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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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なじみのある芸人が多かったからか、非常に満足度の高い戦いでした。
前日の夜、ケーブルテレビで準々決勝敗退組のネタを東京編・大阪編ともに一挙放送していて、その録画を朝から見て、昼から敗者復活戦を見て、夜に本戦と、とにかくM―1づくしの一日でした。

《アキナ》
ソーセージ時代はコントのクオリティが高く、さあこれからという時にスキャンダルに見舞われた不運なふたり。ひとり抜けてインパクトが欠けたにもかかわらず、吉本の温情からかロケや賞レースなど仕事に恵まれていましたが、ようやく露出度に実力が追いついてきたように思います。この日は緊張からか少しテンポが悪くて残念でした。それでも、盛大に自爆するトップバッターが多い中、自分たちの世界観を守りきって爆笑を獲り、それからの盛り上がりに大きく貢献したと思います。次は無難な順番で、最終決戦まで勝ち上がってほしいですね。
余談ですが、ソーセージ解散の原因元を準々決勝で見ました。新しいコンビは敗退もやむなしな内容でなんだか悲しくなってしまいました。好きだったのになあ、ソーセージ…。

《カミナリ》
面白いと同僚が絶賛だったので期待していました。はじめて見たのですが、なかなか計算されたネタ運びで来年ブレイクの予感です。ただ、強烈なドツキが気になって、内容に集中できなかったのが少し残念。見慣れたら平気だと思いますが。上沼恵美子の点数がやたら低かったのももしかしたらそこに原因があったのかな?
敗退時のスリムクラブとのミニコントがなにげにこの日いちばん面白かったかも。

《相席スタート》
同じような男女コンビならシンクロックのほうがなじみがあって好きなのですが、ネタの密度でいえば断然こちらに分があります。「振ってもうた~」は女性受けする内容だったので、女性が多い(ように見えた)観客には大ウケでしたが、中年以上の男性が多い審査員には、内容よりもネタの進行上致し方ない手数の少なさと緊張ゆえかちょっとしたテンポの悪さが評価されなかったのかなと。オリジナリティがあって個性は発揮できたのでは。

《銀シャリ》
最近ロケ仕事が忙しいからか、ネタ番組でも見飽きたものばかりやっていて、あいかわらず成長しない鰻に加えて橋本まで劣化が目立ってきたので、昨年トレンディエンジェルに優勝をかっさらわれた時点でもう漫才はダメなのかなと思っていたのですか、今年のネタは最高でした。ドレミの歌の新バージョンでしたが、鰻ががんばって橋本にくらいついていました! ふたりの今大会にかける意気込みを感じました。これまでの出場者を凌駕するクオリティに圧倒されました。

《スリムクラブ》
初見時のインパクトは果てしないものがありましたが、慣れてくると、どうしても手数の少なさが気になってしまう。とくに賞レースではそれが重要視されるだけに、致命的でした。「家族のトーナメント表」なんて強烈な一撃になるはずなのですが、銀シャリの速いテンポのあとだっただけに、少し間延びした感じになってしまって残念。順番に恵まれなかったですね。

《ハライチ》
昨年から、澤部がひとりでひたすらボケ続けるスタイルをやや変化させ、成長した姿を見せていますが、大ウケを獲るには少し物足りなさが残ります。漫才のトップを決める大会ですから、いわゆる王道から逸脱したハライチのスタイルでは点数が延び悩むのも仕方ないところもありますが。「RPGを知らないと笑えない」というのもあったかもしれません。二本目も見てみたいコンビではあるのですが。

《スーパーマラドーナ》
個人的イチオシ枠。昨年も面白かったのに敗退してしまって、今年こそはと期待していたのですが、その期待を裏切らないネタでした。田中のボケっぷりも武智のツッコミもまさかのオチも、構成がピッタリはまって改心の出来でした。THEMANZAIではヘタレキャラの田中にヤンキー武智が乱暴にツッコむスタイルが、東の方で物議を醸したようなので、そこから新たなスタイルを模索したのでしょう。見事、これぞという方向性を見いだすことができたと思います。

《さらば青春の光》
いろいろ、本当にいろいろとありましたが、真の実力者は大人の事情に潰されはしないものです。一時はみずからのスキャンダルを売りにしていたところがあったので、本当にそれだけはやめてくれと思っていたのですが、こうして本業できちんと評価される場が与えられるのは喜ばしいことです。
しかし改めて見ると、やはりふたりにはコントの方が向いているなと(アキナにも言えるのですが)。劇場で見る分には高得点ですが、賞レースでは不利な印象を受けました。どちらもボケてツッコめる器用なふたりですが、役割がわかりやすいほうがテレビ的にウケますから。

《和牛》
敗者復活戦は、勝ち抜いたのも納得の出来でした。毎年のことなのですが、サンドウィッチマンが優勝してからというもの、敗者復活組に期待するところが大きくなって、わざと強いコンビを残してるんじゃないか? と思うほどです。和牛も昨年の決勝進出者で、ここのところめきめき力をつけてきています。敗者復活戦でも安定した面白さでしたから、こりゃ行くな、と思っていたら案の定でした(とはいえ私が投票したのは霜降り明星、学天即、錦鯉なのだが)。やはりツッコミがうまくなったことが大きいですね。ボケの鬱陶しい男役と、冷静なようでいて巻き込まれていく彼女役の掛け合いがハマっていました。会場を巻き込めたのも大きいです。正直、敗者復活組がいちばん会場があたたまった最後に出てくるってどうなの、とも感じますが(和牛に関してはトップバッターでも最終決戦に滑り込めたかもしれないけれども)。

《最終決戦》
ネタのクオリティでいえば和牛、総合的には銀シャリ、といったところでしょうか。
一本目と二本目のスタイルを変えてくるコンビが多い中、和牛はこれが武器とばかりに同じ設定で挑んできましたが、見飽きた感を持たせないのは、きちんとシチュエーションごとの情景(迷彩服が射的だのカエルに指輪だの)が浮かんでくるような芸の細かさと器用さを持ち合わせているからだと思います。緊張を感じさせない絶妙なテンポは、いつの間にこんなに上手くなったのだろうとつくづく感心しました。
スーパーマラドーナは既視感のある時代劇ネタでしたが、あえてかつてのスタイルを持ってきたのは、3位だった一本目と変化をつけたかったのでしょうか。ドツキツッコミに言い訳を追加したのは笑いにプラスだったのかどうか。優勝するには何かが足りないのでしょうねえ。
さて、優勝したのは僅差で銀シャリでした。一本目とは微妙に異なるネタ運びで、これも鰻の間が悪ければだいなしになるところでしたが、腕をあげたな~という感慨。衣装含めて昭和の匂いのするしゃべくり漫才も、審査員の心証を上げたポイントでしょう。関西では地道に評価を重ねていたので、ようやく日の目を見ることができたなあと感慨です。審査員の中川家礼二が「ずっと漫才を続けて」とエールを送っていましたが、銀シャリには東京進出して安易にバラエティタレントになるより、ずっと舞台で地道に漫才を続けていく姿を見ていたいです。



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