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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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今年も、14日間の夏が終わりました。

智弁学園。心配していた守備の乱れが2回戦で出てしまいました。それでも最後まで笑顔で甲子園を去ったスマイル王子こと村上くん。際立った選手はいませんでしたが、纏まりのある良いチームでした。センバツ優勝校が夏も出場するのはどの地方であっても困難なこと。それだけでも立派な痕跡を残したと思います。

試合は週末しか見られませんでしたが、好試合が連続していたので楽しめました。横浜-履正社の東西横綱対決、盛岡大附のわんこそば打線、馬渕明徳、さらに東邦の大逆転劇…は9回1アウトでチャンネルを替えられてしまい、戻した時にはバックネット裏に引き上げる時でしかも光星の選手が泣いていたので「???」…なんで競馬なんて、しかも負けレースなんて見なきゃいけなかったんだようー! バカバカバカ!

秀岳館が話題になったのは残念でした。
結局、批判されているのは他府県出身ばかりの野球部なのか、吹奏楽部にコンクールを辞退させたことなのか、よくわかりませんが、このネット社会でその声が部員たちに届かないわけがありません。準決勝、浮足立つ選手がエラーを連発していたのは、見ていて辛いものがありました。
監督の就任と同時にそれまで率いていたボーイズチームの卒業生がこぞって入学した秀岳館は、全国的に越境入学が盛んといっても特殊なケースなのでしょうが、以前の特待生制度問題の時(佐賀北が優勝した年)のような、異様な雰囲気を感じました。
高校野球が郷土愛を想起させる国民的行事であればあるほど、都道府県代表という名にはその地域で生まれ育った選手しか認めない、そういう閉鎖的な感覚が深く根を広げます。温暖化でこれほど気候が過酷なものになってもなお、開催時期や開始時間の変更も球数制限も設けようとしない、「試練」や「悲劇」といった古来からの美徳が強く求められる、高校野球だけはいつまでたっても異様なスポーツです。
ただ、勝って校歌を歌う部員たちに心ない言葉が投げつけられたという報道が真実なのであれば、非常に残念です。高校野球が日本的美徳に満ちたものであれば勝者にも敗者にも同じくあたたかい称賛と拍手が送られるべき場所のはず。そんな人間に郷土愛を語る資格はありません。

2016年夏、作新学院が54年ぶりの優勝を決めました。
近年、実力校として印象が残っていましたが、今年は今井投手を中心に攻守ともにレベルが高く、優勝にふさわしいチームでした。
惜しくも優勝に届かなかった北海、ひとりで投げ続けてきた大西投手も最後はマウンドを譲りましたが、二遊間の守備の巧さには驚かされました。
優勝候補と言われていたチームが次々敗退し、当初は名前のあがっていなかった二校が争った決勝戦。それでも見ごたえのあるナイスゲームでした。

来年もさらに熱い闘いが見られますように。



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