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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『砂の塔~知りすぎた隣人』
オリジナル脚本のサスペンスは、えてして最終回にコケるもの。
「最終回に初登場の大物俳優が犯人だった」や、「伏線まったく回収せず風呂敷くちゃくちゃ」など、数えたらキリがありません。
このドラマは、それらに較べれば、まあまあ及第点だったかな。
「お兄ちゃん呼びの和樹は、実の子ではないのでは」という当初からの疑問はひっぱりにひっぱったあげくやはり連れ子という予想どおりの結果で、「いかにもキーマンな生方」が犯人なのは当然すぎて驚きもなかったですが、奇を衒ったあげく失敗に終わるよりは良かったと思います。
「ある事件の容疑者」と仄めかされ「目的のためなら手段を選ばない」と評される弓子が、実はいい母親だった、というのはミステリーにありがちなどんでん返しなのでしょうが、「逮捕されて服役しているのだから容疑者ではなく犯人だろ」や「我が子をかばったあげく世間体を鑑みての離婚だったのに、ココリコはそこまで弓子を批判する権利があるのか。それ以前に、弓子との離婚を当初拒否していたわりに、亜紀との再婚早すぎでないか」というあたりにひっかかりを感じました。
しかしそれらを凌駕したのは、弓子の和樹に対する思いでした。冷静に考えれば弓子のしたことは犯罪で無茶苦茶なのですが、「子を愛するひとりの母親」として揺れた最終前話からの松嶋菜々子の表情には心を動かされました。
ただ、虐待をからめたのは少し強引すぎた気がします。社会問題となって久しいテーマですが、解決の糸口は以前として見えてきません。子が母を愛し、母が子を愛す、その関係性は理想の親子ですが、そこに暴力が介して良い理由など微塵もありません。虐待された子がそれでも親を求めるのは、愛情の飢餓からなのではないでしょうか。自分にひどい傷を負わせた母親を最後までかばい続けようとした生方は、精神的に束縛された状態です。それこそが虐待であると思うのです。

『逃げるは恥だが役に立つ』
ムズきゅん力、はんぱなーーーーーーーい!!!
と、叫びたくなるような、今時めずらしい大人の恋愛ドラマでした。
若者メインの少女漫画でときめいていたのは幼い頃の話。まさかアラフォーになって、26歳無職女と36歳プロの独身男のふたりにここまできゅんきゅんさせられるとは…。
ですが、恋愛もので「どうなるの!? どうなるの!?」と興奮するのは片想いの間だけで、ふたりが結ばれてしまうと、とたんに興味を失ってしまいがちです。このドラマも社員旅行のあたりまではやきもきして泣かされたのですが、どうにかこうにか壁を超えてイチャイチャ期間に入ってしまうと、それはそれで可愛いのですが、トキメキ度合いでいえば下降線でした。
とはいえ、イイ歳したふたりのイチャイチャを「可愛い」と思えてしまうのは、新垣結衣と星野源ならではの感覚。このドラマの成功要因は、新垣結衣の愛らしさももちろんですが、なんといっても星野源のチョイスにあると思います。イケメンすぎず不細工すぎず、自尊感情の低い36歳童貞の挙動不審ぶりがこれほどハマる俳優は他にいないのではないかと思うほどです。
結婚のありかた、主婦業への対価、愛情の搾取システム、女性の社会進出の困難さという社会問題を孕んだテーマは、ふたりの恋愛模様の前に霞んでしまいました。しかしその部分を掘り進めば展開が固くなり、おそらくここまで話題を呼ぶことはなかったでしょう。それらは大人の女性向け雑誌に連載されている漫画というメディアだからこそ描けたテーマなのでしょうし、ドラマは恋愛のゆくすえを描くことに徹していて、両者棲み分けできて良かったのではないかと思います。
石田ゆり子や古田新太、真野恵里菜に大谷亮平など、脇役も輝いていました。オールスターの恋ダンスも楽しかったです。とくに石田ゆり子は五十処女のキャリアウーマンをいやみなく演じていて、ダンスもキレキレで魅力的でした。
残念だったのは、リアルタイムで見ることができないので翌日に録画を楽しんでいたのですが、朝のネットニュースで盛大にネタバレしていたことです。物語そのものではなく小ネタのネタ元程度であっても見出しで嫌でも目にしてしまう…初キスや藤井隆の夫婦共演は知りたくなかったなあ。



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