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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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獅子夫編

新人、新外国人はプロのスカウトでも目利きを間違えますし、誰も実力は分からないのでまったく考慮しません。だから順位予想自体がナンセンスなんですよ。特に混戦のセリーグなんぞはこいつらの働きで順位が決まりますから。


《セ・リーグ》
(総括)
僕は去年はセリーグの交流戦勝ち越しを予想してました。普段セリーグの試合なんかほとんど見ないんですが、パリーグはメジャーなどへの人材の流出が激しいので、いいかげんセリーグが勝ち越すだろうと。しかし実際交流戦が始まって試合を見ると、セリーグに強いチームは一つもないことが分かりました。特に打線ですね。阿部、長野、森野、和田、バレンティン、マートン、ゴメスなど強打者と思っていた面々は劣化もしくは怪我でいませんでしたし、活きのいい若手打者はまったくいませんでした。まあ、今年も混戦でしょう。

1位 巨人
消去法です。クルーズごときを大金で引き抜いていることからも落ち目ぶりはわかります。しかしさすが腐っても巨人、層はそれなりに厚いので、例えば阿部と長野が怪我しても内野なら中井や寺内や村田さん、外野なら大田や橋本や吉川などの中途半端な選手はたくさんいますから、そんなに強さは変わらないでしょう。坂本が怪我したら終了ですが。投手も菅野、マイコラス、ポレダの先発3人はいいですし、こちらも田口や小山や宮国など2線級の先発候補はたくさんいます。抑えの澤村さえ元気ならそれなりにやれるでしょう。低いレベルで安定感はあるので、消去法で1位にするには最適なチームです。

2位 広島
去年セリーグで優勝すると思ってました。まさか緒方があそこまで無能だとは思いもよりませんでした。僕は今でも普通の監督なら去年は優勝できたと思っています。打線は線になっておらずエルドレッドのホームラン頼みですし、投手起用もむちゃくちゃでした。ただ、マエケンの抜けた穴と、緒方の進歩+ルナ加入+中崎の成長を天秤にかけると、そこまでのマイナスはないかなと。マイナスなのは間違いないですが。

3位 DeNA
このチームをAクラスに予想するのはファン以外では僕ぐらいでしょうが、セリーグの中では去年と比べた時巨人の次にマイナスが少ないチームだと思います。去年は投手陣がクソなので弱かったのは間違いないんですが、井納、山口、三嶋なんかは能力から考えていくらなんでも去年は悪すぎです。抑えも去年の山崎は出来過ぎだとしても、三上は後半戦良かったですし。打線も梶谷はヤクルトのT山田よりポテンシャルは高いと思うんですがね。関根、乙坂、宮崎など楽しみな、まあそこまで楽しみでもないですが、若手もいます。選手個々の能力を合算したらヤクルトより上だろと思うのですが。

4位 ヤクルト
巨人と違って選手層はペラペラです。さらに今年はバーネットが抜け、何気にロマンも抜け、唯一僕が評価してたブルペンがかなり劣化します。新加入の坂口と鵜久森はパリーグ出身なので僕はよく知ってますが、こいつらが3割や20本(神宮補正含む)打つことはありません。バレンティンもかつての力はないでしょう。ただ、去年もそんなに強くはないだろと思ってたチームです。日本シリーズで不沈艦ソフトバンクに4つ勝つイメージがまったく浮かびませんでした。よくこんな戦力で優勝できたなと感心します。よっぽどチームにまとまりがあるのでしょう。なので、結束力で4位ぐらいにはなるかなと。

5位 中日
このチームは陰気なイメージがありますね。テレビで在籍選手もはっきり言ってましたし。僕がプロ注目のドラフト候補だとして、一番行きたくないチームです。原因は誰でもわかりますが、ベンチにいない権力者がベンチに影響を及ぼしすぎているので、ベンチに一体感が生まれないからですね。楽天三木谷のFAXみたいなもんで、こういうチームは間違いなく上にはいきません。かといっていい選手が揃っているわけでもないですし。プラス材料といえば、福谷は去年よりはマシだろう程度ですね。

6位 阪神
去年と比べてセリーグで一番戦力が低下したチームだと思います。投打の軸のマートン、オスンファン、メッセンジャー専属捕手の藤井が抜けるというのはどう考えてもキツいです。攻守の軸である福留の年齢も気にかかります。もう今年は若手と心中するしかないでしょう。金本監督もそんなこと言ってますし。ただ、このチームに大谷や柳田のような選手はいません。去年一生懸命起用してた江越は、パリーグでいえばハムの岡大海よりポテンシャルは下でしょう。それに、僕は和田監督は采配は上手だと思いますし。

