シーズン前からプレミア12プレミア12とさんざん煽っていたテレビ局。
プレミア12とは何ぞ? WBCとは違うの? どうせメジャーリーガー出ないでしょ? しかもオリックスから選ばれたの西だけだし…どうせあまり出番ないし…。
それでも始まれば始まったで、おもしろいものです。
11/8 ☆日本5-0韓国
いよいよ開幕。大谷が本拠地で最高のピッチング。打線も繋がりを見せてあぶなげなく初戦快勝。則本は回跨ぎしなくてもよかったのでは?
11/11 ☆日本6-5メキシコ
直前に出るか出ないかでもめていたような記憶のあるメキシコ、結局急造チームでの出場となったようですが、一度乗せるとノリノリになって向かってくる中米らしさがあり、いったんは呑みこまれるかと思いました。日本のエースと位置づけた前田が先制弾を浴びてさらにピンチを招くもなんとか抑えると、すぐさま一度は日本の四番と位置づけた六番中田が逆転弾。こうなると勢いづくのが若いチームならでは。筒香・中田の並びは大当たりですね。西が登板した時にはまるで息子を見守るような気持ちで祈りましたがあえなく失点(´・ω・`)その後、大野がランナーをためたところで外国キラー牧田登場。ここぞの牧やんはさすが。あとアウトひとつで追いつかれてしまうものの、なんだか勝てそうな気がしたのは9回裏の打順。筒香敬遠で中田勝負には驚きましたが、メキシコも一縷の望みにかけたのかなと。そこまで相手を追い詰めたということですから、日本は主力選手を幾ばくか欠いての出場でしたが、やはり世界ランク1位を誇るにふさわしい打線であることの証明だろうと思います。
11/12 ☆日本4-2ドミニカ
相手のミスで先制するも、武田緊急降板のアクシデント。小川があとをつなぎましたがたった一球の失投を見逃してはくれませんでした。それでも決めてくれたのは、やはり筒香・中田の五・六番コンビ。中田は四番のプレッシャーから解放されていきいき打っています。狙うべきところは長打で、決めるべきところは単打で。かわりに四番の中村にいいところがないのは気になりますが、うしろがこれだけ打ってくれれば気楽なもの。
11/14 ☆日本10-2アメリカ
菅野の調子がいまいちで二点先制されるも、このまま終わる気がまったくしない頼もしい日本チーム。またまたまた筒香・中田が決めて、この大会目立った活躍のない松田の満塁弾のおまけつき(小久保監督には本当におまけと言われる)。これで決勝トーナメント行きが決まりました。
11/15 ☆日本6-5ベネズエラ
先発の西はのっけから「oh…」と頭を抱える展開。それにしても、予告先発でないのだから西で行くことを早々に公言しなくてもいいのに。
消化試合ではありますが翌日からいきなり決勝トーナメントが始まることを思えば、負けた状態から入ることは避けたいはず。この大会、平田がなにげにいい働きをしています。実は動きの緩慢な長距離砲ではなく、走攻守そろった中距離ヒッターであることを全国に印象づけたのではないでしょうか。守備位置の関係もあってなかなか出番のない川端が逆転のチャンスを作ったのも良かったです。
逆転された時の蒼白な松井は、シーズン中見たことのない表情でした。下位チームの気楽さとは程遠い国際大会の重圧の大きさが伝わってきました。視聴率も日に日にうなぎのぼり。大会前よりはるかに注目が集まっていることは選手たちも身をもって感じていることでしょう。
追加召集の中村晃のタイムリーでサヨナラ勝ちしましたが、いかなる時であっても平常心でプレーすることのできる中村晃のメンタルは国際大会でもっとも必要とされる要素であると思います。中継で内野5人シフトを指摘した中居くんもナイスアシスト。
11/16 ☆日本9-3プエルトリコ
決勝トーナメントは強化試合で二連勝した相手から。先発は「一ヶ月前から決めていた」という(ナンデ?)前田。中村が負傷休場という事態にも、すっかり風格の出た筒香が四番のプレッシャーなどなんのそのと言わんばかりに先制打。その後も小刻みに点数を重ねました。8回が終わったところで力尽き寝床に入ってしまいましたので、これまで完璧なピッチングを見せていた増井が3ランを打たれたことは翌朝知りました。点差がありましたから、本職の抑えが投げるにはモチベーションが難しいところでしたでしょうか。
ともかくもこれで日本に帰ってくることができました。国内もホーム初優勝に向け、ますます盛り上がります。
11/19 日本3-4韓国☆
さて、さんざん物議をかもしたこの試合。
