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『息もできない夏』
300日問題で戸籍のない主人公、それを取り巻く人びと。
まだすべての秘密は明かされてはおらず、今後どのように話が広がっていくのか、わくわくします。
ただ正直なところ、この問題に関しては、当人にはもちろん何の責任がないことは当然だとしても、制度そのものではなくそのような状況を作り上げた両親の行動にあると思っています。そういった価値観を覆すような展開を期待します。
『平清盛』(途中)
おもしろくなってきました。
歴史とは、勝者が作り上げるもの。そして日本人のDNAは「判官びいき」という言葉を作りだすほど、敗者にも関心を向けずにはいられない。戦によって勝敗が分かれた平氏と源氏。そして今後、立場が逆転することも知っているだけに、これからの歴史の大転換に期待を寄せずにはいられません。
出生と家族関係と将来に向けてえんえんと苦悩する清盛の姿は、大河ドラマという長丁場においてはやや鼻白む展開でした。将来の展望をしっかりと見据えた時点で、雰囲気がガラリと変わった感があります。
歴史に名を残す登場人物も、個性的で、魅力的。義朝は清盛よりもあらゆる面でカッチョよかったです。うーん、あの為朝のルックスからあの義朝とあの頼朝とあの義経か・・・。
後白河上皇の松田翔太も、正直どうなのだろうと思っていたら、ずいぶん演技力が身についていて驚きました。お兄さんから鞍替えしてしまいそう。あの憂いある唄声も素敵です。
そして中年を迎えて、一族の長である貫録の出てきた清盛。あらゆる財と権力を手に入れて、これからどう国を動かしていくのか。物語は折り返し、悲しくも華麗な歴史絵巻を楽しみにしています。
『梅ちゃん先生』(途中)
おかしいな・・・本放送と再放送とDVDで3回観た『白い春』の脚本家の人でしょう? なんなんだ、このぺらぺらな薄っぺらさは。
「朝ドラなんてどーせ一途でかわいいヒロインが飛んだり跳ねたりして皆に好かれて助けられてイケメンと結婚してたいしてがんばらなくても夢がかなっちゃう物語でしょ?」というスタンスで書いたとしか思えないのですが・・・。
とかいいつつ、毎朝観ているわけですが、ながら観です。
朝観て昼観て土曜の一挙再放送観て日曜のダイジェスト観てさらに今再放送されているダイジェストをまた観ている『カーネーション』の印象が強すぎたせいなのか、この落差にガッカリ感が否めません。
まあ、朝ドラがエピソード使い捨てまくりの予定調和なのは昔からのことですし、きちんと視聴している『ゲゲゲの女房』以降の作品でも、オリジナルにはその傾向が強いのですが、『てっぱん』には初音さんというツッコミ役がいたし、『おひさま』(前半)も戦時中だったせいか比較的過酷な状況にあったので、そこまで気にはならなかったのですが・・・。
とかいいつつ、ながら観ながらも観ているのは、「一途でかわいいヒロイン」梅ちゃん以外にも、松岡先生や坂田先生など魅力ある登場人物がとっかえひっかえで出てくるからでしょうか。しかし松岡先生とはお別れしちゃったし、坂田先生もそのうちいなくなっちゃいそうなので、ちゃんと惹きつけられる新メンバーが現れるか不安で仕方ありません。
松岡先生はさすがの脚本家だなと思わせるほどいいキャラクターだったのですが、アメリカに行ってちゃんと戻ってきてくれるでしょうか。ノブは・・・いいや・・・。
『浪花少年探偵団』
むかーし、NHKで放送していました。山田まりや主演で。キャラメルボックスの細見さんが新藤役をしていたのですが、結局、一話も観ず。
