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『もう一度、君にプロポーズ』
毎週落ち着いた雰囲気で、じっくりと観られる恋愛ドラマでした。
こういう時、イヤラシく絡んでくる立ち位置にあるはずの桂や一哉がでしゃばらず、裕樹もそこまでイヤなやつに徹しなかったために、主人公ふたりの関係をじっくり描くことができて、観ている側の視点もブレなかったところが、気持ちよく視聴できた理由かなと思います。
タイトルからしてハッピーエンドになるだろうことは予想できていましたが、主演ふたりの抑えた演技と絶妙な表情のおかげで、最後まで気を抜かず観られました。
『クレオパトラな女たち』
早々に打ち切りが発表されて、どうまとめるのかと思ったら、ずいぶん駆け足の最終回でした。
あと2話もあれば、じっくりとそれぞれの心情を描けたはずなのに、残念です。
放送中、裕の人気が出たのか、脚本家が好きなキャラだったのか、途中からやたらクローズアップされていました(例:シャワーシーン)。もしこのキャラがいなければ、打ちきりでももっとスマートな物語になったかもしれませんし、ゲイという特性を生かしきれなかった消化不良な最終回でしたが、切なさはバッチリ伝わりました。大河にも出演が決まった綾野剛、ブレイク寸前の模様。
市井先生と峯太がホテルから同伴出勤(デキちゃった)は、ウーム、な展開でしたが、思いを告白する場面はちょっとキュンキュンしてしまいました。つくづく、打ちきりさえなければもっとキュンキュンできたのに・・・と惜しい思いでいっぱいです。それにしても、あの非人道的な夫と姑とあと17年も暮らさなければならないのかと思うと、私なら発狂モンですね。
視聴率の低さは目玉のないキャスティングと興味をそそらない題材のせいだと思いますが、じゅうぶん鑑賞に値する良質なドラマだったと思います。
『ATARU』
観る前は、シリアスな謎解きものかと思っていたのですが、どうやら違うようです。
ノリが『SPEC』に似ています。小ネタがちりばめられていたり、突然ギャグが差し挟まれたり、キャラクターの言動行動が超現実的だったり。
こういうおふざけがあまり好きではないので脱落しようかと思ったのですが、チョコザイに不思議な魅力があるのでつい2話も観てしまいました。
何歳の設定なのかはわかりませんが主役を演じる俳優はアラフォーなわけで、リアルに考えると受け止めきれない気がするのですが、そこはやっぱり中居くんです。かわいらしいです。『白い影』で骨抜きにされて以来、俳優・中居正広のファンでありますが、普通の男性を演じるより突き抜けた個性のあるキャラクターの方が、外見や演技力などの魅力が生かされていると思います。
どこまで耐えられるかはわかりませんが、とりあえず録画は消さずに置いておきます。
『パパドル!』
元ネタとなった『ママはアイドル!』は観ていませんでした。
「頭を使わずに観られるドラマ」としては最高級。関ジャニ∞も毎週出てくるようだし、といってもジャニーズにはあまり興味がないので、内輪ウケネタが多いと挫折するところでしたが、そうでもなさそうです。
アイドルの演技力の乏しさを自嘲するような脚本でしたが、実際このドラマも子役のほうが主役&ヒロインより芸達者のようです。長男役の子は『とんび』で堤真一と共演していましたが、成長後の役者よりも印象的でした。
リーダーが引退組で出てきたところは、笑えるやら悲しいやら。
そういえば、ツレは「『リーダー』といえば誰?」という質問に真っ先に「城島茂」と答えておりました。隠れファンらしいです。(私は渡辺正行だったのだが・・・)
『もう一度、君にプロポーズ』
なんだか、懐かしい感じです。ちょっと前に流行っていたような、オーソドックスな恋愛ドラマ。恋があって、障害があって、純粋だけれどすぐとなりにあるような。
子どものいない竹野内豊(38)&和久井映見(36)夫婦が主人公というところも、親近感の持てた理由かも。
記憶を失った和久井映見のとまどう素振りがとても自然で、惹き込まれます。
もし、相手が自分と過ごした時間を忘れてしまったら・・・。
