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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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と、いえば正倉院展。

今年も行ってまいりました。

毎年、朝イチで並びます。目安は7時半。それだと混雑になる前に、目玉の展示物も真ん前で眺められるのです。
しかし引っ越した今年、国立博物館が遠くなりました。
電車とバスを乗り継ぐこと、一時間。平日に出勤する時より早起き。
自転車でパーッと訪れていた頃が懐かしい…。
しかし、頑張って早起きしました。

もくろみ通り、一列目をゲット。肌寒いですが苦痛なほどではありません。
一時間ほど並んで開館しました。
真っ先に目玉の漆胡瓶へ駆けつける人もいますが、とりあえず順番どおりに鑑賞。
まずは鳥木石夾纈屏風。左右対称に長尾鳥が描かれています。
漆胡瓶を彩る細かい文様も360度から鑑賞。フォルムの曲線も美しい。
加齢のせいかスマホのせいか、弱ってきた目のために今年こそスコープを買おうと思っていたのですが、金欠に苛まれているうちに秋が来てしまいました。ガラスに顔をくっつけ眉間に皺を寄せながら何とか細部まで見きわめようと頑張りますが、やっぱりもう限界。月賦でも来年は買おう…。

大幡残欠はかわいいチェック柄。元は15メートルにも及ぶ長さだそうです。これが大仏のまわりにいくつも飾られ揺れている…どれほど荘厳だったことでしょう。
緑に彩られた磁皿もステキ。お皿やお椀、セットでそろえたいですね。

ガラス玉をあしらったり変わったかたちをしていたり、さまざまな鈴が展示されていました。まるっこい唐草文鈴はドラえもんの鈴みたいでかわいい。
カワイイといえば撥鏤飛鳥型。チラシで見た時は手のりサイズかと思っていたのですがなんと指のりサイズでした。これを手作業で掘り、色付けしたのですから、信じられない精巧さです。

展示の最後には興味深い古文書。高齢者や寡婦、孤児などに臨時給付金が支給された記録がありました。…今も昔も、お上の行う政策に変わりはないのだなあ。
また、写経生が待遇改善を訴えた文書も。月に五日休みをくれとか、食事や衣服を配給してくれとか。…いつの時代も、雇われ者は悲しいなあ。
これを展示することにした学芸員さんも良い仕事しますね。

今年も眼福、眼福。
ミュージアムショップでは、いつものお香はまだ残っているので、正倉院柄のふきんだけ購入。

その後は、できたばかりの春日大社国宝殿へ。
式年造替にあわせ、宝物殿を建て直して10月に開館したばかりです。



宝物殿は古びていたのですが、ミュージアムみたいになっていて驚きました。

真っ暗な「神垣」を通り抜けた先は…。



おん祭りで使われる「だだいこ」です。

展示は二階へ。源義経や楠木正成が奉納されたと伝えられている甲冑や、足利義満奉納の刀剣が展示されていて、迫力がありました。
蒔絵筝は復元されたものの美しさに圧倒。
「平安の正倉院」と呼ばれるだけあります。
なかなか見ごたえがありました。

さて、ハシゴするとお腹がすいてきました。

なんと、国宝殿の隣にはカフェまでできています。入らないわけにはまいらぬ。



ソフトクリームセット…これで950円は…ま、まあ良いか。

トッピングされているさくさくした食感のお菓子は香川県産だそうです。歩き回って暑くなったので冷たいものをいただきましたが、食べ進めるとやはり寒かった;;



外には猫がひなたぼっこ。七五三でおめかしした子どもが一緒に写真を撮っていました。

奈良公園側を歩いて帰ると、何やらイベントらしきものが。



奈良博覧会、と銘打った中川政七商店主催の奈良の名産物を集めたイベントでした。
入ってみると、かなりの人でにぎわっています。
食べものから工芸品に至るまで、ところせましと並んでいます。
中川政七商店といえば、今年の夏、ドラえもんのタイムふろしきを販売していました。それを知ったのはすでに晩夏の頃。もちろん売り切れ…。淡い期待を持ってのぞきましたが、やはりありませんでした。のび太くんのめがねはありましたが(40,000円超也)。
ツレがどこかでもらってきた吉野杉のお箸。持ちやすく軽いので菜箸にしていたのですがこの間折れてしまったので、どれ買おうかなと手に取ったらソコソコのお値段でした。ずいぶんもったいないことしていたのだな…。

快晴の祝日。ひさびさの奈良は、観光客でおおにぎわいでした。
なつかしくもあり、淋しくもあり。



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