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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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朝は男女入れ替えのお風呂へ行ったあと、朝食をいただきました。

一杯の茶がゆにご飯とおみそ汁、そして卵はご飯にかけてもヨシ、陶板で焼いてもヨシ(もちろん焼く)。おかずもおいしいし、りんごのコンポートがついていたのが個人的にツボでした。

そして宿周りのお散歩へ。

 

ホテルの裏には「野猿」があります。のざるではなくやえんです。

人力ロープウェーのようなもので、橋のない川を渡る際に使用されたものだそうです。

もちろん乗れますが・・・。

 

うん、やめておこう。

 

反対側へまわると、トンネルがあります。

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横の「まむし注意」の看板も気になるところですが、このトンネル、ぽたぽたと水が垂れて今にも幽霊かストーカーの現れそうな内部でした。

走って抜けてしばし歩くと、

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つり橋です。

谷瀬の橋ほどではありませんが、けっこうな高さと長さです。

もちろん渡らない手はないでしょう。と、踏み出してみましたが、

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・・・怖い。

なかばで後悔しましたが、足を止めると動けなくなってしまいそうなので、早足で一気に歩き抜けました。

周囲には誰もおらず、後ろからドーンとされたら絶対に終わりだ・・・そんなことをイロイロ考えると怖くなってしまいました。といっても下の川原ではトラックやショベルカーががーがー動いていたのですが。そしてなにげにいちばん怖かったのが、真下をトラックが通りぬけた時でした。10mといえば板飛び込みの高さですが、この高さからよく飛び降りてクルクルできるものです。

 

渡った先には、

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「果無集落(はてなししゅうらく)」への案内板が。素敵な名前の、とてもきれいな景色が見られる集落への行き道です。行ってみたいところですが、時間がないので今回は断念。しかし次こそは必ずやチャレンジを・・・。

 

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ぜいぜい。また帰るのか・・・。またも一気に通り抜け。渡り終わると、足がガクガクでした。やめときゃよかったー(泣)

 

気つけのため、ロビーの売店でジュースを買いました。

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北山村名産の「じゃばら」を使用したものです。あまずっぱくて、美味でした。

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チェックアウトして、今度は八木行きのバスに乗ります。

行先は、行き道通りすぎた十津川村役場。

バス停を降りて歩くとほどなく、滝の音と硫黄のにおいが。

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十津川温泉のあとは、湯泉地温泉。朝風呂したところですが、公衆浴場「滝の湯」。

が、内風呂があっつい! 源泉かけ流しあつい! すぐに出て露天風呂へ。ドアを開けて階段を降りて・・・結構歩きます。いっきに湯ざめします。

その名のとおり、露天風呂から滝が見え・・・のぞきこめば、見えます。

こちらはほどよい温度。のびのびじっくり、あたたまりました。

 

温泉を出て、役場の向かいの民俗資料館へ。

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ちなみに、十津川村には信号機が2か所しかないそうです。その貴重な信号のひとつ。

 

十津川村の歴史は、ちょっと不思議です。

辺境にありながら、日本史の随所でその名をみせます。

有名なのは幕末、天誅組の変や坂本竜馬の暗殺犯が「十津川郷士」を名乗ったことなどですが、他にも佐久間信盛・楠正勝の墓所やこの地に難を逃れた護良親王の歌碑もあります。

武にたけ、義にあつい、十津川の歴史を築いたいにしえの人びと。

果てなき時間を語る史料の数々をじっくりと眺めながら、その足跡をたどってみるのも面白いと感じました。

 

バスの時刻表はこんな感じ。

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乗り遅れたら大変です。しかしまだちょっと時間があるので、道の駅でおみやげを買うことに。

まずはせっけん。

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ゆずの香りもあります。

それから、昨日の夕食でとりこにされたゆべしときのこ。

十津川のきのこはでかいんです!

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外はお天気。

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季節は春、うららかな陽ざしの下にいると、つい食べたくなるのが・・・。

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アイス~。とうもろこしなんて、めずらしい。

明治時代、大水害で被災した十津川の人たちが、新天地を求めて北海道に渡りました。彼らが新しく作った村が新十津川村。今でも交流があるそうで、村章は同じものを使用しているそうです。

 

バスが来ました。ここからまた3時間。電車を乗り継いで、奈良に帰ります。

あー、楽しかった。十津川は魅力のあふれた町です。まさに「ココロとカラダを癒す旅」! 急きょ思い立たなかったら、割引使えたのに~。

次もまたバスで行こうか、思い切って車で行ってみようか・・・。

早くも、再び歴史と緑の深い温泉地へ再訪することを考えてばかりです。

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