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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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ひさびさに相撲を観ています。

知らない力士もいっぱいの中、日本人大関がたて続けに誕生したということで、多少盛り上がってもいるようですが。

正直、稀勢の里の昇進は相撲協会の露骨な人気取りの感じがして、快く思いませんでした。本人もその微妙な立場を理解しているのか、もともと古風でストイックな性格だからか、思いのほかプレッシャーを抱えているようにも感じませんでした。昇進した場所で優勝争い(終盤までとはいえ)にからむとは、なかなかの善戦。一方琴奨菊は調子がイマイチ。場所前に発熱した関係もあるのかもしれませんが、体調管理も役割のひとつですから、しっかりしてもらいたいなあ。

何年ぶりにか、日本人大関同士の取組が先日行われました。

琴奨菊が早々に優勝争いから脱落していたせいもあって、場所一番の盛り上がりというわけにはいきませんでしたが、注文相撲になってしまったことにはさらに興を削がれました。

ま、仕方ないよね~稀勢の里はこれ以上負けられないし、対戦成績も悪いし。

その直後に全勝の白鵬が敗れたことで、この取組はたいした話題にはなりませんでした。

 

ところが。

昨日、把瑠都-稀勢の里戦で把瑠都が変わってはたき込むやいなや、会場からはブーイング。

びっくりしました。プロ野球の敬遠の場面でヤジを飛ばすのとはわけが違います。大型力士同士の対戦があっさり決まって味気ないのはわかるけれど、これも立ち合いの妙ですから。そのあと白鵬-日馬富士戦も注文相撲とあって、理事長までが苦言を呈したようですけれど、変化がダメなら一見熱戦に見える八百長相撲のほうがよいのでしょうか。小兵力士の八艘飛びは許されて、大型力士はぶちかまさなければいけないという暗黙のルールは不要と思います。変化で勝てるなら十五日変わりまくるだろうし。両力士とも仕切りの呼吸によるとっさの作戦でしょう。とくに白鵬は仕切りで迷いがあったように見えて、これは日馬富士の完全な作戦勝ち。協会が何を目指したいのかよくわからんです。それなら協会ご贔屓の日本人大関同士の取組に水を差した稀勢の里にも文句を言えよと。

 

白鵬が二敗に後退したことでがぜん把瑠都の優勝(全勝もあり)に有利な状況となりましたが、もともと黙っていても横綱になれる器。ここのところぱっとしない場所が続いていましたが、今場所はみるみる昇進してきた時のような強い把瑠都に戻っているように思えます。ひとり横綱というのも味気ないですし、早く白鵬と並び立つ横綱が産まれてほしいところです。

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