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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『刑事のまなざし』
実家の母は『相棒』に夢中で、さらに毎日いつの再放送なのかもわからないような昭和の香りのする2時間ドラマを録画してはハードディスクに溜めっぱなしにしておりますが、普段、刑事ドラマと呼ばれるものはほとんど観ない自分がこのドラマを視聴してみたのは、キャスティングが好みという以外に理由はありません。ストレートなタイトルに象徴されるように、とくにこれといった謎もなく、オーソドックスな展開で心をじんわりあたたかくする一話完結型の人情劇のようです。椎名桔平というと腹に一物抱えているような曲者ばかり演じているのを目にしているので、今回ももしやと思ってしまうのですが、どうやら暗い過去を背負い、ある決意を持って警察官に転身したまっすぐな人間のようで、安心しました。まともな要潤といい、エリートな北村有起哉といい、毎回のゲストといい、なかなか俳優陣には味があります。

『クロコーチ』
ダークな刑事と3億円事件の謎…。2話を終えて真相はいまだ藪の中。毎回人が死んでつかみかけた真実が逃げていきます。手の内をなかなか見せてくれない展開にやきもきしてしまいそうになりますが、あいつも怪しいこいつも怪しい、黒河内の真意の底はわからず、清家でさえ本当にシロなのかは信じがたい。さらに3億円事件の真実となれば、未解決事件マニアにはワクワクします。漫画が原作だそうですが、どんな落としどころが待っているのか、楽しみです。

『ちりとてちん』(再放送)
朝ドラNo1と呼び声の高いこのドラマを観ていなかったことを、当時は後悔したものです。総集編は観たのですが、細かいところがさっぱりわからず。これでじっくり楽しめそうです。しかしこれで今クール朝ドラ3本目。毎日連ドラを観ているようなものです。しかも半年…。民ちゃん、この時も女子高生役だったのね。『カーネーション』にも『純と愛』にも出ていましたから、BKお気に入りの女優さんなのでしょうか。
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『ごちそうさん』
大人気だった『あまちゃん』の後を受けてのスタートはプレッシャーもさぞ大きいだろうと思いますが、戦争をはさむ時代、子どもと家族、おばあちゃんと、朝ドラの王道をちりばめたスタートです。大正時代にやたら豪華なフレンチが並びますが、朝(実際に録画を観るのは夜ですが)から重たいな…と思わせてからの真の「ごちそうさま」を求めてオムレットライスへ移行する流れは、通常の連ドラなら1時間の1回で終わらせるところ、15分ドラマでは1週間我慢しなければならず、視聴者が離れてしまわないかと心配になってしまいました。子役の女の子も、表情や動作などは演技力をうかがわせるものの、しょっちゅう「んんー、おいし~♪」と感動する演出がやや過剰で鼻についてしまいました。杏ちゃんは過剰でも大丈夫だと思うのですが…。花ちゃんがどう評価されるのか少し気になります。
これから初恋、結婚、戦争とさまざまな運命が待ち受けているようですが、ぬか床に住みかを変えたおばあちゃんは、め以子とともに大阪に移住して、彼女の生涯を見届けるのでしょうか。朝ドラとしては異色だった『あまちゃん』とはまた違った安心できるテイストで、毎日楽しみな朝を迎えられそうです。
それから、朝ドラといえば魅力的なお料理レシピ。『ゲゲゲ』のふとった餃子、『てっぱん』のお好み焼きに続き、さっそく休日のお昼はオムライスとなりました。うに丼はさすがに手が出せなかったからなあ…。

