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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』

序盤は前作に較べてスピードダウンが否めず、少し期待ハズレ感があったのですが、終盤は謎解き要素が多く楽しめました。

救命の俳優陣が良かったです。最初は硬いセリフまわしでひとり浮きまくっていたTKOも、見慣れてきたのか演技慣れしてきたのか、だいぶ救命医らしくなりましたし。

田口先生と藤原さんのなごみ感が好きだったので、愚痴外来の場面がなかったのが残念なのと、『救命病棟24時』で、救命の大変さを観せられていた身としては、ミーティングの場面が多くて緊迫感に欠けていたような気はしますが。

また続編、期待しています。

 

『mother』

大泣きしました、最終回も。

視聴率の上昇率も、ドラマの良質さを表していたと思います。

海辺の渡り鳥に「れなもつれてってー!」と叫ぶところ、葉菜の家で鈴原の母が葉菜を責めるところ、堕胎を決めた芽依が「美容院に行ったのに雨が降ってきた・・・」と涙をこらえていうところ、校庭での紙ひこうき、家出したつぐみが歩道橋で「お母さーん!」と走り寄るところ、「もう一度誘拐して」、奈緒が葉菜に髪を切ってもらうところ、・・・

って、印象深い場面が多すぎて書ききれません!

最終回、つぐみの実母のその後は描かれませんでしたが、それはそれで納得のいく決着だったと思います。

良き母から虐待母への変化の過程は、観ている者の理解を得るに充分なものでしたし、逮捕される瞬間の「死刑にして!」という言葉でその後悔と改心が描かれていましたが、いくら娘を愛していたとしても、子どもを虐待するということは一生償っても償いきれない、容易に許されるものであってはならない、だからこそ絶対に行ってはいけない、という書き手側の見えない主張なのではないかと思います。

もしかしたら、奈緒という「母」に愛を受け、寛恕の心を得て成長したつぐみは、将来的に実母を許すかもしれない。しかしそれを描いては、「虐待しても許される」というひとつの逃げ道を虐待親に与えてしまうかもしれない。罪のゆるしは、虐待を受けた本人にしか与えられない権利であり、ゆるさなくても構わないと思う。虐待はそれくらい、取り返しのつかない行為と定義されなければならない。

いろいろ考えさせられるドラマでした。こういうドラマを年に1回でも作っていってほしいです。

 

『素直になれなくて』

ブレないキャラはリンダだけでした。たぶん、最終的に死ぬから、都合よく動かさなくて済んだのでしょうね。まあ、もともとリンダ(玉山鉄二)目当てに観たのだから、いいのですけど。

しかし空港でハルに「好きだー!」と言ったナカジ。私がハルなら「あ?」と冷たく一瞥するでしょう。ドクターなら「このドカスが!」と言って延髄斬りでしょう。ピーちの流産にしても生徒のクスリ問題にしても、その後の展開のために都合よく動かされた人物が多すぎます。ハル母とナカジ父にしても、ハルとナカジ兄妹説を匂わせといて、絶対違うんだろうなと思ったら案の定説明くさいセリフで片づけられましたし。ホンマどっちらけ。

しかし『ラストフレンズ』と似て非なる作品でした。枠も同じだし。あれは最終回の手前まではおもしろかったんだけどなあ。

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