし、キムタクはなんでこんなカッコイイんだろうとほれぼれしたし、慎吾くんの演技に感嘆したし、吾郎ちゃんのアンニュイな表情にドキッとしたし、つよぽんが韓国語を学ぶ姿勢に感心したし…。

歌番組の1位を取って、スポットライトと黄色い歓声をいっぱいに浴びて、キラキラ輝いている、アイドルとはそういうもののはずでした。それが今や、アイドルが立つのはステージだけではなくなりました。歌番組がなくなってもバラエティーやニュース番組など、どこでも見られるようになって、アイドルはもはやタレントと同じ位置づけになりました。

そんなポジションを最初に作り上げたのが、SMAPです。
それでも、彼らは時代の先頭でキラキラ輝いていました。いつもスポットライトを浴びていました。
永遠のアイドルのはずでした。

今年1月。『SMAP×SMAP』にチャンネルを合わせたのは二度目でした(一度目は吾郎ちゃんが復帰した回)。
キラキラ輝いていたはずの彼らの、窶れきった姿に衝撃を受けました。
何かが壊れていくのを感じました

そして、解散の決定。

決して、ファンといえるものではありませんでした。
しかし、SMAPの意味を知った高校の教室で、はじめて意識してからずっと、
自覚はしていなかったけれど、SMAPは、自分の人生のどこかに必ずいたのです。
それを今さらながらに知りました。
ぽっかりと心に穴が開いたようでした。

いろいろな説が飛び交いました。こうなったのは誰々のせい、誰々が悪い、独立する、しない…。
そうこうしているうちに月日が過ぎて、ただひとつあきらかだったのは、これはなにかの間違いではないということ。

12月26日。三度目の『SMAP×SMAP』を視聴しました。
どこかで期待していました。
「うっそぴょ~ん、みんな騙されたっぺ?」
中居くんがおどける瞬間を。

やっぱりなかった。

5人最後の『世界に一つだけの花』。

《No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly One》

そんなことない。
SMAPは、誰もが認めるオンリーワンのナンバーワンだった。

――1・2・3・4・5、バイバイ!

「さよなら」なのか「またね」なのか。中居くんの動作の意味するところは本人にしかわからないけれど、
これだけはわかります。

キラキラ輝いていたSMAPには、もう二度と会えない。

それでも、人生にともに刻み込まれた記憶はあざやかに残っている。

彼らの作りあげた時代を、同じ時の流れに生きてきたならば、
たぶん誰しもが「記憶の器」となって、生き続けるでしょう。

もう二度と会えなくても。

SMAPは、これからもずっと永遠に、オンリーワンでナンバーワンのアイドルなのです。



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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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