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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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映画「闇金ウシジマくん」

深夜ドラマ『闇金ウシジマくん』の映画版。
ドラマのSeason2を見終わったばかりのところで鑑賞。
そのせいか、少し違和感をぬぐいきれませんでした。
ドラマ版では専門用語(とも限らないが)にはテロップで解説がつき、ことあるごとに「犯罪です。」の注意書き。深夜ドラマらしいノリで、借金地獄に堕ちていく人びとの深刻であるはずの展開にも、どこか力を抜いて鑑賞できたのです。
が、映画にその演出はありませんでした。もちろん映画ですからドラマの延長であっても困るのですが。
そして、ウシジマくんとカウカウファイナンスの社員たちを中心に回っていたドラマとは異なり、映画では借り手側の視点で描かれていたのも、主な違いであったかと思います(しかし思い返せば、ドラマSeason1も借り手視点だった)。
今回の主人公はイベントサークルを切り盛りするチャラ男。ドラマの読モくんも、若さゆえにあやまちを犯し人生を棒に振ってしまう、なかなかに悲惨なエピソードでしたが、今回は言葉で語られるのみに終わったドラマとは違い、その行きつく先を映像化したあたり、「映画だなあ」と思いました。
ドラマなら許される「女っ気なし」も、映画ではアレコレ大人の事情が優先されてしまうのでしょうか。大島優子演じる出会い系カフェで小金を稼ぐ少女は、実は物語の重要なカギを握っていたにもかかわらず、あまり重要性を感じませんでした。ちなみに大島優子は、AKBということで無駄にあれこれ言われてしまうところもあったでしょうが、まあ別に見られないことはなかったです。しかしこれが10数年前の池脇千鶴であるとか、今でいえば二階堂ふみあたりが演じていれば、もっと深みのあるエピソードになったのではなかろうかと。
千秋に至っては、出す必要がまったくなかったです。おそらくカウカウファイナンスを辞めたはずの千秋が出演するという前宣伝でドラマファンの気を惹く計画だったのでしょうが、もはや詐欺レベルです。
肉蝮との絡みも、いるか? という感じでした。ウシジマくんに期待しているのはアクションではないですし。
警察とのやりとりと、アーガイルのウシジマくんはなかなか面白かったです。
ラスト、ちょっと人情に触れたウシジマくんは、Part2への布石だったのかもしれません。

結論から言うと、「ドラマのほうがおもしろい」でした。


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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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