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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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夜から朝まで日本じゅうの歓喜と賞賛の声が!

リオの夏が始まっています。
寝不足です!
四年に一度の我慢です!

開会式では『シティ・オブ・ゴッド』の監督が演出を手がけた映像美を堪能。ブラジルの歴史をたどるショーで日本からの移民が登場したちょうどその時、広島では原爆祈念式典が行われていました。会場での黙祷も提案されていたとか。政治色を廃すべきスポーツと平和の祭典ではふさわしくないと却下されたのも無理はありませんが、この日この時は、日本にとって永遠に忘れられない日付と時刻。地球の反対側で同時に祈られた平和への思いに国境はありません。

日本の金メダル第一号は萩野公介選手の400m個人メドレーでした。しかも3位の瀬戸大也選手とのダブル表彰台。この種目で日本人がトップを取るなど、考えられませんでした。さらに信じられないことに、8継でも銅メダル獲得。夢を見ているようです。自由形の強化対策が実りました。さらにリレーにはもっとも重要であるチームワーク。いつからか、競泳チームはどの国にも負けない一体感を持つようになりました。
時代は流れ、歴史は作られていきます。かつての競泳王国はパワーと体格で勝る欧米の後塵を拝し、惨敗続きの冬の時代を選手たちのさまざまな涙と苦労で乗り越え、トビウオジャパンは王国の名を取り戻しつつつあります。東京ではさらなる笑顔がプールに咲き誇ることでしょう。

競泳にさきがけて行われた重量挙げ決勝を見ていました。三宅弘美選手の崖っぷちからの逆転メダルには拳に力が入りました。そしてバーベルが上がった瞬間の「やったー!」、バーベルナデナデ、競技中の迫力からは想像できないかわいらしさでした。そして、金・銀メダルの選手たちも、シャイな性格なのか表彰台でのはにかんだ笑顔がなんともキュートでした。

柔道ニッポンの復活をかけて挑んだリオ。男子はこれまで全階級でメダルを獲得し、女子も前回の雪辱を果たしています。もちろん、金メダルのみを見据えていた選手たちにとっては、悔しい結果かもしれません。それでも世界の強豪が集い、頂点めざして組み合う姿は本当に見ごたえがあります。日本から始まったJudoに、リオの会場が熱狂しています。その中で、日本の選手たちには礼に始まり礼に終わる美しい柔道の姿を世界に示し続けてほしいと思います。

もうひとつ、お家芸と呼ばれた栄光の時代を取り戻した日本の体操。内村航平選手の悲願、団体金メダルを獲得しました。ここでもひとりひとりが役割を果たし、すばらしいチームワークを見せてくれました。白井健三選手の強心臓には脱帽。予選1位通過でなかったため鉄棒で終わることができず、アテネの名場面「栄光の架け橋」には届かなかったと内村選手が口にしていましたが、予選4位からの大逆転はこれもまた歴史に残る名場面。初五輪の北京でメダリストとなった時の奔放な雰囲気はもう微塵もありません。日本体操界を牽引する存在として、自覚と責任感を背負って挑んだリオ。その表情には喜びよりも安堵が見えました。そして腰痛を抱えながらの個人総合連覇。最後の最後でベルニャエフ選手をかわした鉄棒の演技は、神がかってすらいました。体操は相手との闘いではなく、自分との闘い。演技を終えてライバル同士がハイタッチする姿は、他の競技にはないすがすがしいものがあります。メダリスト会見での内村・ベルニャエフ両選手のコメントも、結果が分かれてなおすがすがしくありました。

オリンピックの良いところは、普段なら決して目にしない種目が結果を残すと注目を浴びるところ。今回であれば、アジア人初のメダルを手にしたカヌー。ここまでたどりつくまでどれほどの苦労と艱難があったか、その瞬間の羽根田選手の涙が物語っていました。環境の整わない日本で強化するには難しい種目なのかもしれませんが、見ていて迫力がありとても面白い競技だと思いました。東京五輪を控えて会場となる江戸川区は盛り上がりを見せているそうですが、これを機に競技人口が増えることを願います。

リオの物語は、まだまだ続きます。







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