《パ・リーグ》

(総括)
本当にパリーグはつまらないです。セリーグのようににみんなで38度ぐらいのぬるま湯で浸かっているリーグではありません。セリーグのチームはいい選手はメジャーに行っていまったし、いい若手も少ないし、ベテランは劣化するし、去年よりさらにお湯は冷めていると思うのですが、みんな動かずに肩寄せ合って温めあって、結果混戦になるチームです。パリーグは熱湯を足してくるチームが1チームいるので、他のチームは頑張って熱さに耐えねばなりません。熱さに負けて湯船から出ると風邪を引いて(=13連敗)シーズン終了です。たぶん西武は40度ぐらいのお湯なら耐えれるはずなので、セリーグに移籍したいのですが。

1位 ソフトバンク
イデホが抜けたとしてもカニザレスも長谷川もいます。福田や上林なども若手は西武ならもっと使ってあげれるのにと思います。投手を見ても、このチームは敗戦処理でよそのチームなら勝ちパターンの投手が出てきます。柳瀬、二保、飯田、いや東浜ですら西武なら勝ちパターンの投手です。先発でもスタンは抜けましたが千賀がいます。インチキのような選手層です。チームが中日のような雰囲気になればまだスキもありますが、このチームには王会長という精神的支柱がいて、この人は現場に介入しませんしね。どう考えてもお手上げです。

2位 日本ハム
投手の層はそこまで厚くないので、ソフトバンクのような絶対的な強さはありません。去年もCSでロッテに負けてますしね。ただ、現有戦力が若いので伸びしろこそあれ劣化は少なさそうですし、西川、浅間、岡など化けたら一流選手になりそうな不気味な若手も非常に多いです。江越に期待している金本に少しは分けてあげろよと思います。あと、大谷はプレミア12の投球をされたらこれはもうお手上げです。お手上げレベルの投手はソフトバンクのハンデンバーグとこの投手ぐらいですので、やはり2位は堅いでしょうね。

3位 楽天
パ・リーグは1位、2位はこの順番で堅いと思いますが、3位以下は差がないと思います。そのなかでも大穴のこの球団を3位します。ただ、投手陣は将来性も含めればそこまで悪くないと思います。打撃陣は間違いなくリーグ最低ですが、去年は銀次や嶋などケガ人が多く、岡嶋、桝田、西田、島内あたりも年齢的な劣化はないはずなのに考えられないぐらいダメだったです。外人も失敗しましたしね。去年が考えられないぐらいの底だとすれば、今江も入る今年は少なくとも去年よりはマシなはずですし、3位から6位は去年もそこまで差はありませんでしたので。

4位 ロッテ
ロッテは監督が一番まともそうですね。実力は同じぐらいだとすれば、監督の差で数勝拾えるのは大きいです。ただ、ただでさえ外野手と捕手以外は選手層が薄いのに、今江、クルーズが抜けたのは痛いです。しかしこの2人はプレーに華はありますが四球をとにかく選ばないので、新外人、中村、高濱あたりでごまかしていけば、去年とそこまで変わらないのではないかと。投手はスタンが入りましたが、涌井が去年出来過ぎな気もしますので、プラマイゼロぐらいですね。そうすると野手のマイナスで少し順位が下がるとしてこのぐらいで落ち着きそうです。

5位 西武
なにげに先発投手はローテ全員で比較すればソフトバンクや日本ハムにヒケはとらないと思います。高橋光成の伸びしろは言わずもがな、雄星もまだまだ伸びると思います。しかしこのチームの監督は緒方レベルの無能田辺です。9回完投して勝つことの出来る投手は岸しかいませんし、継投は武隈→増田→高橋朋のワンパターンで、高橋朋は潰れかけていますし、たぶん先発陣を活かしきれないでしょうね。高橋朋が復活しても酷使で去年と同じく夏場失速するでしょう。野手はレギュラーに一流選手が何人もいるので良いように見えますが、層はむちゃくちゃ薄いです。代打成績の酷さを見ればわかります。浅村離脱→直人、おかわりかメヒア離脱→山川orやっぱり直人、秋山か栗山離脱→斉藤彰吾or田代、になります。野手は去年主力にまったくケガ人がなかったので、今年が去年よりいいことはありません。年末年始にテレビにたくさん出てた森友哉も、DHでこの成績なら楽天ウィーラーとそんな変わらんような気がしますがね。過大評価です。捕手としてまったく使わない田辺が悪いんですが。金子や木村や坂田が覚醒するという期待はもうしてませんので。

