『チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮』
やはりバチスタシリーズはクオリティが高いです。原作が良いのでしょうが。
柳葉敏郎がいささかミスキャストであったことをのぞけば、これといって残念な点がありませんでした。てっきりそうなるだろうと思っていた最終回を映画までひっぱるパターンにも入りませんでしたし。
安楽死をめぐるセリフのひとつひとつは、真に迫っていました。作者の主張なのでしょう。それについては、自分はあまりにもその問題とは縁遠いところで生きてきたので答えを導きだすには至りませんが、現場に直面したその時、自分はどんな選択をするのだろうかと少しそら恐ろしい感覚にも包まれました。少し前海外で、高齢の男性が家族友人らとシャンパンで乾杯した後、安楽死を選択して旅立ったというニュースが流れました。それを聞いてまず思ったのは「いい死に方だなあ」ということでした。苦しむことなく死を迎えられる、しかも誰かの手によって。最高ではないか。
何とも浅はかな感想でした。まだ残りある命をむざむざと消し去られていく事実を目の前に、彼を愛する人びとが何を思うか。彼を死に至らしめる薬を投入する医師の手は神への背徳に震えはしなかっただろうか。なぜこの国は安楽死を認め、日本では認めないのか。
医療という科学と命をめぐる宗教観。答えを出すのは、本人なのか周囲なのかあるいは医者なのか。いずれは訪れる死を前に守るべきであるという生。命というものは、考えれば考えるほど不思議です。
映画は豪華キャストで締めてくれそうです。田口&白鳥コンビもこれで見納めかと思うと少し淋しいです。
『闇金ウシジマくん2』
千秋目線であったSeason1からウシジマくん寄りの視点に変わったSeason2。あんなに信頼していた部下たちと少し距離ができた時の、ウシジマくんの心の揺れも感じられるようになりました。
物語の中心に描かれていたのは若さゆえに血気にはやる読モくんと、周囲への不満ばかりのフリーターくん。同様にウシジマくんに借金して身を持ち崩しながら、ふたりの結末は対照的です。どちらも若手俳優が好演していました。読モくんの行く末は会話でしか語られませんでしたが、今際の際に見たと思われるはかない映像が感傷を誘い、フリーターくんの将来にはあかるい陽が差すであろうことに安堵しました。しかしその希望に満ちた表情を抜いた画面の片隅に薬物中毒に陥ったパピコをチラ見せするあたり、最後まで裏社会の影を描くなんとも心にくい演出です。
戌亥は宣伝のわりにあまり存在感がありませんでしたが…もう少しウシジマくんとつっこんだからみが見たかったですが、それは映画までお預け…なのかな?
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