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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『ブラッディ・マンデイ』

パート1も、たいがいシンドイドラマでしたが、今回もシンドすぎる。

父と友人を失い、テロの首謀者であった別の友人も目の前で射殺されるという、高校生にしてはあまりにも過酷なラストを迎えた藤丸くん、

今回もいきなり友達以上恋人未満の女の子が殺されてしまうという、とんでもなく残酷な初回。

2話では妹の彼氏がイジメを苦に首つり・・・。

観るのにたいへん精神力を使うんですけど・・・。

ま、細かいところを気にするならば、飛行機に爆弾とか、コンビニ七人射殺犯逃亡中とか、ガス中毒とか、これだけあちこちで大事件が勃発していたら、敵はテロ組織だけでなく、マスコミとかネットの憶測とか、対策も必要だと思うのですが、そのへん政府のお偉方は「世間には秘密にしておく」のひとことで片づけてしまうのかってとこですね。とはいえ、そもそも人工衛星をハッキングできる高校生がどこにいるのよって話ですが。

毎回のように怪しい人間が入れ替わり、1時間があっという間です。萩原は確実にアヤシイ! ちょっと名前の売れた女優を持ってきているコンビニ店員もアヤシイ! 撃たれて流血していたのにマヤは不死鳥か! 前回射殺されたはずのKの意味ありげなオセロは何なのか! 加納がアヤシイ! 南海もアヤシイ! 親友も妹もアヤシイ! もうみんなアヤシイ!

重箱の隅はのぞかないようにして、サスペンスのハラハラを楽しむにはいい具合の演出です。2話でこのスリル感ですから、だんだん鼻につくようになってこないことを祈るばかりですが。

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『龍馬伝』

およそ大河らしくないテーマ曲&オープニング映像。

中身もおよそ大河らしくない自然光&ハンディカメラ。

龍馬に福山雅治を持ってきている時点で、若者ウケを狙っているのはわかるけど、今までの大河に慣れている視聴者は大丈夫なんでしょうか・・・。

序盤で評価は下さないことにします。

最初は観るのをやめようかと思った『篤姫』だって、最後はリアルタイムで涙を流していましたから。

ただ、不満を言うならば、中岡慎太郎に上川隆也を持ってきたところですね。上川さんといえば、キャラメルの舞台でもドラマでも竜馬(龍馬ではない)を演じていた俳優ですよ。中岡キャラではないですよ。私のイメージはずっと昔から椎名桔平ですよ。もちろん大森南朋でも良かったんですけど。ちなみに上川版『竜馬がゆく』では椎名桔平が武市半平太を演じていました。その時の中岡・岡本健一よりはいいんですけど。

カルテットヒロインにも話題が集まっていますが、来週から貫地谷しほりさんに変わるので楽しみです。いえさな子が好きなんでね。

15年。もう、というべきか。たったの、というべきか。

あの日を、忘れたことはない。

関西の人間にとって、1・17の鮮烈な記憶は、消そうにも消すことはできません。

 

とはいえ、あの日被災地で何が起きていたのか。それを語るのは、今や被害状況の数字だけ。生々しい中継映像や被災者の声は、悲しみを呼び起こすことを避けるためか、放送されなくなりました。

神戸ですら、震災を知らない人口は三分の一に及ぶといいます。

 

15年という節目に作られたこのドラマは、当時の衝撃を思い返すにふさわしい、気迫のあるものでした。

慣れ親しんだ街の突然の崩壊。情報の混乱、不足。幾つもの死を目のあたりにした恐怖。カメラを向けることへのとまどい。それでも感じた復興への強い生命力。

悲しみから希望へ生まれ変わる被災地の姿が、若いカメラマンを通じて感傷的でなく描かれていました。

 

関東大震災が、もはや歴史の一事象になってしまったように、阪神・淡路大震災も、いつか教科書で語られるだけの自然災害になってしまうのかもしれません。

しかし忘れてはいけない。6434人の、失った明日。それは今生かされている命ひとつひとつの、明日でもあること。

人の力ではどうしようもないこともあるけれど、どうにかできることもあること。

今日で終わりかもしれない今日を、思い残さず生きること。

ずーーーーーっと前に録画していたドラマ版。

やっと、連ドラの間隙をぬって観ることができました。

 

医療、法律、政治、、ドラマにはいろいろな世界が描かれますが、いわゆるわかりやすい、親しみやすい、伝わりやすい。つまり視聴率が取りやすいテーマが多いように思います。