6位 オリックス
先発はそれなりにいいです。三本柱だけでいうならパ・リーグナンバーワンでしょう。しかし不安材料は何といってもブルペンです。塚原や海田あたりもいい時はありましたが結局潰れて今年は未知数ですし、比嘉は完全に終わりましたし、平野、佐藤達は下降線ですし、岸田も年齢的に上がり目は薄いです。楽しみな若手もいません。先発でいえば松葉や山崎福、野手でいえば駿太、西野など伸びしろがありそうないい選手もいるのですが、ブルペンがとにかく12球団で一番悪いので、こういうチームは僕は評価しません。そして福良監督は今年の捕手は横一線と言っていましたが、これにもがっかりしました。そこそこ打てる伊藤を固定しない理由がまったくもってわかりません。


牛子編
《セ・リーグ》
1位 巨人
消去法。以上でも以下でもない。先発は三本柱が確立しており、坂本・立岡で先制攻撃をしかけられれば白星を勝ちとれる。しかし阿部・長野の劣化が激しく、目立った補強も脇谷・クルーズのみ。火中の栗をつかまされた高橋新監督は、我慢の年として割り切って采配してほしい。

2位 ヤクルト
去年のブルペン陣がいなくなった分、連覇は厳しいが、クリーンアップはセ・リーグ随一。怪我人さえ出なければ、セ・リーグであれば今年も破壊力で上位は固いと思われる。

3位 広島
前田健が抜けてもジョンソン・黒田が残留し、先発の軸はしっかりしている。抑えに中崎を固定できることも大きい。心配なのは緒方采配。去年から変化を見せなければ、一気に下落もアリ。

4位 中日
先発の大野・若松は安定しているが、抑えの福谷が心配。復活に期待する。また打線の中軸を担う選手の不在も不安材料。チームを支えてきたベテラン勢がいっせいに引退し、残った森野はもちろん、平田・大島あたりの中堅も積極的にチームをまとめにかからなければ、内部崩壊の可能性も。

5位 阪神
複数年計画を宣言している監督だけに、起用や采配に偏りが出るであろう不安が拭えない。抑えが未定であることも問題。先発の軸として藤浪・メッセンジャーがいる分だけ、ひとつ順位を上げた。

6位 DeNA
ラミレス監督の采配は未知数であるし、いつまでたっても戦力を活かしきれていない印象。すべてうまくかみあえば、5位と入れ替わると思われる。

《パ・リーグ》
1位 ソフトバンク
このままイデホが退団しても、カニザレスが控えている。選手の起用も若手の育成も余裕たっぷりにシーズンを過ごせる。唯一、昨年ブルペン陣を最後まで機能させた吉井コーチが退団したが、投手陣は豊富なので酷使されるおそれはない。つまり、どこにも穴がない。

2位 日本ハム
大谷がNPB最後(!)の働きで沢村賞を獲得するであろう。豊富な若手野手陣から、誰が成長してくるかわからない不気味さがある。新加入の吉井コーチが自由に辣腕を振るえば、これまた若手投手陣が一気に実力を発揮してくると思われる。

3位 西武
田辺監督のハンデを覆す主力の奮起が望まれる。森の起用をどうするかで、順位は変動するであろう。捕手固定なら今シーズンは棒に振ることになる。DHやライトなら上位も狙える。

4位 ロッテ
内野陣からふたりも抜けたが、中村の活躍に期待する。ルーキー平沢も起用されるようなら面白い。監督の信頼を得て成長いちじるしい田村の存在も大きい。

5位 オリックス
金子の復活が鍵となる。西・ディクソン・東明の二桁勝利は当然。しかし後ろは外国人に期待せざるを得ない状況。福良監督が指名した生え抜き4人(T・安達・伊藤・駿太)が143試合レギュラーを張って、チームを導くべき…と思っていたら、安達入院ってどういうことだーーーー!!!??? 安部首相も一度は退任させられた難病の潰瘍性大腸炎。あの丈夫な安達が…。病状の進行がひたすら心配ですが、とにかく残る3人は安達のぶんまでキャンプからチームをひっぱってほしい。もちろんルーキー含むショート候補も、これを機会にスタメンをもぎとるつもりで。あとは若手先発(松葉・吉田一・山崎福)の奮起に期待。しかし安達の復帰具合によっては、序盤から苦しい戦いも予想される。

