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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『エンジェル・ハート』
まあ、マンガだからな。というスタンスで展開はあまり気にせず気楽に視聴していました。
見どころは冴羽リョウの立ち姿が原作から飛び出してきたかのようなシンクロ度だったことと、香瑩のスタイルの素晴らしさ…くらいでしょうか。ただ上川隆也と三吉彩花のツーショットがどうしても親子に見えなくて、「パーパ、マーマ」が唐突なように聞こえました。確かに年齢差は親子ほどにありますが、三吉彩花は年齢より大人びていますし、上川隆也もまだまだ恋愛ドラマに出てもおかしくない風貌ですからね…最終回までは「まさか!?」と不安な心地で見ていました。しかし超がつくほど人気のあるキャラクターを演じ切った上川隆也の役者魂には感服です。次はWOWOWで『沈まぬ太陽』の主演だそうですが、渡辺謙に決して見劣らぬ恩地を演じてくれると思います。ぜひ地上波で再放送を。

『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』
いやー、興奮と恐怖の全9回でした。最終回が気になって気になって仕方ないドラマはひさしぶりです。「どう見てもカラは怪しいのに、夕貴鈍感すぎ! 警察もこぞって無能すぎ!」とか「あんな再現度の高い整形できるわけないやん」とか、重要部分でのツッコミどころは多々ありますし(いちばんのツッコミは「それいらんやろ?」のバイク炎上)、カラが夕貴に整形したカラクリも監禁期間一ヶ月というヒントで何となく示されていたのでさして驚きもしなかったのですが、それでもハラハラドキドキしながら鑑賞できたのは、菜々緒演じるカラの魅力が120%発揮されていたからでしょう。演技力は拙くセリフ回しも固さがありましたが、無表情の大きな目が冷徹さを強調していてうまく相殺されていました。アクションも戦隊ヒーロー経験者の松坂桃李と遜色なくこなしていましたし、演出に救われたところも大きかったと思います。菜々緒をドラマで見たのははじめてだったので、AUのCMでも浦ちゃんの今後が気になってしまうほど悪役が印象づいてしまいました。
しかし、元男という予想は見事にはずしてしまいました。怪力はただのミスリードだったか…。
夕貴と里見のイチャイチャシーンはほほえましく見られました。最後救出された夕貴が里見に泣きながら謝る場面も良かったです。
今回のオチはドラマオリジナルだそうですが、原作のラストがどのようなものだったのか、読んでみたくなりました。
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『破裂』
椎名桔平が香村医師という複雑なキャラクターを真摯に演じたことによって、見ごたえのあるドラマになり得たと思います。香村は人類を救う夢の治療法の実用化に使命感を燃やす一方、研究のためなら医療ミスさえもみ消そうとする野心家の側面を持ち、父に捨てられた過去から息子に素直な愛情を向けられない不器用な父親でもあり、ひとことでは言い表せない多面性を持つ、いわば非常に人間くさい人間です。物語が展開していく中で、さまざまな事象と周囲の人びとに香村の思いは揺れ動かされ、それが行動の原理となってさらに新たな筋が広がっていくという、スリリングな展開もスッと心の中に入ってきて次週が待ち遠しくなる、完成されたサスペンスドラマでした。全7回という民放ドラマに較べると短い尺の中でも、話が矛盾することも詰めこみ感もなく、脚本と演出と演じ手が見事に調和していました。
滝藤賢一・仲代達矢が対峙した場面も緊迫感がありました。主役級三人の演技力がドラマの質をいっそう高めたと思います。倉木蓮太郎の遺作となった映画作品も、わずか数シーンでしたが倉木がそれに賭ける思いが伝わってきて、それ単体でスピンオフ公開してくれないだろうかと思うほど内容が気になりました。
認知症の母を抱え生死の選択のはざまで苦悩する厨を演じた甲本雅洋、怪しさ満載の小池役のモロ師岡、脇を固める俳優陣も充実していました。
原作は11年前に出版されたそうです。11年経った今も、増加していく高齢者問題はバラマキと緊縮をくり返し、解決の糸口すら見えません。
生きたい、と思う人間として当然の希求。
死にたい、と思う人間ならではの苦しみ。
夢の治療法から一転、悪夢のスパイラルを想起させるラストシーンが衝撃的でした。
死ぬために生まれたはずの人間に、なぜ生への執着心が備わってしまったのだろう。
神は人が人を殺めることを許さない。ならば乗り越えるしかない。本能に抗い死ぬことへの恐怖を。それが人に神から与えられた最期の試練なのだろう。