しかし、大河と紅白以外は視聴率にこだわらないNHKだからこそ、描けるテーマがあるのです。

それが経済。

株を買ったこともないし為替相場にも興味がない。つまりちんぷんかんぷんな世界。この『ハゲタカ』を観るまでにこんなに時間がかかってしまったのはそれが理由でもあります。

が、いざ観てみると、おもしろい。展開は非常にスピーディで、説明くさくないけれど要点を押さえてくれる台詞。泣きどころもきちんとあるメリハリのきいた脚本。何よりもキャストの迫力。

主演に大森南朋をもってくるなんて、NHKしかできないでしょう。脇を固めるのも柴田恭兵や中尾彬や松田龍平など、安心して観られるキャスティングです。栗山千明も紅一点で頑張っていたと思います。

大森南朋はこのドラマで一気にメジャー級になり大河出演も果たしておりますが(個人的には中岡慎太郎役で出てほしかったけど・・・)、いやー、イケメンではないのに男前に見えます。惚れたぜ、鷲津さんのメガネに。原作では恋人がいるそうですが、ドラマでは出てこなくて良かったです。

映画はなんと玉鉄も出るというし、さっそく予約リストに追加しました。楽しみ。

『東京DOGS』

最終回は延長のせいか少し冗長でしたね。

あんなにひっぱっていた「ジンノ」が仲村トオルというのは、少しマフィアのボスにしては迫力がないかなー。

小栗旬と水嶋ヒロは良かったと思いますよ。吉高由里子も、あれが持ち味だと思います。

ただ、毎回の携帯電話での母親との会話は、いいかげん、ウンザリ感があったかな・・・。

でもって、姉妹の確執の原因は結局何だったんでしょう?

 

『不毛地帯』(前半)

並行して読んでいる原作は、いよいよ佳境。緊迫感あふれる展開が続いています。

ドラマのほうは、最初から半年間を見越して作っているせいか、少しまったり感があります。悪くはないと思うのですが、連ドラのスピーディさに慣れている身としては、ちょっと退屈ですかね。

登場人物がもともと感情を大げさに表さない人たちばかりなので、動きが少なく感じてしまうのも原因のひとつかも。

原作を読みながらつい台詞を話しているところを想像してしまうのが、里井副社長。さすが岸部一徳。

もちろんほかの人たちも、原作のイメージを壊さないいいキャスティングだと思います。

しかし『官僚たちの夏』といい、経済をテーマにしたドラマは質の割に視聴率が伸びませんね。

 

『坂の上の雲』(第一部)

毎回、オープニングの語りで涙が出てしまいます。

司馬遼太郎独特の、リズム感。心地いい言い回しをそのまま生かした脚本は、製作側の強いこだわりと熱意を感じます。

NHKは時々思い切ったキャスティングを行いますが、広瀬武夫役の俳優さんは、オリンピックに出場したこともある水泳選手だそうです。ドラマ出演は初ながら、その偉丈夫な体躯は、明治の軍人さんにぴったり。ロシアでも決して見劣りしなかったどころか社交界でモテモテだったという広瀬役への抜擢、心にくいですね。

原作よりも目立って登場する子規の妹、律。菅野美穂の好演のおかげで、ちっとも鼻につきません。それどころか、戦争が続いてちょっと硬くなっている空気が柔らかくなります。

伊藤博文の苦悩する姿は印象的です。すばらしい、加藤剛。その他ゾロゾロ登場する元勲たちにも名優と称するにふさわしい豪華俳優陣。チョイ役のはずの森鷗外まで榎木孝明を使うとは、贅沢すぎます。

真之役のモックンや、好古役の阿部ちゃんは言うまでもなくイメージどおりの名演ですが、特筆すべきは正岡子規役の香川照之でしょう。本当に子規が生まれ変わってきたかのような気迫です。病に倒れ、あふれる才気をもてあまし、成るように成らぬ身体を病床に横たえるしかすべがなく、逆に世界にはばたいていく旧友を見送るだけのやるせなさ。「君を送り 思うことあり 蚊帳に泣く」。かの句をつぶやかざるをえなかった子規の胸中はいかばかりであったろう。

第二部で描かれるのは子規の死、そして秋山兄弟は世紀の日露戦へ。

ただ、日清戦争がずいぶんあっさりとやや感傷的に描かれていたのが気になるところです。戦争の背景をぼかしてしまうと、司馬先生の思いとはかけ離れてしまうような気がしますので。ガンバレ、NHK!

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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