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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『アイムホーム』
徐々に明かされていった久の過去。最大の衝撃は「私も久さんが仮面に見えていた」という恵の告白でした。どうも展開に入りこみにくい、と開始当初に抱いた違和感は、主に家路家、中でも病み上がりの久に対する恵の冷淡にも見える態度が原因だったのですが、それまでのブラック久の恵たちに対する態度、ホワイト久への豹変という経緯を考えれば、やむなしの接し方だったのかなあと同じ女性として共感を憶える部分でもありました。
クライマックスである損失隠しのあたりはやや強引なオチでしたが、痛む身体で必死に恵の病室へ向かう久、恵の仮面がサラサラと消えていくあたりには泣かされました。キムタクは、「チョー待てヨ!」的キムタクブランドの特性を感じることなく、ちょっと情けないお父さんのホワイト久があまりにもハマっていて、これからもどんどん新たな役柄がオファーされるのではと思います。
ブラックとホワイトの共演は『あしたの、喜多善男』を彷彿とさせました。不要な演出だったかな。
それにしても、閑職だけれど所属はいちおう大手証券会社、美人でいつも小奇麗な妻(しかも実家はお金持ち)、かわいくて元気な息子、バス停からはちょっと遠いけれど庭つき豪奢な一戸建て…なんてうらやましいんだああー!

『花燃ゆ』(承前)
松下村塾が主な舞台であった間はまだついていけたのですが、松陰が亡くなってからのスピードダウン感が否めません。
文の夫である久坂玄瑞や高杉晋作たちが物語の真ん中に躍り出ると、主な舞台は京都にうつり、歴史の展開はもちろん長州にいる文の知るところではなくなります。『八重の桜』も会津パートと京都パートに分かれている間はややトーンダウンしましたが、覚馬を中心に幕末の複雑な京都の政情が描かれていたのでそこまで不満は抱きませんでした。八重が前線で戦う会津戦争が待っていることもわかっていましたし。しかし文の場合は…。
今回、京の内情の描かれ方が極端に少ないため、八・一八の政変があっさり起こってしまったのも残念です。長州の、七卿の無念がまったく伝わってきませんでした。維新が三年遅れた原因という池田屋事変も、前回の吉田稔麿のいかにもなフラグにより抒情的な描写で片づけられそうです。伊之助もただの文の相談役と化していて存在感がありませんし(そもそもなぜ彼はれっきとした長州藩士にもかかわらず月代がないのだろうか)、維新後の文との結婚生活もとくに期待が持てません。
毎週ながら見でも、話によってどことなくキャラ設定などに違和感を抱いていたのですが、どうやら脚本家の複数体制が原因であったようです。大河でこれはあまりにも雑すぎやしませんかね。
そもそも今回の大河はオトナノジジョウにより「長州ありき」で企画されたそうですが、なぜ『世に棲む日日』をドラマ化しなかったのかなあと、復習がてら読み返しながらつくづく思いました。松陰と晋作のW主演でその破天荒な生き方をじっくり一年かけて楽しめるものにできたはずですが。
と、けなしまくりつつも見ています。責任を負わされている井上真央ちゃんがかわいそうです。

『まれ』(承前)
横浜編に入り、地道にこつこつ公務員からやっぱり朝ドラ主人公的ちょっぴりドジだけど一生懸命がんばりますキャラとなってしまったまれちゃん。…と感じたことはすべて陶子さんが本人にぶつけてくれました。
パティシエ修行と恋の道。前者はまあなんとなくトントン拍子に進んでいくのであろうとして、もっぱら気になるのが後者。さや的にはダンゼン大輔。いやー、柳楽優弥がこんなにイイ男に見える日が来ようとは。見た目では圧倒的大差で圭太(山崎賢人)の勝ちですが、イイ男の条件はそれだけではないのだとつくづく思いました。けだるそうな話し方にちょっとした優しさ、的確な気づかい。あげくに朝チュン「おはよう」(コートかけてあげているのもポイント高し)、これで世間知らずのまれの右脳が刺激されないはずがありません。
圭太の遍歴(まれ→一子→まれ?→やっぱり一子なんかい!)とカタブツな性格(久々に会った彼女に説教かい! しかも黙って大阪に押しかけていくんかい!)の描かれ方はちょっと不憫ではありますが。
しかしなーんとなく、まれ&圭太で落ち着きそうな予感。大輔は松岡先生(『梅ちゃん先生』)ポジションな気がします。
それにしてもケーキが食べたくなって困ります。いつも視聴するのは録画で夜ですから、家を飛び出して買いに行くようなことにはなりませんが、これが朝であれば確実に仕事帰りにデパ地下です。


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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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