『ちゅらさん』(再放送)
確かオンエア時は学生だったような気がします。「ちゅらさんの間は静かにしてもらうの!」といとこが赤ちゃんを抱きながら熱心に観ていました。続編も制作されたほどの人気で、国仲涼子も幸か不幸かブレイクしてからは『ちゅらさん』のイメージから抜け出すのに大変だったといいます。なかなか観る機会に恵まれず、今回再放送が始まったので、録画してみました。現在活躍中の俳優が子役で登場していることに驚きつつ、これからどんな展開がくり広げられていくのか楽しみです。
『あまちゃん』
以前からの習慣で今期も見始めた朝ドラ。やがてあのオープニングを聴かないと一日が始まらなくなり、何度も観直しては画面に散りばめられた小ネタを発見して喜んだり、同じシーンでくり返し涙したり、いつの間にやらすっかりめっきりどっぷりあまオタ。しかし「その日」は近づいてくる。「その日」を挿入するかどうかで悩んだというクドカン。2011年から2年を経て震災を扱う創作ものも徐々に現れてきたとはいえ、いまだ解決していない諸問題を前に、コメディ色の強いこのドラマがいったいどのようにして未曾有の災害を扱うのか、楽しい時間が悲しみに覆われてしまいはしないかと不安でいっぱいでした。
そして訪れた「その日」。はじめて聴く劇中音楽は緊張感を高め、誰しもの動向が気にかかる中で何よりも北鉄の車両に乗り込んだユイちゃんと大吉さんの身を案じました。真っ暗なトンネルで、何が起きたのかわからずともとんでもないことが起きたことだけはわかる恐怖に襲われながら、『ゴーストバスターズ』を口ずさみ自身を奮い立たせる大吉さんの姿は、それまでのお調子者のイメージを一変させるほど真に迫っており、胸を打ちました。表情だけで演じるには相当に困難な場面だったと思いますが、杉本哲太と橋本愛の演技は白眉でした。
 がれきの中でもふてぶてしさを忘れない愛すべき北三陸の人たちは、「被災者だから」と逆手にとって利用できるものは利用してしまいます。あの日の大きな悲しみは、画面をまたいでまたたく間に笑顔へと変わりました。それでこそK3NSPを唱える北三陸です。しかし誰しもが復興へと歩みだせたわけではありません。津波が故郷を、そして夢をのみこんでしまった光景を目のあたりにしてしまったユイちゃんは、「その日」に立ち止まったままでした。
また、「その日」から動けなくなってしまったのは、ユイちゃんだけではありませんでした。
 自然の猛威の前に人間の無力さを思い知らされた絶望感はその日から被災地だけでなく日本じゅうを覆いつくしました。失われた命を悼み、失われた日常を悲しみ、しかしここはガスも電気も食糧も今までどおり消費できる世界であり、こたつでテレビを見ながら被災地を憂えたところで、それは本当に今自分が取るべき行動なのか。何かもっとできることがあるのではないか。あの時多くの被災地外の人びとが共有したであろうもどかしさは、鈴鹿さんの葛藤に集約されていました。震災のことが頭から離れず、セリフの言いまわしひとつひとつにナーバスになる鈴鹿さん。鈴鹿さんもまた、ずっと「その日」に捉われていました。

♪来てよ その「ひ」を飛び越えて

「ひ」とは「火」であり、「日」でもあったといいます。
被災者であるユイちゃん、被災者ではない鈴鹿さん。それぞれがそれぞれの立場で飛び越えなければならなかった「その日」。終盤の一ヶ月、ていねいに描かれていたその時の流れ。飛び越えたユイちゃんの腹黒さに笑い、飛び越えた鈴鹿さんの歌に涙しました。薬師丸ひろ子をまさかの絶対無理音感、なんてたってアイドルのキョンキョンを影武者に設定したその意外性が、最後の最後で奇跡の歌声に包まれる至福の時間を届けてくれました。

ああ、あまちゃんが終わってしまう。
あまロスなる言葉まで生みだした今期の朝ドラ。それぐらい、毎日が北三陸とともにありました。彼女たちの日常を追いかける時は過ぎてしまったけれど、北三陸に行けばみんなに会えるような気がします。海にはキラキラ輝くアキちゃんと元気な海女クラブが、海女カフェには漁協の人びとが、駅前のビルには観光協会と自慢のジオラマ、そしてかわいい列車と愉快な駅員さん。喫茶リアスとおいしいうに丼。ああ、早く行ってみたい。あの灯台に向かって全速力で明日に向かって走ってみたい。
『Oh,My Dad!!』
最初は展開が非現実的すぎて、笑えるはずの場面でもイライラしてしまうことが多かったのですが、中盤からは父性愛に目覚めた主人公の葛藤や、社員登用を目指すサクセスストーリーの要素も描かれていて、最終回にかけて盛り上がりがありました。あっさり元サヤに戻ってしまうと味気ないですが、長野と東京の別居生活が続いていると思わせる入学式の描写で、ゆっくりとこれからの家族の姿を三人で築いていくのだろうなあと思わせる抒情的なラストがよかったと思います。当初は違和感のあっ織田裕二のパパ姿も、すっかり板についていました。

『夫婦善哉』
あほな男と女が一緒になった、あほな夫婦の物語。BK朝ドラでおなじみのキャストの面々が、大正から昭和にかけてのカラッとあかるい大阪の雑多な雰囲気を醸し出していました。柳吉と蝶子は、まさに「あほ」としか形容しようのないどうしようもない夫婦。借金も貧乏もどうしようもないワガママも、とにかく喧嘩で乗り越える。テンポのよい大阪弁のセリフのやりとり、ノスタルジックな背景と音楽、涙と笑顔。4週ではなく、それこそ朝ドラで毎日見ていたいような、画面にやみつきになる秀作でした。

