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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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10/29 ☆☆☆☆F-C☆☆
日ハムが本領発揮。終盤に広島を突き放して日本一になりました。
今夜も真っ赤のマツダスタジアム。先手を取ったのは日ハムでした。二日前サヨナラホームランを打った西川は、完全に調子を取り戻していました。いきなり三塁打からの先制点、今日は日ハムがペースを握ります。
おおかたの予想を覆す予告先発は増井。しかし、もし落としても大谷がいるという安心感からか2戦目とはまるで違った姿を見せます。一方、絶対に勝たなければいけないというプレッシャーからか動きの硬い広島の選手たち。暴投とエラーで逆転するものの、無死二・三塁からの無安打は下位打線とはいえ淋しいものとなりました。
広島の必勝法は、タナキクマルで一気呵成の攻撃をすることにありました。中でもCSで打率8割と躍動した田中ですが、このシリーズ、なかなか出塁することができません。その重圧は、守備にも大きく影響を与えていました。同点の4回、近藤がヒットで出塁して迎えたレアード。野村は計算どおり内野ゴロを打たせました。もしここで、田中がエラーしなければ――その後の試合展開は、大きく変わっていたかもしれません。そして日ハムは、相手のミスは絶対に見逃してはくれません。しかも絶好調の西川とあっては、お手上げです。
しかし、この時先発の増井に代打、しかも成功率の低い矢野を出したのは、日ハムの数少ないミスであったと思います。有原がベンチにいない日ハムには第二先発を任せられるような先発要員がいませんでした。試合はまだ中盤。しかもビジター。調子の良さそうな増井を降ろせば、ひっくり返される可能性は大いにありました。
案の定、鍵谷はコントロールが定まりません。しかし広島打線はそれを冷静に見極められないくらい、焦っていたように映りました。緒方監督も代打攻勢で勝負に出ますが、新井は浮ついた相手以上に浮ついていました。甘い変化球を見逃して高めの釣り球に三振…どこかで見たような…しかも何回も…あ、Tだ。
結局、鍵谷が2イニングで1失点、井口が1失点。同点にはされたものの、この場合「よく同点で済んだ」といったところだと思います。日ハムベンチにとってはこの上なくうれしい誤算であったことでしょう。同点の終盤であれば、このシリーズフル回転のバースが登板できます。そして、やはりしっかり抑えたことで大きな流れができました。
8回表。広島は今村に続いて、ジャクソンが登板します。2アウトは取るものの、絶好調男・西川が出塁したことで変化が起きました。大きくリードを取る西川に、ジャクソンが翻弄されます。しかも打席には厄介な中島。さらに間の悪いことに、自分の打席の時のストライク判定を不服としたエルドレッドが一塁で何事か口にして、球審が試合を止め注意に向かいあわててコーチが仲裁に走る、というひと悶着が起きました。ジャクソンは気持ちの落ち着かないまま投球してしまったように見えました。中島にきれいにはじき返され、続く岡にも打たれてしまいます。満塁。ここで広島ベンチは間を取るべきでした。しかし続投。もう完全に切れてしまっていたことは、画面越しにも伝わりました。
ネクストに大谷。しかし打席には立たず、勝ち越したことで日ハムベンチはバース続投を選択しました。1点差ならまだ逆転の目はあるはずでした。ここで投手交代していたら…。
印象的だったのは、点差がついたその裏の攻撃、広島の打者が粘りを見せたことでした。また、9回表の守備においても、小窪や田中が良い守備を見せました。最後の最後、あきらめない姿を見せたことはマツダスタジアムに詰めかけた満員のファンの心に響いたことでしょう。

結局、勝敗を分けた要因の中のひとつは采配のミス。しかし、勝った日ハムにも随所にミスが見られました。相手の隙につけこめるかどうかが、強者のぶつかり合う短期決戦のポイントです。大きなG差を追い続けた日ハムは、劣勢の身で用兵や戦略に苦慮しながらシーズンを戦ったため、その方法を会得できたのでしょう。充実した戦力からあみだした勝利の方程式に基づいて戦ってきた広島は、それ以外の解を持たないために結局土壇場でパターンを崩すことはできませんでした。
しかし、監督も選手もはじめての日本シリーズで堂々たる戦いぶりを見せた広島。黒田の花道を飾ることはできませんでしたが、若い選手が多いチームです。相手の胴上げをベンチから見守る選手たちの目には、すでに来季が見えていたことでしょう。まだ広島の時代は続きそうです。次こそ、広島の街が歓喜に沸き上がる瞬間を見せてくれることでしょう。
日本シリーズでは勝てないというジンクスを破り、黒星先行から怒濤の4連勝で日本一を決めた日ハム。すべてが逆転勝ちでした。栗山監督の勝負どころでの決断はチームに勇気と勢いを与えました。激戦のパ・リーグを勝ち抜いた強さの源は、そこにあったのかもしれません。敵地に配慮した控えめな勝利インタビューもまたその人柄を表していました。最後、大谷と黒田の投げ合いを見たかったとのつぶやきは、本音ですかね?

今年も野球が終わりました。秋の夜長は退屈です。


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