MENU | MENU | MENU | MENU | MENU | MENU |
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
オリンピックやいろんな大会、努力してその結果、優勝できたりできなかったり。
いろんな場面で、テレビごしに涙して。
「感動をありがとう」
つねづね、なんだかおかしいと思っていた。
興業としてお金をもらってパフォーマンスを売った相手に対して、「ありがとう」は間違っていないと思う。
でも大半のシチュエイションは、そうではないのであって。
より速く、より強く、限界を超えようと努力するのは自分のため。
家族や友人やスポンサー、ファンも含めて、その選手のうしろにはいろんな支えがあるのかもしれないけれど、アスリートが口にする「感謝」「恩返し」という言葉は一方的なものであって、決してこちらが求めている答えではない。
だから、「ありがとう」だって、選手が本当にその結果に対して求めていた返答なのかどうか、疑わしい。
一方的な感情の押し付けは良くないと思う。
ひねくれた見方なのかもしれないけど。
でも、自然と「ありがとう」と言いたくなる気持ちはわからないでもない。
中野友加里選手の引退。
トリノ、そしてバンクーバー。どうして彼女のための枠が存在しなかったのか。実力の結果なのだと受け止めるには、観ているだけのこちらにしても苦しいものがあった。
2年前の世界選手権、鮮やかなオレンジの衣装で舞ったFP『スペイン奇想曲』。着地を決めたトリプルアクセル、目にもあやなドーナツスピンで観客の喝采を浴び、予想よりも低い点数に異国にもかかわらずブーイングが噴出したあの場面は今でも忘れえない。
凛としていてかつ愛らしい『ジゼル』も好きだった。
荒川静香、村主章枝、安藤美姫、浅田真央。これだけの質の高いスケーターを相手にしながら、決して見劣りすることなく、個性を生かして存在感を示したと思う。
世界選手権で、もう一度あの滑りを観たかった。
もう二度と目にすることはできないのかと思うと、フィギュアの魅力が一気に衰えてしまうよう。
美しさとは何なのか、教えてくれてありがとう。
幸せな気持ちになる笑顔をありがとう。
これからの、中野友加里さんの第二の人生が、輝いたものでありますように。