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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『ゲゲゲの女房』

松下奈緒と向井理という、私好みのキャスティングだったため、ものすごくひさびさに朝の連続テレビ小説を観てみることにしました。

テレビ小説といえば、8:15。なのに放送時間が変わったのですね・・・。おかげで視聴率がよろしくないようですが。

朝ドラらしい、懐かしいノリです。

まだ舞台は安来。結婚どころかお見合いもしておらず、水木先生もほとんど登場していないのですが、どんな夫婦模様が描かれるのでしょう。

夫の才能を信じ、どん底の貧乏生活を耐え抜いたエピソードには感動しました。ヨメとして見習うところがたくさんありそうですねえ・・・(*´-ω-`)

 

『龍馬伝』(第2部)

やっと福山龍馬に目が慣れてきました。

坂本龍馬というと、どうしても『竜馬がゆく』の透明感あるキャラクターがイメージとして浮かんできて、このドラマのような苦悩する姿に違和感がぬぐえなかったのですが。

やはり、オトコマエはすべてを凌駕するらしい。

でも演技としては香川照之が突出しています。もはやズルイと言っても過言ではない。ドロドロで不潔感満載なのに目立ちすぎ。岩崎弥太郎という人間の知識はほとんどないのですが、これからの龍馬の人生にもグイグイ絡んでくるのでしょうか。

それよりも目を惹くのは、弥太郎の父親である弥次郎です。どうしようもないダメ人間、最低の父親なのに、弥太郎やその母親が見捨てられずにいるのもわかるほど、愛嬌があって憎めない。蟹江敬三の名演あればこそですね。

龍馬に合わせてか、比較的若いキャスティングが多いのですが、ほとんど穴がありません。岡田以蔵(佐藤健)、沢村惣之丞(要潤)、後藤象二郎(青木崇高)あたりは、ビジュアル的に(演技も良いですが)ど真ん中ストライク。これだけでも観る価値アリです。

いよいよ舞台は土佐から日本全国へ。龍馬がいかに歴史の中心点へ飛翔してくのか。楽しみです。

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『ブラッディ・マンデイ』

うーむ、そう来たか・・・。

実は最終回前に、ネットでスパイダーの素性が予想というかたちで明かされていたのです。ちょっと拍子抜け。

しかしJが黒幕とは、意外でしたね。Kをさらってホタルとともに、どこへ行くのでしょうか。また続編を示唆する終わり方だったのが気になります。

しかし、話が大きくなった。殺人ウイルス、高速増殖炉ときたら、次はいったい何を持ってくるのでしょう。

高校生に救出を押しつけたり、少年が銃を乱射したり、日本はめちゃくちゃですなあ。

それにしても三浦春馬は美しかった。佐藤健の出番が少なかったのが残念。

ホーネット役の少年がなかなか味のある演技をすると思ったら、神木隆之助でした。大きくなった!

『不毛地帯』

原作ありきのドラマは、ここが大事とこちらが勝手に思っている部分を端折られることが多いのですが、2クール使ったおかげで、その不満はありませんでした。

ただ。シベリアと石油開発の部分は期待より短すぎかも。とくに後者は走りましたね。これはおそらく最終話ギリギリで「打ち切り」の判断が下されたせいのような気がしますが・・・。

いちばん印象的だったのは、シベリアの凍土に無数に並ぶ墓標の前で、夜明けの空の下壹岐たちが佇む場面です。画面左側、おそらく当初は整然と立てられていた墓標が、右側、数が増えていくにしたがい乱立するようになった。異国の地で命を落とした仲間たちの無念の思いに、生き残った抑留者たちはかける言葉もなく、ただ黙然とその骨を埋めるしかない・・・戦後日本の歴史では語られることの少ない無惨な姿でした。

坂本龍一の主張の少ない、しかし存在感のある音楽もすばらしかったです。

しかし特筆すべきなのは唐沢寿明の演技です。『白い巨塔』は、正直ミスキャストの感があったのですが、今回はすばらしかったです。台詞もあまりなく、感情をあらわにする場面も少なかったのですが、過去のトラウマ、鮫島への不快感、千里への慕情など、ちょっとした時に見せる感情の揺れが、壹岐正という、かつては戦争、そして企業の中でもまれ、日本という国の先頭に立ちながらも、決して己の信念を曲げず意志を貫き通し、ひとりの人間であることを忘れなかった、男の生きざまを見せてくれました。『沈まぬ太陽』の渡辺謙も見事でしたが、唐沢寿明もそれに劣らぬ、山崎豊子の描く矮小でしかし偉大な人間像を体現してくれたと思います。

脇を固めるキャストも原作のイメージを裏切らないものでした。大門社長の原田芳雄は(関西弁が拙いのは仕方ないとして)言うまでもなく、副社長役の岸部一徳は原作を読む時にあの喋りで朗読してしまうくらい。鮫島の痛快な粘着質ぶりはカメレオンのような多面性を持つ役者・遠藤憲一の魅力あってこそですね。千里や紅子も昭和の女らしくて良かったです。狂言回し的な阿部サダヲもいい立ち位置でした。

視聴率がふるわなかったのは残念ですが、この手のテーマで一般ウケしようというのが間違いですね。

でも、ちゃんとついてきた人を満足させるには、充分すぎるほど充分な重厚感を持った、ひさびさに胸にずしんと響くドラマでした。

『君たちに明日はない』

NHKらしい、あっさりとしつつもしっかり骨のある脚本・演出で、最終回まで一度も集中力を切らさず観ることができました。全6回というのがいいですね。ダレもせず走りもせず。

リストラというのがこのご時世、なかなか胸の痛むテーマではありますが、それが絶望だけではないことが、偽善や押しつけでなくきちんと伝わってくる、丁寧な作りになっていました。主人公の面談での決め台詞、「新しい世界を見てみませんか」が、最後にはしっかりと「仕事=マニュアル」でなく「仕事=信念」として語られていることに唸らされました。

坂口憲二の演技力には今ひとつ信用を置けなかったのですが、このドラマに関しては適役でした。「好きです」とはっきり口にするところなどは、今どきの連ドラではお目にかかれない胸キュンシーンでしたね。相手が田中美佐子というのがまたヨロシ。これが今風OLならちょっと鼻につきますから。

続編があるなら、観てみたいところです。

しかしNHKは『派遣のオスカル』といい、このドラマといい、良質なドラマを配信しますから、あなどれませんね。

『君たちに明日はない』

リストラ請負会社、というのがいかにも今風で目新しい。

こういう企業を起ちあげる人の時代を見る眼力って、すごいなあと思います。

とはいえ、自分はやりたくないですね。リストラを宣告する嫌われ役なんて。

坂口憲二が、自分の仕事に誇りを持ちつつもどこかで疑問を拭い去れない面接官を演じています。やり手風だけどちょっと不器用で幼くて年増好み。『医龍』のクールな心臓外科医よりも似合っているような。

主人公が惚れこむヒロインが田中美佐子というのもおもしろい。50代と聞いて衝撃を受けました。

「仕事」とは。「働く」とは。

考えたことなかったなあ。

これから考えなくちゃいけないのかなあ。

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