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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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今年も箱根駅伝が終わりました。

何年も前からずっと応援し続けてきた駒澤大(←縁もゆかりもない)、今年こそ箱根の頂きに立ち3冠達成なるか…と期待したのですが。

東洋大の総合力には、圧倒されました。

どんな大学であってもベストコンディションよりは多少のほころびが出るものですが、東洋大はレース運びといい各区の配置といい、どこを切り取っても完璧で、まさに王者の貫録を見せつけられました。「1秒を削り出せ」というスローガンのもと、レギュラーも控えも裏方も全員が同じ方向を向いて箱年の頂点のみを見すえた団結力もまた、その要素であったのかもしれません。

駒澤大も多少の誤算はあったものの、そのタイムは歴代3位。東洋がいかに圧倒的だったかが分かります。主力が抜ける来年以降、いかに強い駒澤を維持して首位奪回を狙いにいくか。今年も車から檄を飛ばし続けた大八木監督の、新たな勝負どころです。

連覇してこそ本物と優勝を目指した日体大。昨年山を制した服部主将は、区間賞に惜しくも1秒届きませんでしたが、故障明けの状態でよくここまで持ってきたと思います。終盤も前年優勝校の意地を見せてくれました。過去最高順位の5位でゴールテープを切った青山学院大は、最後のランナーが大手町に飛び込んできた時の選手たちの歓喜の様子にはこちらまで思わず笑顔になりました。12位から8位に順位を押し上げた帝京大の力走も印象に残りました。

また、空前絶後のスピードレースとなった往路から、繰り上げの場面を多く生むこととなってしまいました。そのため見かけの順位だけでは非常にわかりにくくなったシード争い。日本大、拓殖大、大東文化大といった予選会組が名乗りを上げました。また2区で無念の棄権を余儀なくされた山梨学院大ですが、その後各区の選手は参考記録ながら好タイムをおさめました。責任を感じていたオムワンバ選手の救いとなったのではないでしょうか。

90年の昔から、箱根路の襷は多くの物語をつないできました。
そして今年もまた、箱根を目指した多くのランナーたちのドラマが生まれ、そして未来へ続きます。
2015年。91回目のストーリーは、どんな展開を見せてくれるでしょうか。来年の1月2日、心熱くさせてくれることを願いながら。
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あけました。

掃除も中途半端なままだけれど、とりあえず昨夜は紅白歌合戦。

『あまちゃん』コーナーを楽しみにしていました。
嵐とからむアキちゃんに、なにやら不思議な感覚を憶えながらも、喫茶リアスのなつかしさに涙が出そうになりました。『ごちそうさん』が思いのほか面白いので、いわゆる《あまロス》からもすぐ脱却できたのですが、毎日楽しかったなあ、と思い出して切なくなってしまいました。

「第157回 おら、紅白出るど」

空飛ぶタクシーに乗り、紅白会場へやってきたユイちゃん。
ユイちゃんがついに東京へやって来た! 潮騒のメモリーズが東京で歌ってる! ようやく天野春子の名前で潮騒のメモリーを歌えた春子さんにも涙。マイクを持つ手が震えてた、緊張していたんだね。そして鈴鹿さんはさすがの貫禄。まめりんもセンターに復帰して、アユミさんもGMTの一員として舞台に立った。
本編と同じ15分で終わった夢のステージ。
ああ、これは紅白のいちコーナーではなくて、本編のエピローグだったんだ。
『あまちゃん』は本当にこれで終わりなんだ。
その半分を『あまちゃん』で泣いて笑って過ごした2013年が過ぎゆくともに、北三陸もまた、この世から消えていってしまったんだ。
思い出の中にしか残らない町になってしまったんだ。

遠くで鳴り響く除夜の鐘を聞きながら、一年の終わりを実感した大晦日でした。
2013年も大晦日を迎えました。
前厄の本年、厄払いを済ませてひいた大吉のおみくじはお財布の中に眠ったまま。

 むらぎもの 心にとひて はぢざらば よの人言は いかにありとも

 (自分の良心にしたがって、正しいと信じたならば他人の言葉に迷わないようにしたいもの)

書かれた歌が今さらながら、身に沁みます。

あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。正しいと信じていたことが四方八方から否定され、自分の心がどこにあるかも見失い、「輪」のごとくからはほど遠い、「歪」な道をさまよう毎日のくり返しでした。