6位 楽天
梨田新監督が松井裕をどう起用するかがシーズンを占う。抑え固定であれば心強い。打線は長打力が備われば上向きもアリ。オリックスとは直接対決の相性で6位にしたが、両チーム差はないし、楽天キラーの金子キラーの今江の存在も怖い。





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シーズン前からプレミア12プレミア12とさんざん煽っていたテレビ局。
プレミア12とは何ぞ? WBCとは違うの? どうせメジャーリーガー出ないでしょ? しかもオリックスから選ばれたの西だけだし…どうせあまり出番ないし…。
それでも始まれば始まったで、おもしろいものです。

11/8 ☆日本5-0韓国
いよいよ開幕。大谷が本拠地で最高のピッチング。打線も繋がりを見せてあぶなげなく初戦快勝。則本は回跨ぎしなくてもよかったのでは?

11/11 ☆日本6-5メキシコ
直前に出るか出ないかでもめていたような記憶のあるメキシコ、結局急造チームでの出場となったようですが、一度乗せるとノリノリになって向かってくる中米らしさがあり、いったんは呑みこまれるかと思いました。日本のエースと位置づけた前田が先制弾を浴びてさらにピンチを招くもなんとか抑えると、すぐさま一度は日本の四番と位置づけた六番中田が逆転弾。こうなると勢いづくのが若いチームならでは。筒香・中田の並びは大当たりですね。西が登板した時にはまるで息子を見守るような気持ちで祈りましたがあえなく失点(´・ω・`)その後、大野がランナーをためたところで外国キラー牧田登場。ここぞの牧やんはさすが。あとアウトひとつで追いつかれてしまうものの、なんだか勝てそうな気がしたのは9回裏の打順。筒香敬遠で中田勝負には驚きましたが、メキシコも一縷の望みにかけたのかなと。そこまで相手を追い詰めたということですから、日本は主力選手を幾ばくか欠いての出場でしたが、やはり世界ランク1位を誇るにふさわしい打線であることの証明だろうと思います。

11/12 ☆日本4-2ドミニカ
相手のミスで先制するも、武田緊急降板のアクシデント。小川があとをつなぎましたがたった一球の失投を見逃してはくれませんでした。それでも決めてくれたのは、やはり筒香・中田の五・六番コンビ。中田は四番のプレッシャーから解放されていきいき打っています。狙うべきところは長打で、決めるべきところは単打で。かわりに四番の中村にいいところがないのは気になりますが、うしろがこれだけ打ってくれれば気楽なもの。

11/14 ☆日本10-2アメリカ
菅野の調子がいまいちで二点先制されるも、このまま終わる気がまったくしない頼もしい日本チーム。またまたまた筒香・中田が決めて、この大会目立った活躍のない松田の満塁弾のおまけつき(小久保監督には本当におまけと言われる)。これで決勝トーナメント行きが決まりました。

11/15 ☆日本6-5ベネズエラ
先発の西はのっけから「oh…」と頭を抱える展開。それにしても、予告先発でないのだから西で行くことを早々に公言しなくてもいいのに。
消化試合ではありますが翌日からいきなり決勝トーナメントが始まることを思えば、負けた状態から入ることは避けたいはず。この大会、平田がなにげにいい働きをしています。実は動きの緩慢な長距離砲ではなく、走攻守そろった中距離ヒッターであることを全国に印象づけたのではないでしょうか。守備位置の関係もあってなかなか出番のない川端が逆転のチャンスを作ったのも良かったです。
逆転された時の蒼白な松井は、シーズン中見たことのない表情でした。下位チームの気楽さとは程遠い国際大会の重圧の大きさが伝わってきました。視聴率も日に日にうなぎのぼり。大会前よりはるかに注目が集まっていることは選手たちも身をもって感じていることでしょう。
追加召集の中村晃のタイムリーでサヨナラ勝ちしましたが、いかなる時であっても平常心でプレーすることのできる中村晃のメンタルは国際大会でもっとも必要とされる要素であると思います。中継で内野5人シフトを指摘した中居くんもナイスアシスト。

11/16 ☆日本9-3プエルトリコ
決勝トーナメントは強化試合で二連勝した相手から。先発は「一ヶ月前から決めていた」という(ナンデ?)前田。中村が負傷休場という事態にも、すっかり風格の出た筒香が四番のプレッシャーなどなんのそのと言わんばかりに先制打。その後も小刻みに点数を重ねました。8回が終わったところで力尽き寝床に入ってしまいましたので、これまで完璧なピッチングを見せていた増井が3ランを打たれたことは翌朝知りました。点差がありましたから、本職の抑えが投げるにはモチベーションが難しいところでしたでしょうか。
ともかくもこれで日本に帰ってくることができました。国内もホーム初優勝に向け、ますます盛り上がります。

