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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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すでに終わりましたが、奈良の秋は正倉院展の季節。

もちろん、早朝から参戦してきました。

修学旅行生やらツアー客やら、今年も行列です。
それでも開館30分前に並んで正解でした。じっくりゆっくり見るにはこれしかありません。

今年の目玉は「鳥毛立女屏風」。教科書でしか見たことがありませんでした。
飾られていたのは6扇のうち4扇。2つは出張中でした。今でも美しさを放っていますが、着物などに羽毛が飾られていた状態の実物をぜひ見てみたかったです。

造作も音色も美しい天平の楽器は「桑木阮咸」という四絃の楽器。その仔細に目をこらしてみましたが、乱視の目にはよく見えませんでした。…ので、壁に貼られている写真で模様を確認し、もう一周してみました。…が、やっぱりよくわかりませんでした。

現代女子はもちろん、天平の世もおそらく「カワイー!」と女子(おなご)の心をくすぐったであろう、「衲御礼履 」という靴。大仏開眼会で聖武天皇が着用したと言われています。その一回きりの特別な日にあわせてとびきり派手で美しいデザインが選ばれたのでしょう。

そんな聖武天皇が使用していたとされるベッド。ペアなので、てっきり光明皇后と並んで御寝あそばされていたのかと思いきや、ひとりで二台使っていたのだとか。贅沢やわ~。

装飾用や演武用ばかりではない、実際に藤原仲麻呂乱でも持ち出されていたという鉾や太刀。どっしりとした貫禄ある肘置きや当時の人々の生活や息吹を感じることのできる地図や戸籍。整然と書かれた写経から伝わる仏の御心。
じっくりしっかり、悠久の時と空間を心に刻み込んだ一時間半。
今年はまだお香が残っているので、ミュージアムショップは素通りで行こうかと思いましたが、やっぱり立ち寄ってしまい、ブックカバーを買いました。

その後、奈良県立美術館で行われている《大古事記展》をハシゴするつもりだったのですが…。
目玉の「七支刀」がまだ展示されていないことを知り、断念。
ランチして帰ることにしました。



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