『救命病棟24時』
脳死判定をめぐる悲しみは第2シリーズでも扱っていたな、と思っていたら、猿田先生のエピソードでなるほどそうきたかと。小島先生をはじめ、人びとの思いは丁寧に描かれていたと思いますが、最終回のウィルス騒動やセンター長の思惑などが駆け足で、消化不良の感があります。何かが足りないという不満は最後まで残りました。本庄先生の眼病もうやむやになったし、キャラクターの背景がもう少し鮮明であれば感情移入もできたであろうにと。小島先生の恋の行方は続編で描かれるでしょうか。夏目先生よりは救急隊長と進展してほしいところですが。
『激流~私を憶えていますか?~』
俳優陣の演技力とプロットの巧妙さに、最後まで惹きつけられるドラマでした。武田真治と賀来千賀子、最後の田中美佐子の演技は劇画チックで大仰でしたが…。ドラマより衝撃的だという原作も読んでみようと思いました。あと、貴子の夫役の俳優にインパクトを感じて調べてみたら、『バベル』で菊池凛子と対峙した刑事役だったのですね。なるほど。
『Woman』
初回からあまりにも悲痛な場面が多く、鑑賞には重くつらい作品でしたが、終盤にかけて融解していく親子の情が丁寧に紡がれていくさまに、こちらの胸にもようやくあたたかくやわらかな西日のあかりと家路のメロディーが沁みわたるようになりました。また、難病と骨髄移植というドラマ的展開が逆に、安心して見られる要素となったかもしれません。望海ちゃんと陸くん、本当にかわいらしくてこんな素直で利発な子どもたちなら母親になるのも悪くないと思わせる存在でした(むろんやすやすとこんないい子が育つわけない、ドラマだもん…)。『Mother』の芦田愛菜ちゃんに匹敵する名演技だったと思いますが、子役がふたりだったために評価がぼやけてしまったかもしれません。そしてそれ以上に、満島ひかり・田中裕子・二階堂ふみという3人のWomanの演技が圧巻でした。二階堂ふみは『テンペスト』で見た時はそれほど印象に残らなかったのですが、このドラマ、そして『ヒミズ』の演技は才能を感じざるをえない熱演でした。小春と違って経済的には恵まれているはずの砂川夫妻が別離を選択してしまうのも、家族とはなにかを考えさせられてしまう皮肉な演出でした。
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