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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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はじめて聞いた時は、「仏舎利・・・の仲間? いずれにしろシャリシャリしてそー」などとボケた感想を抱いたこの言葉、世間ではおなじみのようです。

要するに、「よけいなものは捨てらなアカン」ということだそうですが。

 

幼い頃から私はだらしない娘で、ほったらかしの汚部屋に親からは怒られてばかりでした。どうして姉妹でこうも違うのかと思うほど、良く言えばキレイ好きでつまりは神経質な姉の部屋と、良く言えばおおらかでつまりはいいかげんな私の部屋は壁一枚を隔てて別世界。

が、そのうるさい母も、捨てることは苦手。実家に帰ると、なぜ二人暮らしなのにこうもものがあふれ返るのかと満杯の押し入れに呆れかえるのは毎度のこと。

私は逆に、捨てることは得意です。

大掃除の日には、アレもコレも、いらないと思うものはぽいぽいごみ袋に放りこんでいくので、横で見ている母はびっくり、「えーっ、それも捨てるの? その服まだ着れるでしょ、いらんのやったらちょうだい!」。「それがあかんのやろ」と説教すると「せやなー」と納得しつつ古着を懐にしまいます。

が、その母もついに時流に乗り断捨離を決意した模様。ところが趣味のものを溜め込むどころかほっちらかした上に勝手に触ると怒り狂う父がいるので、決行には相当時間がかかりそうです。

 

今は、賃貸住まいで収納が少ないということもありますが、極力ものは増やさないようにしています。とくに、服。

昔と違って成長もしないし、着ようと思えば昔の服も着ることができますが、やはり流行に乗って買ったものはあとあと着づらい。トシもトシなので、20代前半の服を着ると浮きまくる。逡巡は不要、バシッと捨てました。中には学生時代に購入して愛着のあった服もありましたが、さすがに10年選手はどうかと・・・。よく頑張った。

それでも、捨てにくいのは一張羅。いわゆる、およばれ服。

普段に着ることができない分、クオリティを保っているのがアダとなります。これもまた、10年選手なのだが・・・どうしたものか・・・。

 

我が家の男子も片づけに興味のない人間ですが、これはどさくさにまぎれて処分するのが常です(例:ゲームに夢中になっている背後から「この服まだ着る? もういらんよな、うん捨てよう」)。もっと捨てたいものは部屋の一角をたくさん占めている趣味モノのたぐいですが、父と一緒で、男の趣向には手が出せません。難しいものです。これが一戸建てなら、ガレージの隅とかに追いやるのですが。

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