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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『下町ロケット』
ひたむきな中小企業vsいけすかない大企業、というわかりやすい構図で楽しませてくれました。いくら何でも一流企業がここまで品性を欠いた態度を取るわけなかろう、という現実的な疑問はあるものの、その「ヤリスギ感」がいっそうどんでん返しへの期待をふくらませてくれるので、最終回まで「がんばれ佃! 負けるな佃!」と拳を握っての鑑賞でした。
ものづくりの夢を語り、理不尽な社会と戦う泥臭い阿部ちゃんなくしては、このドラマは語れません。あんなにかっこいいパパなのにちゃんとダメ親父に見えてしまうし、威厳のない社長だけれど決断力も行動力もある、佃製作所で働きたいとテレビの前で思った人は少なくないでしょう。阿部ちゃんの演技力あってこそのドラマです。
そして佃製作所の面々もまたそれぞれに魅力的でした。いかにも技術者といった風貌の安田顕はもちろんのこと、突出していたのは殿村役の立川談春。『ルーズヴェルト・ゲーム』ではイヤミな社長を演じていましたが、今回では一転善側、佃製作所の大番頭として辣腕をふるいます。落語家ですから演技力は劣りますが、その落語家ならではの見事な間合いと何とも愛嬌のあるセリフ回しで存在感を発揮していました。あの場面、あの状況、あの立場で「(部品供給は)ムリィ!」と言い放つなんて、きっと他の役者なら潰れてしまうひとことでしょう。それを何とも魅力的に表現した殿さん。さすがです。
落語家や芸人でも俳優に見劣りせずドラマ出演する人はたくさんいますが、いくら本業で器用さがあっても誰もが演技に向いているとは限りません。この作品は話題づくりせずともじゅうぶん視聴率は取れていたのに、なぜわざわざ質を損なうようなことをしたのか、不思議でなりません。
当初から出演していたキングオブコメディ今野はさほど見せ場もなかったので許せましたが、ガウディ編で登場した今田耕司はすべてにおいて稚拙すぎて出てくるたびにトーンダウンでした。たたみかけるようにバカリズム、高島彩と…新キャストが発表されるたび「ナンデ?」と首をかしげてばかりでした。今田耕司の関西弁まじりの中途半端でイライラするセリフ回しはいわずもがな、高島彩は終盤の重要人物であったにもかかわらずまるで冷静にニュースを読んでいるかのような緊迫感のなさでしたし。ロケット編がすばらしかっただけに、その三人が本業の役者だったならガウディ編は自分の中でもっと盛り上がったであろうにと残念でした。
あと『半沢直樹』風のアップ多様で、見ているほうは少し疲れました。しかし最後の佃vs椎名の長回しの対決場面は、阿部ちゃんの真っ赤っかの目もあり迫力を感じました。小泉孝太郎もヒール俳優として開眼していましたし。最後は…漁師? 牧場の飼育員? 種子島で?

『あさが来た』(承前)
のぉぉぉ~。
五代さまぁーーーー。
…と絶叫する主婦が全国各地に出没したに違いない、この年末。
いや、これはクリスマスプレゼントなのか?
かなりの視聴率を叩き出しているらしい今期の朝ドラ。それもそのはず、なかなかクオリティ高いです。ストーリーも、役者も、脚本も演出も。今のところ、朝ドラにつきものである中だるみの気配がありません。主人公の波瀾万丈すぎる波瀾万丈でできすぎな人生も、モデルである広岡浅子の実話と聞けばなるほどと納得できます。NHKもやはりオリジナルよりも実在の人物を扱ったほうが成功しやすいことに気づいたのか、来期も原作ものが続くのは安心材料です。
それにしても毎朝眼福だこと。進次郎さん&五代さまのイケメンにくわえて理知的美人なあさに楚々として気品のあるはつ(和歌山に去り出番が減りましたが)。明治の大阪はどうなっとるんや。
明治維新によるお家の危機を乗り切り、炭鉱を買い、さらにこれから大学、銀行の設立にかかわっていくあさですが、前半だけでかなりの行動力。残り三ヶ月、これからどのような展開が待っているのでしょうか。師走にはお父さまの死、大久保暗殺と悲しい出来事が続きましたが、新年早々は恋バナに花が咲くようです。うめ&雁助、ふゆ&亀助は相当ひっぱっておりますが…あさの少女時代からお仕えしていたうめはいったい今何歳なのだ…? 雁助、あんまり待たせたらアカン。一方、ふゆと亀助の並びは犯罪の香りがしますが(役者の実年齢は13歳と47歳)、ふゆはあさとさほど歳が離れていないはずなので、本来ならもう嫁き遅れの部類ではないのか…? ふゆ→進次郎の片想いもひっぱりすぎてそろそろ飽きてきました。ふゆ役の女優さんがキャリアに乏しく演技力が拙いせいもありますが。17、8歳くらいでもう少し片想いの切なさなど表現できる女優さんであればまだあたたかく見守れたかもしれません(犯罪の香りもしなかったでしょうし…)。亀助、しっかりせい!
はつもそろそろ再登場願います。はつパートは役者全員が安定していて本当に質が高かった。萬田久子のイビリや山王寺屋の零落は見ているほうもかなりきつかったですが、義母のイヤミを受け流してしっかり返せるようになったはつ、やがて現実を受け入れ農婦に落ち着いたお菊さん、それぞれの成長のしかたがさりげなくもしっかり描かれていて、あさパートとはまったく違うドラマを楽しめたようで満足感がありました。
ここ数日すっかり五代さまに持っていかれてしまいましたので、そろそろ進次郎のかっちょいいところも見てみたいです。
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自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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