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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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朝、なにげなくテレビをつけて見ていると、古事記特集の番組が。
「あ、そういえば《大古事記展》まだ見に行っていなかった…そういえば七支刀の展示はいつまでだっけ」
・・・
今日まで!?(;゚Д゚)

あわてて、行ってきました。

いつもの奈良県立美術館の様相とは違って、入口には人の列。もちろん、正倉院展とは較べものになりませんが。ちなみに、正倉院展の半券を提示すれば割引になることをすっかり忘れていました。

この展覧会は、単なる古事記の内容や研究結果を展示しているのではなく、「五感で味わう、愛と創造の物語」というテーマのもと、仏像から考古資料、著名な画家の絵画から現代アートまで、多彩な表現方法で『古事記』の壮大な世界を伝えようという試みで注目されています。

神話への新たなアプローチといえば、もちろん、『ぼおるぺん古事記』もはずせません。
原画が展示されていました。ぼおるぺんの筆致をじっくり鑑賞。こうの史代さんの講演会もあったそうですが、平日なので行けなくてがっかりでした。

神話画は西洋でもひとつのジャンルとして確立した芸術ですが、日本の神話も多くの芸術家のインスピレーションを刺激してきました。「創」「旅」「愛」。作品群の展示テーマとして設けられた三つの漢字は、みごと神話の世界を端的に表現しています。古事記ははるか時空を超えた神々の創造と羇旅と愛の物語。
そして世界のあちこちで作られたさまざまな神話には、時代もことばも神のあり方も違うのに、不思議と似通ったところがあります。
人が神に抱く敬慕、憧憬。それらの思いは、時代や人種の違いなどたやすく超えてしまうのかもしれません。

そして石上神宮の七支刀。教科書でしか目にすることのできない非公開の国宝。
実物は木製の枠に横たわっていましたが、復元品はまっすぐ屹立していました。
果たして刀はどこで生まれ、何を見てきたのか。
天に向かってきらめく七つの切っ先。
見れば見るほど、吸い込まれていきそうな不思議な刀です。



表に出れば鮮やかな紅葉。

古都の秋も、もうすぐ終わりです。




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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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