大谷は二度目の韓国戦、東京ドームでも最高のピッチングをしました。このままノーノーでもやりかねない勢いで、完全に流れをものにしました。見ているこちらも途中で眠くなるくらいの余裕をかます始末。ですから追加点を取れなくても、さほどイライラはしなかった、のですがね。
8回を則本がこれまた完璧に抑え、相手のヤル気を完全に削いで、さあ最終回。ここは牧田か山崎がいいな、でも小久保は松井にこだわっているから松井かな、と予想していたら、まさかの(!)則本続投。まさか(!)と言いたくなったのは、試合後に「則本でいくと決めていた」という監督インタビューを聞いた時もでした。うーん…この監督は決めたことにこだわりすぎるきらいがあるようです。
則本は8回に韓国打線を完璧に封じましたが、そもそもは先発投手。日本シリーズで中継ぎ経験があるとはいえ、投げたのは一試合に1イニング。インターバルを開けて2イニングに力を配分して投げるのは、中継ぎ慣れしていない投手には難しい要求だったのではないでしょうか。しかもそれが試合を終わらせる最終回ならなおのこと、本人が自覚している以上にプレッシャーがかかっていたかもしれません。
それ以前に、則本がこの大会中に回跨ぎすると打たれていたという、視聴者でもはっきり憶えている事実を、ベンチはどう受け止めていたのか疑問でもあります。
というわけで9回則本がマウンドに上がった時点で眠気が覚めていたのですが、いきなりヒットを打たれてますます嫌な予感しかしなくなりました。ブルペンは誰も準備しておらず満塁になるまで交替ができませんでした。しかもここで松井という、それだけは絶対にやってはいけない選択をしてしまいます。大会を通じて山崎や澤村より、松井と増井が重用されているように感じたので、この監督はセ・リーグの投手をきちんと見たことがなくて信用しきれていないのかな、と感じていたのですが、パ・リーグもきちんと見ていなかったのですかね…? 松井は三人でピシャリ、ということは少なく、四球でランナーを溜めてから抑える印象の強い投手です。確かに三振は取れますが少なくとも満塁の場面での登板はありえません。後手後手の準備なら、年長者で国際大会経験のある、しかも肩を早く作れる牧田ではダメだったのか…。
で、予想を裏切らない押し出し同点、からの増
井。相手はイデホ。こうなったら逆転への流れを止められる手だてはありません。
しかも最後の代打におかわりくん。これもパ・リーグの試合を見ていれば決して選ばない選択ですが、うーん、もう、パニクっていましたか。
監督がみずから認めた継投ミス。一方、韓国のベテラン監督はめまぐるしく投手交代を行い、最後の場面も右の中村に躊躇せず左の抑え投手を送りこみました。短期決戦に必要なのは戦力の見きわめと、選手交代の決断力。監督の差が出た一戦だったかもしれません。コーチ経験のないビギナー監督にとって、これは大きな勉強代となったでしょう。
11/20 ☆日本11-1メキシコ
うっぷんを晴らすようなコールド勝ちで、日本が三位決定戦を制しました。金メダルを逃したショックから銅メダルまで逃した北京五輪が脳裏をよぎったものの、若いチームは山田の先制弾にひっぱられるように打ちまくり、最後も見事なサヨナラコールドホームラン。もちろん笑顔は控えめですが、勝てて終われたのは良かったと思います。
というわけで、韓国が初代王者となり、第一回プレミア12は幕を閉じました。
複雑なことはわかりませんが、MLBとの関係も含めてなかなか困難な問題がいくつも立ちふさがっているWBSCの未来。日本で盛り上がったとはいっても、野球後進国ではどうなのでしょう。そしていちばん気になるのは、決勝の客入りです。日本が負けて中継がなくなり、チケットの払い戻しの問い合わせも殺到したそうですが、三位決定戦の満員のお客さんはちゃんと最後まで残っていたのでしょうか。報道は日本のことに終始しており、決勝についてはまったく触れられません。せめてBSででも、生中継すべきだったのではと思いますが。
東京五輪で野球競技の復活が望まれているとはいっても、開催国が自国チームにしか関心がないようなら復活させる意味がないように思います。
それでもやはり、切望するのは日本チームの勝利。
悔しい思いをした首脳陣、選手たちがこれを糧として、来年の対外試合、そして2017年のWBCで美酒を味わうことができますように。
西くんブログではチームの雰囲気のよさが伝わってきました。楽しい写真ありがとう広報にしべヱ。
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