11/19 日本3-4韓国☆
さて、さんざん物議をかもしたこの試合。
大谷は二度目の韓国戦、東京ドームでも最高のピッチングをしました。このままノーノーでもやりかねない勢いで、完全に流れをものにしました。見ているこちらも途中で眠くなるくらいの余裕をかます始末。ですから追加点を取れなくても、さほどイライラはしなかった、のですがね。
8回を則本がこれまた完璧に抑え、相手のヤル気を完全に削いで、さあ最終回。ここは牧田か山崎がいいな、でも小久保は松井にこだわっているから松井かな、と予想していたら、まさかの(!)則本続投。まさか(!)と言いたくなったのは、試合後に「則本でいくと決めていた」という監督インタビューを聞いた時もでした。うーん…この監督は決めたことにこだわりすぎるきらいがあるようです。
則本は8回に韓国打線を完璧に封じましたが、そもそもは先発投手。日本シリーズで中継ぎ経験があるとはいえ、投げたのは一試合に1イニング。インターバルを開けて2イニングに力を配分して投げるのは、中継ぎ慣れしていない投手には難しい要求だったのではないでしょうか。しかもそれが試合を終わらせる最終回ならなおのこと、本人が自覚している以上にプレッシャーがかかっていたかもしれません。
それ以前に、則本がこの大会中に回跨ぎすると打たれていたという、視聴者でもはっきり憶えている事実を、ベンチはどう受け止めていたのか疑問でもあります。
というわけで9回則本がマウンドに上がった時点で眠気が覚めていたのですが、いきなりヒットを打たれてますます嫌な予感しかしなくなりました。ブルペンは誰も準備しておらず満塁になるまで交替ができませんでした。しかもここで松井という、それだけは絶対にやってはいけない選択をしてしまいます。大会を通じて山崎や澤村より、松井と増井が重用されているように感じたので、この監督はセ・リーグの投手をきちんと見たことがなくて信用しきれていないのかな、と感じていたのですが、パ・リーグもきちんと見ていなかったのですかね…? 松井は三人でピシャリ、ということは少なく、四球でランナーを溜めてから抑える印象の強い投手です。確かに三振は取れますが少なくとも満塁の場面での登板はありえません。後手後手の準備なら、年長者で国際大会経験のある、しかも肩を早く作れる牧田ではダメだったのか…。
で、予想を裏切らない押し出し同点、からの増
井。相手はイデホ。こうなったら逆転への流れを止められる手だてはありません。
しかも最後の代打におかわりくん。これもパ・リーグの試合を見ていれば決して選ばない選択ですが、うーん、もう、パニクっていましたか。
監督がみずから認めた継投ミス。一方、韓国のベテラン監督はめまぐるしく投手交代を行い、最後の場面も右の中村に躊躇せず左の抑え投手を送りこみました。短期決戦に必要なのは戦力の見きわめと、選手交代の決断力。監督の差が出た一戦だったかもしれません。コーチ経験のないビギナー監督にとって、これは大きな勉強代となったでしょう。

11/20 ☆日本11-1メキシコ
うっぷんを晴らすようなコールド勝ちで、日本が三位決定戦を制しました。金メダルを逃したショックから銅メダルまで逃した北京五輪が脳裏をよぎったものの、若いチームは山田の先制弾にひっぱられるように打ちまくり、最後も見事なサヨナラコールドホームラン。もちろん笑顔は控えめですが、勝てて終われたのは良かったと思います。

というわけで、韓国が初代王者となり、第一回プレミア12は幕を閉じました。
複雑なことはわかりませんが、MLBとの関係も含めてなかなか困難な問題がいくつも立ちふさがっているWBSCの未来。日本で盛り上がったとはいっても、野球後進国ではどうなのでしょう。そしていちばん気になるのは、決勝の客入りです。日本が負けて中継がなくなり、チケットの払い戻しの問い合わせも殺到したそうですが、三位決定戦の満員のお客さんはちゃんと最後まで残っていたのでしょうか。報道は日本のことに終始しており、決勝についてはまったく触れられません。せめてBSででも、生中継すべきだったのではと思いますが。
東京五輪で野球競技の復活が望まれているとはいっても、開催国が自国チームにしか関心がないようなら復活させる意味がないように思います。
それでもやはり、切望するのは日本チームの勝利。
悔しい思いをした首脳陣、選手たちがこれを糧として、来年の対外試合、そして2017年のWBCで美酒を味わうことができますように。