ただ、自分がつねに正しいとは限らないのもこの世のまた真実のひとつ。

醜くゆがんでしまった自分の眼には、世の中もいびつに映ってしまう。何もかもを否定しはねつけ、ああ、いつの間に自分はこんなにも閉鎖的な心を持ってしまったのだろうか。

いつ失われるかもしれない明日。
日々を思い残すことなく生きると決めたはずなのに、いびつな道をたどっていてはその約束を守れるはずもない。

2014年、本厄。
外へ踏み出そう。
光を浴びよう。風を感じよう。世界じゅうの言葉に耳を傾けよう。
そうすればきっと描ける。未来へつながる弧を描く虹の道。
…というほどしゃれたものではありませんが、人が集まってくる年末の実家。
仕事納めの帰り道、お邪魔してきました。

まるで欧米か! という時代遅れのフレーズを口にしてしまいたくなるようなチキンが待っていました。



実は足がありません。電子レンジに入らなかったからちぎられていました。

ケーキはお土産。



子どもたちも大きくなって、ケーキにもプレゼントにも以前みたいにわーわー喜んでくれないのがちょっと淋しいオババカ。
それでも姉弟一緒にふざけあって、ふざけすぎてママに雷を落とされて、そんな非日常な一幕に笑ってしまう年の瀬の夜でした。
全日本フィギュアがゴールデンタイムに放送され、そしてこんなに高い視聴率を上げるのも、もしかしたら今年で最後かもしれません。

ソチオリンピック代表選考会を兼ねた今大会、誰が権利を勝ち得てもおかしくない、これだけのメンバーがそろうのは、最初で最後。

ここ数年のフィギュア人気を支えてきた選手たちの多くが、引退を表明しています。

幾度も胸を震わせてきた彼ら、彼女らの全日本での最後の雄姿を目に焼きつけようと、その瞬間を待ちました。

たった一度のチャンスを完璧に演じて終えるのは、とても困難なことです。努力や希望だけで達せられるものではありません。だからこそそれが叶えられた時の、フィニッシュを待たず立ちあがり渾身の拍手を捧げた会場のファンの熱気と、画面ごしに胸震わせた感動は同じものであったに違いありません。
鈴木明子選手の、フィギュア人生の苦しみと喜びをそのすべてに込めた2日間のプログラム。進退に迷いながらも集大成としての照準をソチに定め、自身の最大限のパフォーマンスを磨き上げてきました。忘れもしない、バンクーバーで会場を一体にさせた『ウエストサイドストーリー』。スケートが楽しくてたまらないといった最後のステップと直後の涙。ハッピーエンドはカナダからロシアへ、まだもう少し、鈴木明子の物語は続きます。

その鈴木選手の優勝に、本人以上に号泣して讃えていたのが織田信成選手でした。笑顔がトレードマークのはずなのに、思い出すのはいつも涙。トリノを逃した時、バンクーバーでのまさかのアクシデント、そして引退を告げた時もまた、泣いていました。誰の追随も許さない、しなやかなジャンプが陰をひそめてしまった時はソチに間に合うのだろうかとやきもきしましたが、最後に用意されたのが、織田選手の人をなごませる優しい笑顔で終えられるプログラムであったのは、競技人生をしめくくるにふさわしい、素晴らしいラストであったのではないかと思います。そしてキス&クライを去り際に、ライバルのはずの高橋選手へ「大ちゃんがんば!」と声をかけた姿もまた織田選手らしく、もらい泣きから笑顔へと見る者の表情を変えさせたのでした。

低迷していた男子フィギュア界は、いつしか世界のトップ争いに何人も顔を出すほど、層が厚くなりました。その集団を先頭で引っ張ってきたのが、高橋大輔。バンクーバーのフリープログラム『道』は、最初の4回転転倒をものともせず、情感あふれる演技で世界じゅうを感動に包みこみました。人の一生は紆余曲折、その一端を切り取ったとしてもさまざまな感情の波があるもので、高橋選手はわずか数分間で人が生きるその喜びと悲しみを教えてくれます。彼もまた進退に悩みながらも、ソチを目指すことを決意したベテランスケーターでありました。
今季も安定した成績を残し代表争いにリードを保ちながら、最後の最後で怪我に襲われたのは神の気まぐれの成せる不運だったのでしょうか。練習すら困難な中でそれでも果敢に4回転に挑み、彼を自由自在に輝かせてくれた銀盤で指を負傷しながらも演技を続け、血にまみれた手のひらをすっと差し出したその姿は、観る者の心を動かすにはじゅうぶんでした。
5位ながら代表入りを果たしたことは、一度は絶望したはずの彼自身も、また彼によって代表を逃したものにとっても、心苦しい結果となりましたが、無理に気負わず、高橋選手の高橋選手にしかできない演技を、最後の大舞台で披露してくれることを望みます。

