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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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帰り道、ついつい立ち寄ってしまう本屋。

入ると、なにかしら買いたくなってしまうから、鬼門です。

 

8月に買ったまま、ずーっとほったらかしにしていた、

『功名が辻』(司馬遼太郎)

ようやく2巻まで進んだので、3巻を買いました。

大河ドラマも観ているけれど、原作には原作の、ドラマにはドラマの魅力があると思います。

原作の千代は夫の出世を一途に願う賢女。

ドラマの千代は夫への愛情がまっすぐに出ていて、愛らしい。

一豊は・・・同じ感じですね。凡庸で生真面目。

ただ、やはり公共放送では浮気を肯定できなかったらしい。

当時の感覚からいって、厳密には浮気ではないんですけども、

やはり一豊隆也には愛欲におぼれてほしくない! ので正解。

 

この本は通勤専用。

家では別の本を読みます。

現在手にかけているのは、『百舌』シリーズ(逢坂剛)。

学生の頃から大好きで、もう4、5回は読んでいるかも。

基本的にサスペンスなので、結末を知っているからハラハラドキドキはないですけれども、

それでも読んでしまうのです。

逢坂剛の小説は、ハードボイルドと言われるけれど、

出てくる人物は皆、恋に対してオクテで繊細です。

『百舌』シリーズの主役を張る三人は、30~50代の《大人》たち。

なのに、相手のちょっとした台詞や行動で、

胸がきゅっとなったり、動揺してしまったりする恋心は、

幾つになってもかわらないのかもと10代の自分は考えたものです。

シリーズ途中で明らかになった三角関係は、

ひとりが死んだことで、最終的に残りふたりが結ばれる結果がついてしまい、

ちょっと残念。

 

ちなみに逢坂剛を読み始めると時間を忘れてしまうので、バスタイムに読むと危険です。

湯船につかったまま最後まで一気読みしてしまい、

あがった瞬間にクラ~っとくることもしばしば。

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