この原作は、おそらく大阪の中でも相当アクの強い作者の故郷、しかもまだ昭和の臭いを色濃く残した時代が舞台なので、現代女優と現代っ子が現代を背景に演じたらクサすぎやしないかなと思っていたのですが、思ったほど違和感はありませんでした。しのぶ先生の代名詞ともいえる赤いハイヒールも、当時とは違って今またカジュアルに履きこなされる商品ですので、小道具として自然でした。
多部ちゃんの大阪弁は若干不自然ですが、気になるほどではありません。むしろ、東京出身の割にはかなり上手いです。タンカ切るのは難しいだろうなあ。
他のキャストはさすが関西人とあって、ナチュラルです。まえだまえだや星ちゃんなど、BK朝ドラで見かけた面々が出演しているのもなにげに楽しいです。
新藤と本間の恋のさやあても、これから楽しみです。
『パパドル!』
そもそも関ジャニ∞が7人ということも知らなかったほどのジャニーズ無知ですが、グループの雰囲気は好きなので、メンバーそれぞれのドラマやバラエティーでの活躍は好ましく観ていました。
錦戸くんも、二枚目シリアスから三枚目コメディーまで幅広く演じられる俳優さんだと思います。
このドラマも、三枚目の面を生かしたお笑いと、二枚目の恋できゅんきゅんする部分をうまく融合し、完全創作のファンタジーを微笑ましく楽しんで観られました。
パパドルというタイトルだけあって、錦戸くんと優香の恋物語よりは、父親としてどう接するかということに主題が置かれていたために、妻よりも子ども役のほうが目立っていました。だからこそ、妻は優香という演技力的にも容姿的にも何とも評価に困る微妙な配役だったのかもしれません。子どもの三人はそれぞれイキイキしていましたが。母親役も医師役も芸達者なだけに、しずかちゃんのような優香のぽやーんとした感じがよけい目立ってしまったような。
ラストシーンもスパイスが効いていました。
『陽だまりの樹』
静かに丁寧に、激情と動乱を描く、地味ながらも秀作でした。
12話もあるから原作をじっくり描いてくれるだろうと思っていましたが、おおよその筋は沿っていたものの、やはりあのボリュームは消化しきれなかったようです。それでも、原作ものにありがちなエピソードやキャラの相違が気になるところはほぼなく、最終回までうまくまとめていました。
最初はイメージが違うなあと思った万二郎・良庵の両俳優ですが、回数が進むにつれてそのふたりにしか見えなくなっていました。とくに市原隼人は殺陣も上手で、案外時代劇でもやっていけるのではと感じました。凛々しい武士の姿がハマっていて、来年の大河あたり、出番があるかもしれません。幕末・明治モノですし。
女優さんたちは主演俳優に較べてちょっと見劣りしたかなという感じです。おせきに主眼を置いていたせいか、お品や綾の描き方は薄かったのですが、万二郎に関わる女性はほぼ全員不幸な目に遭うというのも原作を読んだ時に印象深かったので、少し残念でした。とくにお品。これは陶兵衛とお品に肩入れしすぎたせいかもしれませんが。
大河ドラマで放送しても遜色ないレベルの原作なだけに、思ったよりも駆け足だったのが残念でした。
『ATARU』
結局最後まであの独特なノリとおふざけにはついていけませんでしたが、チョコザイの魅力にすっかり取り憑かれて、最後まで観てしまいました。
作りとしては、一話完結プラスラストを飾る最大の謎というごく普通の謎解きものらしいオーソドックスな展開で、それはそれで楽しめました。これは伏線だよ~でも実はミスリードなんだよ~という演出も散見されて、ちょっとうんざりするところもありましたが。
そもそもチョコザイのキャラクターがナイーブな問題もはらんでおり、描き方によっては物議を醸すおそれもあるので、大胆にコメディータッチにせざるを得なかったのかな、という邪推もあります。
ラストも強引さはなくすっきりした終わり方でした。タモリさんが出てきたのはびっくりしましたが。
それにしても、やっぱり中居くんはいい俳優だな~。惚れちゃいます。