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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『開拓者たち』

ドキュメンタリードラマと銘打っているだけあって、経験者たちの談話を挟みつつ、実話のごとく展開していきます。

満島ひかりや新井浩文、石田卓也など、テレビより映画で活躍している俳優を多用しているせいか、迫力はドラマの枠を超えています。

敗戦後、満州に残っていた日本人の過酷な逃避行は『大地の子』でも描かれていましたが、私の祖父母も満州からの引き揚げ体験者です(開拓団ではありませんが)。幼い母や乳飲み子の叔母など、多くの子を抱え、祖母はドラマのごとく男装して顔に土を塗り、ソ連軍に脅えながら、ひたすらに引き揚げ船を待ったそうです。その時のことを、祖父母が話すことはありませんでした。思い出すのも辛く苦しい過去だったのでしょう。ただ、本棚に分厚い満州の写真集がひっそりと置かれていたことを憶えています。結局、祖父母が大陸の土を踏むことは二度とありませんでしたが、ふたりはどんな思いでかつて生活を送っていたその風景を眺めていたのか、今はもう知る由もありません。

俳優たちの熱演と硬質な脚本・演出のおかげで、ただ感傷を誘うだけではない胸に迫るドラマになっています。どうして地上波で放送しないのか、もったいなく残念でなりません。

脇役では芦名星の熱演が光っているように思います(夕顔はさっぱりだったのに・・・)。綾野剛も最近NHKづいていますが、『セカンドバージン』『カーネーション』とはまた違った表情で、多彩なのだなあと思わされます。

 

『平清盛』

視聴率が悪いだとか画面が汚いだとか、いろいろと物議をかもしているようですが・・・。

初回を観る限り、まあまあかなと。やりたいことははっきりしているようですし。去年が去年だったというのもあるような気もしますが・・・テイストは、近年ではイチオシの『風林火山』に似ているような気がします。

まえだまえだ(弟)が上手くて驚きました。兄より上手いかも。

未登場の松ケンに期待するのはもちろんですが、豪華脇役陣、色ボケジジイの伊東四朗とヘタレ三上博史の対比ぶり、後宮の女たちの争いなど、楽しみな見どころが満載です。源平合戦より前のこの時代の知識があまりないので、予習をせねば。結局『平家物語』も脱落してもーたし;;

ただ頼朝のナレーションはちょっと脱力します。普通にアナウンサーか、せめて年配の俳優を使ってほしかった・・・。

 

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