『八重の桜』(承前)
酸鼻を極めた会津戦争が終結し、八重には別れと新しい出会いの数々が。苦難を乗り越えた八重たちに穏やかな幸せが訪れたことをうれしく思います。尚之助さまがあまりにも素敵な旦那さまだったうえに、襄の魅力をあまり感じないまま夫婦になってしまったので、少しまだふたりの並びに違和感を抱かざるをえませんが、これからラストにかけてじっくりとふたりのモダンな愛を感じさせてほしいと思います。

『半沢直樹』
回を追うごとにうなぎのぼりの視聴率と流行語大賞ノミネート間違いなしの決め台詞が話題を席巻しました。周囲でも月曜日はこの話題ばかり。ちょっとびっくりです。個性きわだつキャラクターを熱演した俳優陣、硬軟併せ持つ展開を飽きさせないテンポでまとめた脚本、ドラマとしての質はじゅうぶんに備えていましたが、数字ほどに入りこめなかったのは、生来のあまのじゃくな性格のせいか、それとも現実では考えられない主人公の行動のせいか。上司に向かって「倍返し」なんて、ドラマだから通用するわけで、現実はといえば上司に愛想笑いし下げた頭で床を直視しながら唇をかみしめる日々。だからこそ企業人たちは、半沢の言動に爽快感を憶え毎週あこがれのまなざしを向けて自分を投影していたのかもしれませんが、悲しいかな企業人でない私は「どうせこんなことしたらクビだもんなあ」と冷めた目を向けてしまいました。だからこそ、「出世」ではなく「出向」という主人公の期待を裏切るラストカットにはボルテージがあがりました。あからさまな「続編やるよー」という終わり方は決して好きではないのですが…。TBSらしいですね。それより娘の結婚を控えて悩める岸川部長の奥さん、悩むべきは相手が金融庁の職員ということではなくオネエであることではないかと思うのですが。
『救命病棟24時』
脳死判定をめぐる悲しみは第2シリーズでも扱っていたな、と思っていたら、猿田先生のエピソードでなるほどそうきたかと。小島先生をはじめ、人びとの思いは丁寧に描かれていたと思いますが、最終回のウィルス騒動やセンター長の思惑などが駆け足で、消化不良の感があります。何かが足りないという不満は最後まで残りました。本庄先生の眼病もうやむやになったし、キャラクターの背景がもう少し鮮明であれば感情移入もできたであろうにと。小島先生の恋の行方は続編で描かれるでしょうか。夏目先生よりは救急隊長と進展してほしいところですが。

『激流~私を憶えていますか?~』
俳優陣の演技力とプロットの巧妙さに、最後まで惹きつけられるドラマでした。武田真治と賀来千賀子、最後の田中美佐子の演技は劇画チックで大仰でしたが…。ドラマより衝撃的だという原作も読んでみようと思いました。あと、貴子の夫役の俳優にインパクトを感じて調べてみたら、『バベル』で菊池凛子と対峙した刑事役だったのですね。なるほど。

『Woman』
初回からあまりにも悲痛な場面が多く、鑑賞には重くつらい作品でしたが、終盤にかけて融解していく親子の情が丁寧に紡がれていくさまに、こちらの胸にもようやくあたたかくやわらかな西日のあかりと家路のメロディーが沁みわたるようになりました。また、難病と骨髄移植というドラマ的展開が逆に、安心して見られる要素となったかもしれません。望海ちゃんと陸くん、本当にかわいらしくてこんな素直で利発な子どもたちなら母親になるのも悪くないと思わせる存在でした(むろんやすやすとこんないい子が育つわけない、ドラマだもん…)。『Mother』の芦田愛菜ちゃんに匹敵する名演技だったと思いますが、子役がふたりだったために評価がぼやけてしまったかもしれません。そしてそれ以上に、満島ひかり・田中裕子・二階堂ふみという3人のWomanの演技が圧巻でした。二階堂ふみは『テンペスト』で見た時はそれほど印象に残らなかったのですが、このドラマ、そして『ヒミズ』の演技は才能を感じざるをえない熱演でした。小春と違って経済的には恵まれているはずの砂川夫妻が別離を選択してしまうのも、家族とはなにかを考えさせられてしまう皮肉な演出でした。

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自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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