バンクーバーの代表選考の際、女子最後の枠争いに敗れたのは中野友加里選手でした。そして今回も涙をのんだのは、くしくも中野選手と同じ佐藤信夫コーチ門下の小塚崇彦選手でした。一発選考に踏み切れない連盟側が試行錯誤して定めた今回の選考基準でしたが、全日本3位の選手が5位の選手に敗れるという、またも不透明さを残す結果となってしまいました。手術を回避してまで挑んだソチ代表、安定しなかった今季前半の状態を覆す成績をおさめた彼が、せめて世界選手権に選ばれてもよいのではないか、進退を明らかにしていない小塚選手の胸中を思うと、もう少し救済の余地があってよいのではないかとモヤモヤしてしまうのです。

村上佳菜子選手も今季の不調が嘘かと思える、目の覚めるような演技でした。大舞台を前にプログラムを変更する、たいへん勇気のいる選択でしたが、結果は吉と出ました。『バイオリン・ミューズ』は個人的にとても完成度の高いプログラムと思っています。村上選手の持つ力強さ、挑戦的な姿勢は観る者の胸を確実に熱くさせます。ソチ後の女子フィギュア界を間違いなく担っていくであろう村上選手の最初のオリンピック。彼女の会心の笑顔とガッツポーズを楽しみにしています。

今季ひときわ大きな羽ばたきを見せてくれたのが町田選手でした。安定した4回転と熱情を迸らせるステップは、何度見ても時を忘れてしまうほどの美しさです。昨季も前半は成績を残しながら後半で調子を落としてしまいましたが、今年の町田選手はひと味違いました。『エデンの東』も『火の鳥』も、町田選手のソチにかける思いが伝わってくるような、渾身のプログラムです。こんな選手がいたのかと日本じゅうを驚かせるようなパフォーマンスを期待します。
エキシビションの『白夜行』もまた、何度見ても感涙を誘うプログラムでした。クリスマスで見おさめ…のはずが、テレビでは見ることができず残念でした。ソチで用意されているエキシビションを楽しみにします。

GPFを制して、代表争いを大きくリードしていた羽生選手と浅田選手。全日本は代表入りを確実にさせる成績を残すとともに、ソチを見据えた試行の舞台でもあったことでしょう。金メダルを確実に狙える位置につける両選手。圧倒的な力量で優勝を飾った羽生選手と、失敗はしたものの本人の目指すプログラムに挑戦した浅田選手、結果は分かれましたが、次元の違う滑りを見せつけられました。
銀盤がまるで雲のような、風と光に包まれて舞う羽衣をまとった飛天のような、それは至高の時間でした。

また、特別な輝きを放っていたのは安藤美姫選手。今年出産を表明し話題をさらった安藤選手でしたが、ソチの舞台でその実力をいかんなく発揮し表彰台にも上っていたかもしれない人生もあったかと思うと、ファンとしては惜しまざるをえない選択でありました。
もちろん、全盛期には遠く及びませんでした。しかし安藤選手の演技は、ブランクの期間とその間の大きすぎる身体の変化をかんがみれば、驚嘆すべきものでした。そして挑んだ、3回転ジャンプからの3ループ。失敗はしたものの、セカンド3ループは安藤選手の代名詞。バンクーバーでも見せてくれたチャレンジ精神は、ファンとして胸のすく思いでした。演技を終えたあとの晴れ晴れとした笑顔は、今までに見たことのないような美しい透明感にあふれていました。さまざまな苦しみと喜びに満ちていたであろう安藤選手の競技人生。同世代の浅田選手とはまた異なる大きな魅力にあふれた不世出の天才スケーターでした。トリノのバッシングからの復活、二度の世界女王、忘れられない数々の名演。なんといっても東日本大震災の後、ロシアで行われた世界選手権での珠玉のショートと迫力のフリー、そしてエキシビションでの『レクイエム』は今でも目に焼きついています。おつかれさま、ありがとう、ミキティ。

時代は確実に、次のステップへと進みます。四大陸代表に選出されたのは宮原知子選手と今井遥選手、そして無良崇人選手と田中刑事選手。4人ともオリンピック代表に匹敵する演技で魅了してくれました。次のオリンピックでは確実に代表の座を争うであろう、今後の練磨に期待します。また転倒したものの3アクセルに挑んだ大庭雅選手も、個人的に将来が楽しみです。だからこそ、オリンピック後の世界選手権にはオリンピック代表を逃した選手たちにそのイスを与えてほしかった。日本開催ということでスポンサーをめぐってのあれこれ、いろいろとオトナノジジョウがあることは推測できますが、連盟が本当に大切にしていることはジジョウなのか日本フィギュア界の未来なのか、フィギュアファンが置いてけぼりにされている感は否めません。

さあ、年が明けたらオリンピックイヤー。

時差を超えて銀盤の上で輝く代表たちの姿、全日本を超えるさらなる激闘の末の歓喜の笑顔、銀盤の上で舞うその姿はましろの雪を照らす赤い太陽を表す旗のごとく輝いて。

今から待ち遠しい日々です。
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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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