西くんブログではチームの雰囲気のよさが伝わってきました。楽しい写真ありがとう広報にしべヱ。
10月 10/3 別れと希望の集大成

10月は全勝(2試合)でシーズンを終えました。
最終戦は西の2ケタ勝利がかかっていることに加え谷の引退試合。負けられない戦いに金子の復帰登板もありました。
いろいろありましたが、最後良ければすべて良し。
しあわせなおもひでが残りました。

とはいえ、昨秋のFA補強からつねに話題を提供し、優勝候補と目されながらの借金19、リーグ5位。このゆゆしき結果は不動の現実。
オリックスの○億円補強、という文句の後にはカッコ笑が必ずついていた2015年シーズン。
昨年とは違う口惜しさが毎日のようにつきまとい、歯ぎしりする歯も残っていません。

ちょうど昨年の今頃、生きた心地もしなかった金子のFA宣言からのクリスマス残留発表。喜びもつかの間、術後の調子は思わしくなく、案の定開幕に間に合わず。もちろんそれを補う選手層があれば、首位争いをしながら金子の復帰をスパートに優勝街道を突っ走れたわけです。しかし昨年の躍進を支えたブルペン陣は酷使の代償ともいえる怪我と疲労で機能せず。穴を埋められそうだった若手中継ぎも次々潰れていき、先発陣も柱のディクソンと西は無援護で勝ち星を重ねられず、2014・15ドラ1コンビは期待はずれ。東明の奮闘だけでは追いつけず。
昨年の僅差を埋めるピースであったはずの野手補強。「あかんかったら、叩いてください」と言った人がいました。ハイ、叩きますよ。言っていない人も含めてですが。死球で骨折なら三百歩ゆずってあきらめがつくにしても、全盛期とは似ても似つかない体型で来日して、プレー以外の場所で肉離れやらぎっくり腰やら、開いた口がふさがりません。「しょーもないチーム」とのたまったチームに来てくれたのです。来年は叩きたくありませんよ。発奮してください。

GG賞パ・リーグショート部門で最低の11票だった安達。M鈴木でさえ28票獲得しているというのに、オリ自慢のショートストップが野球を見ているはずの記者たちにこんな扱いで、ファンは悔しくてたまりません。チームの中心となりうるべき選手がこんな存在感ではダメ! 来年は打つ方でもっと活躍し、そしてここぞの場面で、エラーではなく、チームを勝ちに導くビッグプレーを見せてください。

福良監督代行の来期監督就任会見で、チームをひっぱるべき存在として挙げられたのはもうひとり。チームの中心と期待し続けて早や幾年、そしてファンは裏切られ続ける、T-岡田。
打席に立ってもワクワクしなくなりました。8/30、M田村のリードでくらった三球三振は「ああやっぱりな」と悔しさすら湧かなくなりました。後輩のS山田はトリプルスリーです。歳下のF中田やDe筒香は世界戦で躍動し、L森も強打者として名を馳せました。君はいつまで立ち止まっているというのだ、T-岡田!
しかし何度裏切られても信じ続けるのが、哀しきファンのさだめ。100打点の公約、来年こそ達成してくれますように。

ベンチでの悔しそうな顔しか思い出せない伊藤。昨年はGG・ベストナイン・最優秀バッテリーに日本代表と、有無を言わさぬチームの司令塔として成長した…はずでした。
春先に積み重なった借金の責を一身に負わされ二軍に落ち、昨年は大差をつけて獲得したGGもたった1票と、一年で立場が暗転した伊藤の胸中やいかに。しかし信じています。逆境こそ、伊藤を強くするはずだと。捕手の固定はチームの強さに直結します。来年は、扇の要にでんと構える伊藤の姿を見られるはずだと、信じています。

今年は不動のセンターと信じて疑わなかった駿太の迷走は、見ていてこちらも辛いものがありました。同期のS山田に交流戦の際、食事に誘われたにもかかわらず「おそれおおい」と断ったと聞きましたが、思うところは相当大きいようです。打てないもどかしさのあまり感極まったのか、試合中ベンチで涙を流す姿もありました。
「あの時クジを引き当てとったらとは思いますが、そうなると駿太ともめぐりあえてなかったわけで…」とは長村前編成部長の言。山田哲人は山田哲人、後藤駿太は後藤駿太。登録名を変えて心機一転、高橋慶彦コーチのもとで、ひと皮むけてくれれば良いのですが。

