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ハードキャンディ
ヘイリーはジェフをどうしてそこまでいたぶるのか。
監督/デヴィッド・スレイド
出演/パトリック・ウィルソン、エレン・ペイジ 、サンドラ・オー
(2005年・米)
出会い系サイトで知り合った14才の女の子であるヘイリーと、32才のカメラマンのおっさんのジェフの話です。この2人はチャットで実際に会うことを約束します。待ち合わせのカフェでヘイリーに初めて会ったジェフは彼女のことを気に入ったのか、スタジオ付きのオシャレな自宅にヘイリーを連れ込みます。しかしそれはジェフの行動を完璧に読み切っているヘイリーの罠でした。
オッサンと少女の騙しあいをスリリングに描いたサスペンスなのかと思いきや、ただ単にオッサンが少女に一方的にいじめられている様子を延々と映しているだけのしょうもない映画でしたね。幼い女の子にみだらな行為をしたいとか思っている男性には教育的効果はあるでしょうが、僕はそんなことしたらエラいことになるのはこの映画を見る前から十分に自覚していますし、年齢を含めた相手の本当の素性が何もわからない出会い系サイトなんか利用したこともないですしね。
それにジェフはそんなにひどい目に遭わなければいけないほどの悪いことをしたのでしょうか。そりゃ無理やりとか、相手が幼稚園児や小学生だったらいかんけれども、14歳の女と合意のもとでヤルのは僕の中では許容範囲です。それだったら普通にイジメとかするヤツの方がよっぽど悪いと思います。おそらくこの監督は、インターネットを利用した児童買春・児童ポルノなどが増えている秩序のない現代をひどく憂いており、正義感からこんな映画を作ったのでしょうが、僕は何にも共感できなかったですね。
いやもちろん彼が過去にやった事から考えても、ジェフは生粋のロリコンで変態ですよ。しかし頭のおかしいのはむしろヘイリーでしょう。そもそもなぜジェフをそこまでいたぶるのかがまったくわからない。ただの正義感だけでここまでするのも考え難いし、金目当てでもなさそうです。途中友達の復讐劇と思わせるところもあったんですが、通して見たらどうも違うような気がします。理由がよくわからないうえに、こいつはスパッと「手術」をせずにジェフをぬか喜びさせたり絶望へ突き落としたりと心理的にいたぶって楽しんでいます。この監督は日本のオヤジ狩りにヒントを得てこの映画を作ったようなんですが、ヘイリーの心理は僕にはまったくわからないし、キャラクターに何のリアリティもなかったです。
おまけにこのヘイリー役の女優が全然可愛くないんですよ。「アメリカン・ビューティー」という映画ではケビン・スペイシー演じる主人公が自分の娘の友人を好きになるんですが、その映画に出ていた子は可愛かったから、ケビン・スペイシーのことを「こいつはバカだなあ。」と思いながらも「まあ男だったらしゃあないわな。」と理解できる部分もあった。しかしこの映画のジェフの気持ちは僕にはまったく理解できません。いくら若いのがいいといっても、多少は容姿で取捨はするでしょう。リスクの高いことをしているんですし。
「手術」のシーンはけっこう緊張感がありましたね。僕も昔ソフトボールをやっていて、自打球が自分のボールに当たり、息が出来ないくらい痛かった経験があります。1週間ぐらいボールだけじゃなく腰まで痛かったです。男だったら誰でも過去に1度や2度はそんな経験をしているだろうし、この映画の「手術」がどれだけ恐怖かは重々分かります。この映画のジェフはこれ以上ないぐらい焦っていますが、まったくオーバーに見えないですし、全然笑えませんでした。
しかしこの映画で見せ場はそこぐらいです。ストーリーは単調で何にも面白くありません。「ヘイリーは実は…」というところで意外な答えを用意しといたら絶対にこの映画は面白くなると思うんですけどね。近所のオバハンもどんでん返しのための何らかの伏線かと思いきや、本当にただの近所のオバハンでしたし。
ラストももやもやした終わり方で全然スッキリしないですし、まあ評価としては★1ぐらいの映画ですね。そういえばこの映画は一緒に見た嫁はんも面白くないと言っていましたが、グロい映像やエロい映像はまったくないし、男性がバカで女性が優秀なように描かれている映画なので、もしかすると女ウケはするかもしれませんね。