『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』
漫画原作とあって、謎いっぱいの初回のプロットに惹きこまれました。松坂桃李と木村文乃のカップルのさわやかさも良いですが、菜々緒の不気味さも見どころのひとつです。肉感的な身体と無表情な美貌、匂いたつ悪の華の魅力が画面に満載でよくこんな配役にしたなあとスタッフの眼力に感嘆しました。菜々緒も整形の悪女という配役をよく引き受けたものです。犯人はどうしても主役ふたりの引き立て役になってしまいますが、このドラマに限っては食っていますね。悪女→男に恋慕→敵は恋人の女、という単純な設定でもなさそうですし、なぜカラが猪熊をターゲットにしているのかが気になります。二話で力持ちかつ柔術が得意という特色が取りざたされていたので、元は男だったのかなという気もしますが。
猪熊の女っ気なしのサバサバ感がいやみがなくて好感が持てます。木村文乃ちゃんもじゅうぶんかわいいのに、色気を消してアクションもがんばっていますね。全般的に警察官の役者さんの緊迫感がリアルで、優れた演出だと思います。

『下町ロケット』
『半沢直樹』とは原作者だけでなく脚本・演出家も同じとあって似た雰囲気の作りとなっていますが、似ていても飽きさせない迫力です。大企業と銀行にいじめられる中小企業、技術者のプライド、そして倍返しと大逆転。見ていてワクワクする物語。銀行マンが自分の会社に喧嘩を売るより、共感できます。
阿部ちゃんの演技はもとより、脇をかためる安田顕や立川談春も存在感があります。『まれ』で最後は母親になっていた土屋太鳳ちゃんが高校生の娘役なのは一瞬違和感を抱きましたが、それが本来の姿なんだよね…長丁場で疲れただろうにすぐ次の仕事を入れ朝ドラのサゲ印象から脱却しようとがんばっていて何よりです。

『大地の子』(再放送)
もう何回目かな…初見から20年も経つのですね。あの頃は高校生だった…。
10代の頃に出会ったこの本は、私という人間を形成するうえでのひとつの重要なファクターとなりました。そして読後間もなく始まったこのドラマを見てますますその影響は大きくなりました。
そして何回見ても、あふれる涙を止めることができません。歳をとってますます涙腺がゆるくなった身にはこたえます。もう中国のお父さんが画面に出てくるだけで泣けるのですから。
『エンジェル・ハート』で現在の上川隆也を、そして『破裂』で仲代達矢を同時進行で見ているだけに、20年という歳月の長さを感じずにはいられませんが、やはり何年経っても、どんなに時代が変わっても、今の中国と日本の関係がどんなものであろうとも、この作品の価値は変わりません。
日本と中国、戦争の歴史に触れるたび、終戦の混乱のさなか満州を脱出した祖父母の、もう知ることはできないその胸中を想像します。少しでもその思いに近づくことが、祖父母が生きて帰国したことにより生まれてくることができた自分の義務ではないかとも感じるのです。

