10/14 パ (☆)☆H3-2M セ (☆)S1-4G☆
ロッテが2点先制した時には、すわ「下剋上!?」と期待してしまいました…。
藤岡・益田・松永という、シーズン中なら敗戦処理で使われるようなブルペン陣が同点の緊迫した場面で失点せずに済んだのはそれぞれの意地を感じましたが、相手が出してきたのは先発で好投しながらローテにすら入れず、中継ぎにも定着していなかった千賀。ピンチだろうがイニングまたぎだろうが完璧に相手を抑えつけ勢いを削ぎました。西野を欠きながらシーズン終盤に怒濤の追い上げを見せ、1stでも激闘を続けてきた選手たちの蓄積疲労をリカバリーできない戦力層のロッテ、そしてこの日サヨナラを決めた内川がシーズン中不調だ故障だと主軸ながらスタメンをはずされても勝ち続けることのできる余裕を持ったソフトバンク、この差がそのまま勝敗につながったのではと思います。振り逃げからサヨナラされ、試合後ベンチから立ちあがれずタオルで顔を覆い続けた田村の涙が印象的でした。今シーズンめざましい成長を見せた田村はまごうことなくCS出場の立役者のひとり。この悔しさをバネに奮起を期待します。
セ・リーグは巨人が先勝し星が並びました。試合は見ていなかったのですが、内海の好投が勝利に結びついたと感じます。CS慣れしていないヤクルトの試合勘の戻りと、バレ5番の是非が気になります。
10/15 パ (☆)☆☆H6-1M セ (☆)☆S4-0G☆
ソフトバンクがデホムランで先制するも、前日のお返しとばかりに田村のタイムリーでロッテが同点に追いつき、ベテラン古谷の落ち着いた投球で拮抗した試合となりましたが、中盤から一転ソフトバンクの圧勝劇に。古谷の年齢ならば5回が限度でしょうが、そこが苦しいロッテの台所事情。こうなるとソフトバンク打線は止まりません。最後は寺原で締めるという、シーズンとなんら変わらぬこの余裕っぷりであっさり王手。下剋上の文字がかすれてきました。
ヤクルトはようやくお目覚め。…といいますか、巨人のちぐはぐぶりに助けられました。初回の立岡牽制死、ここで勝敗が決まったといっても過言ではないでしょう。かつての主砲たちが衰えを隠しきれない今、立岡や坂本などの若手が躍動しないと攻撃につなげられないという場面での痛すぎるミスでした。ひさしぶりにセ・リーグの野球をじっくり見てみると、巨人の衰えにはあらためて瞠目させられます。交流戦で3タテされつつも
巨人の強さを感じないと以前に書きましたが、このポストシーズン、選手たちの疲労が溜まった状態でのパフォーマンスを見てますますその印象が強まりました。もちろん、CS前のあれこれが選手たちのメンタルに影響を与えなかったのかどうかも気になるところですが…つくづく、時代の変遷を感じます。
10/16 パ (☆)☆☆☆H3-1M セ (☆)☆☆S2-0G☆
追いこまれたロッテ、まだ負けられるソフトバンク。気持ちの差が、そのまま星の数となったのかもしれません。結局ここも千賀に攻撃の芽を摘み取られた感があります。おーい、千賀は結局先発やめるの? 中継ぎでいくの? 他球団なら回またぎさせず抑えの切り札として使うよー…?
涌井に最多勝を取らせたためにCSで使えなかった、と批判する向きもありますが、それは結果論ではないかと思います。1stを2試合で終わらせられなかったのも痛かったですが、正直な感想として、涌井が初戦に登板し勝利を得たとしても、再度登板することはできなかったと思います。そのくらい、戦力差がありました。仮に西野が万全な状態でいたとしても、ロッテが勝ち抜くにはあまりにも控え層が薄すぎた。シーズンのゲーム差が、結局両チームの力の差であったと思います。「下剋上」という言葉に期待してはいましたが、それはあくまで勝敗がもつれて長くFinalを観戦したい期待であって、年間通してこれほど圧倒的な強さを見せたソフトバンクが日本シリーズに行けなくなってしまうと、CSの存在そのものが根底から揺るがされてしまいますし、結果としてこれで良かったのだろうと思います。
ヤクルトが王手。菅野は苦手の神宮で粘りを見せたと思うのですが、これまたチャンスをことごとく潰す巨人打線の主軸が目につきました。そして少し気になったのが、前日から頻発する死球。バレンティンが激昂するのもやむなしです。意図的と受け取られてしまう死球は、CSという場でなくても好ましくありませんし、ましてや人気球団の巨人がそれを行ってほしくないですね。
10/17 セ (☆)☆☆☆S3-2G☆
1点差にもかかわらず追いつける雰囲気がまったくしないのは、ヤクルトのブルペン陣が強固である以上に他の理由もあるように思えてなりません。
一死一二塁、投ゴロでオンドルセクの二塁送球がそれ、一塁はセーフ! と思いきや余裕でアウト。打者阿部の走塁を怠慢と解説者が批判していましたが、果たしてそうでしょうか。ほぼ休むことなく一塁を守る阿部の膝は走ることすらできないくらい悪化しているのではないでしょうか。そしてそれを交代させられる選手の不在が、今の巨人の実情なのでしょう。
初回から巨人の守備にミスが相次ぎました。浮足立つ窮鼠に落ち着いた采配を見せる猫。1点の差はその数字よりも大きく、選手たちのメンタルに影響していたようです。
こちらもリーグの順位どおり、首位ヤクルトが日本シリーズ行きを決めました。夜の神宮でのビールかけはますます寒そうに見えましたが…雰囲気の良さが伝わってきました。
さあ、いよいよ週末からは日本シリーズが始まります。
新人監督、トリプルスリーの若き主砲、打撃の破壊力と強力ブルペン陣。一見、タイプの似たチームのようですが、正直なところ抱える戦力には雲泥の差があるように映ります。
圧倒的な層の厚さを誇り首位を独走したソフトバンクに、最下位からのたたき上げヤクルトがどう挑むのか。
予想を裏切るような、白熱した戦いを期待します。
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