波留を自分にあてはめてみると、切ないな~。もう一度プロポーズするまで相手を責めず静かに待ち続ける忍耐力が自分にあるかどうか、わかりません; まあ、そのあたりの確執もドラマの展開で出てくるのでしょうが。
もし自分が可南子だったら・・・。
ええ、そらもう竹野内豊なら記憶があろうがなかろうが全然おっけーですわ。
『陽だまりの樹』
全12回なので、あの重厚な原作をじっくり見せてくれそうな気がします。
市原隼人・成宮寛貴のキャスティングは、原作とは少しイメージが違いますが(イケメンすぎる;)、若者らしいあかるい苦悩、さわやかな軽薄さを、それぞれが個性的に演じています。
斎藤さん発見(←『新選組血風録』斎藤一役・尾関伸嗣)! NHKはよくこんな絶妙に繊細な雰囲気のある役者さんを見つけてきたなあと思います。主題歌も透明感があってとても素敵だし、地味に良い仕事しているなあ。
以前、陶兵衛を誰が演じるか気になる・・・と書きましたが、漫画から出てきたみたいでビックリしました。コワモテ俳優としてその世界では有名のようですが。
この浪人は物語の中では脇役のひとりにすぎないのでしょうが、はじめて漫画を読んだ時にいちばん印象的だったのが、丑久保陶兵衛でした。時代に取り残されつつある中己の信念を重んじ、永遠の憎しみを抱きつつ、もう一方では新たな愛を育み・・・と、多彩な感情に揺れながらも一本道を生きる、非常に共感できる人物でした。お品と陶兵衛は本当に憎み合っていたのだろうか。原作では明確に描かれない人の奥深く隠された感情を考えることで、人間としての生き方を問われているようにも感じました。
陶兵衛の背負う、男として、また動乱の時代を巧みに乗り切れない、無様でしかしあまりにもいとしい生きざまを、役者さんが体現してくれることを期待します。
『クレオパトラな女たち』
キャスティングに興味があって録画してみたのですが、なかなか面白いです。
導入部が「整形に懐疑的」な峯太郎視点なので感情移入しやすいですし、いわくありげなクリニックの人たちの描き方も興味をそそります。手術シーンもリアル。
日本人はまだまだ整形に否定的な風潮がありますから、どう落とし所をつけるのでしょうか。
綾野剛もこれまたヒトクセありそうな・・・若手には少ないクセ者俳優として、これからどんどん名を成していきそうです。
『梅ちゃん先生』
キャスト的にも題材的にも主題歌的にも惹かれるところはなかったのですが、惰性で録画したものをそのまま観ています。
前作があまりにも前衛的だったためについつい較べてしまいそうになりますが、そもそも、【朝ドラとはこういうもの】なのかもしれません。
ドジっ子ヒロイン、それを厳しくも温かくも見守る家族や幼なじみ、恋をしたり夢を見たり、そして最終的には賢妻として夫を支えたり立派な職業婦人になったり、みたいな。
ですのでコンセプトとしては間違ってはいないのでしょうが、あまりにも登場人物に魅力がない・・・。
というよりも、梅ちゃんに魅力がありすぎて、他が完全に薄ボケてしまっているような・・・。
梅ちゃんはこの20年前の少女漫画のようなヒロイン像を、イラッとさせることなく素直に演じているなあと思います。六ちゃんよりもずっと愛嬌があります。お肌ツルピカなところも可愛い。
しかしその周囲といえば、頑固なだけの親父と戦時中なのにお化粧バッチリの母親と存在感のまるでない祖母と、ヒロインのあて馬なだけの姉とイジケているだけの兄と、ルックスしか取り柄のなさそうな幼なじみという、まるで将来性を感じない造形。むしろチョイ役だったヒロシ君がいちばんイキイキしていたような気がします(十数年後イケメンになって現れ生涯の伴侶となってほしいくらい)。
これから梅ちゃんの世界が広がっていくにしたがって、魅力ある人たちがたくさん登場することを願います。
それにしても、朝ドラは女性が主人公のことが多いので、やはり女性脚本家のほうが視聴者の共感を得られる作品を提供できるのではないかと感じます。『おひさま』も理想郷のような描き方でしたし・・・。それと逆に大河ドラマはやはり男性脚本家のほうが良いのではと思います。差別的な思考かもしれませんが。