新たに福良監督、二軍には田口監督が就任。コーチングスタッフもがらりと変わりました。秋季キャンプはもう始まっています。おもひでは心の片隅に残しておいて、その目は2016年に向けましょう。
吉田姓がどっと増えたドラフト。甲子園で名前を見た選手もちらほら。智弁の青山選手が指名されたのも喜ばしい。誰もが活躍することはむずかしいかもしれないけれど、オリックスのユニフォームで輝くことを、楽しみにしています。

入る者あれば、出てゆく者もあり。

田口二軍監督を慕っていた坂口が退団しました。
願わくば、ともに戦ってほしかった。いつの日か、一軍の監督に就任した田口の指揮下でチームを優勝へ導き、監督を胴上げする坂口を見たかった。
しかし野球人である坂口は、別のチームでオリックスの敵となることを選択しました。契約先はヤクルト。新たな場所を見つけられたことを、うれしく思います。チームメイトには大引もいます。一番・センター・坂口。そのアナウンスを、来年の交流戦、神宮球場で聞けることが今から待ち遠しくなります。
そして馬原も退団。その行く先は福岡なのか、それともアメリカなのか未だ判然としません。FA権を持ちながらオリックスに残ってくれたこと、中継ぎとして支えてくれたこと、ありがたく思っています。さよなら男前。
投手は他に、井川・中山・榊原・前田祐・古川・柴田が戦力外に。中山はトライアウトの直前で不出場となりましたが、どこかから話があったのでしょうか。井川はつくづく不思議な選手でしたね…若手投手にアドバイスする姿もあったと聞きましたが、20勝の面影は結局見えてきませんでした。前田は今シーズン苦しい場面での登板もあっただけに意外でしたが、怪我が多すぎましたね。榊原はトライアウトで好投したようなので新天地が待っていることを祈ります。古川は結局ドラフト1位の輝きを見せることはできませんでした。清峰高校時代のイメージとまるで違うおちゃらけたキャラクターでしたが、それが認知されるくらいに活躍できれば人気も出たであろうに、残念です。打撃投手としてチームに残ることはできたようなので、今度は裏方としてチームを支えてもらいたいと思います。
野手ではヘルマン・山本・鉄平・竹原・原大(育成)が戦力外に。竹原は西武入団が決まりました。福良監督代行に代わってあまり使われなくなったのですが、右の代打は貴重だったのに少しもったいないなと思います。ロッテ戦では良く打っていましたが、オリックス戦では打たないでください。山本和作は、山本というよりかずさく、と呼びたくなるキャラでしたが、森脇SA体制でなくなってしまったからにはやむを得ない通告でしたね。移籍1年目のヤクルト戦でのサヨナラタイムリーは忘れられません。鉄平は輝きを取り戻すことはできませんでした。移籍情報もありましたがどうなるのでしょう。ヘルマンは…ベンチを盛り上げてくれてありがとう。昨年のCSでのTの逆転3ランでの大はしゃぎ、丸永製菓事件であらぬ方向を指さす撹乱、オラつくチームメートをなだめる姿など、随所で存在感を示していました。
助っ人陣ではカラバイヨ・マエストリ・バリントンも自由契約に。バイヨは春先のホームラン量産時にヒーローにしてやれなかったのが不憫でした。バリントンについては采配面で同情すべき点はいささかありました。マエストリも中継ぎとして頑張ってくれたのですが、もう少し安定感があればと悔やまれます。
そして平野恵…コーチになってくれると期待していたのに(涙)。金本監督に誘われては、断れませんよね…。でもいつの日か、阪神でコーチ修行を積んだ後、ふたたびオリックスのユニフォームを着てくれると信じて待っています。

他のチームにしても、変化はたえず起こっています。
その波に乗り遅れずに、いざ進め2016、優勝へ!
ファンは信じることしかできません。
希望だけを胸に、その船出を見送って、夢見るために眠ります。