『エンジェル・ハート』
原作は読んだことなく、アニメもほとんど見ていなかった『シティ・ハンター』ですが、それでも冴羽リョウのかっこよさや100tハンマーの威力は知っていますし、『Get Wild』もそらで唄えるという名作中の名作。その続編(作者いわくパラレルワールド?)のドラマ化。
上川隆也が究極の二枚目と三枚目であるリョウを演じられるのか不安ではありましたが、立ち姿が原作から抜け出たような再現度で驚きました。セリフ回しの不自然さや加齢の衰えを隠しきれないフェイスラインといういくばくかの難点はあるものの、ビルの屋上で風を受けながらもの思いにふけるリョウの背中だけでも、見ごたえがあるのではないでしょうか。
香はアニメ化当時あまり好きになれないキャラでした。主人公が純情な少女漫画を好んで読んでいた頃でしたから、乱暴な香の感情表現をくみ取ることができなかったのです。今ならわかりますし、香が死んでしまった『エンジェル・ハート』を『シティ・ハンター』の続編として受け止められなかったファンの気持も理解できます。相武紗季はイメージの香と較べて少し線が細めですし、上川隆也とのツーショットも年齢差のせいであまり恋人同士という雰囲気がありませんが、思いを残してこの世を去る切なさが伝わってきます。
作品のヒロインである香瑩。三吉彩花はCMでしか見たことがなかったのですが、そのスタイルの良さにガクゼン。ほっそー! 足ながー! しかしちゃんとアクションもこなしていますし、殺し屋の哀しさを表現できていてすごいですね。
気楽に視聴することにします。

『破裂』
椎名桔平主演、というだけで録画したのですが、案外おもしろかったです。心臓を若返らせる夢の治療法と超高齢化社会の解決策として起案された「天寿」なるプロジェクト。いまだ『半沢直樹』のイメージが強すぎる滝藤賢一のクセ者っぷりとクルクルパーマから目が離せません。原作も面白いのでしょうが、これだけ臨場感を出せるのは安定のNHKならではでしょう。主人公の父親で手術をほどこされた俳優と、足の悪い息子が物語の鍵となっていきそうです。

『あさが来た』
幕末から始まる初の朝ドラ。主演・波瑠の姉には宮崎あおい、『花子とアン』のようなW主演の扱いで、同様に主役が食われてしまうのではと懸念していましたが、今のところ杞憂に終わりそうです。
第一週は子役に魅せられました。といってもちびあさではなく、ちびはつです。子役ながらはつの楚々とした所作に目が惹かれました。『篤姫』で時代劇を経験済みである宮崎あおいの箏を弾く手つきが本格的なのは当然ですが、ちびはつちゃんもわずかなシーンのために練習を積んだのではなかろうかと思います。嫁入りの不安に床で涙を流す場面では思わずもらい泣きしてしまいました。あさよりもはつがのちのち苦労する展開は事前の番宣で見て知っていたので、どうにか幸せになってほしいとつくづく思います。
一方のあさ。たどたどしい京都弁の言いまわしとあいまって、宮崎あおいと並ぶとどうしてもその演技力の乏しさが目についてしまうのですが、豊かな表情が魅力的です。「びっくりぽん」は流行らせたいのか? 疑問ですが…。好奇心旺盛でずうずうしくても、良いとこのお嬢さんらしい素直さがあって好感が持てます。
そして、最近の朝ドラに欠かせないのがイケメン。夫役の玉木宏は年齢差もありますし、正直どうかなあと思っていたのですが、これがどうして、無問題のイケメン。新次郎の出ない日はものたりない。やっと結婚したかと思えば毎晩フラフラ、これは『マッサン』のニート時代以来のがっかり展開か? と思いきや、新選組襲来の夜の、口にフタ→お姫様だっこ→障子ピシャーの三段攻撃にもう世の奥様方はこぞってメロメロ(たぶん)。そしてなぜか無駄にイケメンな五代才助。ディーン・フジオカ? 誰だこのイケメンは! こんな俳優がいたとは!
そしてマザコン+無愛想の二重苦から、着物と芝居とはにかみスマイルの釣り具で怒濤の上昇カーブを見せた白蛇はん。かと思うと、蔵閉じ込め事件で踵を返しまた評価はマイナスに。昼ではなく朝ドラですから、惣兵衛とはつは幕末の動乱に乗じて鬼姑から脱却し、ふたりで新たな世界を生きていくのだと思うのですが…。
AKBの主題歌も懐メロ風味で良いですね。
これからの展開に期待します。
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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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