7月 7/12 こんちゃん1411日ぶりの白星
「オリックス・バファローズは強いチームです」
ヒーローインタビューで放った近藤のコメントに涙しなかったオリックスファンは果たして存在するだろうか。長かった。この日まで本当に長かった。心折れずに境遇と戦ってきた近藤の言葉には真実味がありました。
雨負雨負…などとやっているうちに消えてしまった希望の光。守備はボロボロですが打つほうは二軍暮らしの長い中堅選手が奮起し、見栄えがしてきました。なんと月間勝ち越しです。チーム10,000試合目を金子の白星で飾り、球団8,000号を岩崎が放ち、糸井が地元京都で躍動し、やっとこさいろいろいい場面が見られた月でありました。

8月 8/11 5×…5×5×
良いおもひでだけを綴ろうと、8月は小田の内野安打から小島が逆転サヨナラタイムリーを打った西武戦(8/8)にしようと思ったのですが。
やはりこのインパクトには勝てませんでした…。
唖然茫然、その夜は眠れず、数日はショックから立ち直れませんでした。
負傷から復帰した者は軒並み見切り発車で調整不足、怪我のない者は春からの蓄積疲労と、正念場の夏場を乗り越えるにはあまりにもバランスが悪すぎました。チーム方針も何もあったものでなく、ただ祈るのは白星よりもこのまま異常事態を迎えずシーズンが終わることのみ。

9月 9/9 東明10勝目を飾る完封勝ち
もはや達観の境地で見送っていた日々の中で、唯一勝利への期待を持って観戦していたのが東明のピッチング。2年目の今年大きな飛躍を遂げました。西武打線を2安打に抑え、しかも敵地での完封勝利はファンにとって大きな救いとなりました。
金子が離脱し、もはや期待できる先発は東明と西しかいない状態。残暑はまだ厳しくとも冷えていくオリックスファンの心にぬくもりを灯したのは、小松の力投でした。新人王を獲得しWBCにも選ばれた頃のピッチングを取り戻せないまま年月だけが流れ、制限を超える減俸提示を受けてまで復活を期したこのシーズンでした。セーブとホールドを記録した9月。本人と同じようにもどかしさを抱えていたオリックスファンも、彼のガッツポーズで次へと続く道が見えました。がんばれ、負けるな。そう声をかけたくなる、そんな魅力が小松にはあるのです。


人間とは不思議なことに、喜びよりも苦しみのほうがずっと強く記憶に刻みこまれるもので…。

今年を振り返ってみても、苦しいおもひでしかないもので…。

いや、そんなことはないハズ! 

3・4月 4/18 快晴のKOBEで快音快投快勝劇
ゴロゴロディクソンの真骨頂、西武打線を寄せつけず1失点の完投勝利。バッテリーを組んだ伊藤の先制打もさりながら、ホームランを打った坂口が袖のワッペンにキスした場面も印象的。坂口は本当にこの球場、このユニフォームが似合います。…似合いました。
開幕して ●●●●○●●●●○●●●△●●● からの5連勝。これで乗っていけるかと思ったのですがね…(遠い目)。
今見返しても涙でかすむゲームカレンダーですが、そんな中でもシーズン早々にお目にかかれた駿太のサヨナラタイムリー、救世主カラバイヨ、オリ姫デーでお立ち台に立った時にはまさか新人王候補と呼ばれるまでに打撃が開眼するとは思いもしなかった西野、しあわせに浸れた瞬間もあるにはあった…のですね。

5月 5/19 丸永製菓で三塁打
点を取られて取っての接戦でヒヤヒヤしっぱなしでしたが、試合の印象はその場面しか残っていません。結果的に勝った(しかも大隣相手)からかもしれませんが…。
いつものGolden Weakに始まり、金子復帰登板で大敗、日ハムルーキーに初勝利献上、相次ぐ怪我人と、ひきつづき気が重くなる毎日が続きましたが、西野の台頭は輝く希望の光でしたし、ハムキラーディクソンとロッテキラー西の試合は安心して見ていられるしあわせがありました。
そして交流戦。今度こそ! 流れが変わると思ったのですがねー…。

6月 6/14 226事件
思うように白星を重ねられず、パ・リーグでひとりだけ借金を増やすという惨憺たる結果となった交流戦最後のカード。阪神相手に初戦サヨナラ勝ちをおさめると、2・3戦目は勢いにのって大差勝ち。スコア合計はBs22-6Tで、巷では「226事件」と呼ばれたとか呼ばれないとか…。
楽しかったですねえ~。この3日間と、リーグ戦が始まるまでの間は…。
ちゃくちゃくと増えていく黒星の合間に監督が休養することとなり、次から次へと潰れていく中継ぎ陣に悲鳴も出なくなり、西と東明の快勝に救われ…。
一年じゅう梅雨みたいな観戦でした。



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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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