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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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原作は未読です。連載中にちょいちょい目にする機会はあり、あらすじを読むとひさびさに初期の東野圭吾らしいミステリのようだったので興味はあったのですが、途中から読むのも何ですし、文庫化されたら読もうと思っていました。

で、文庫化されているようですが、まだ読めていません。

 

すっかり大衆作家となってしまった東野氏。ひねくれものの私は興味を失いつつあります。必ず新刊で揃えていた文庫もまったく増えていないし、読み返しもしなくなったし;

インディーズの時に大ファンだったバンドがメジャーデビューして売れっ子になったら、うれしいのと同時に少し淋しくもあり一歩引いてしまう心境に似ています。

面白いとは思うのですが・・・初期のギスギスしたトゲトゲした、あの挑戦的な作品が好きだったなあ・・・(遠い目)。

 

さて、このドラマ。

心臓外科医が主人公とあって、医療とサスペンスを絡ませた、理系ならではの視点で描かれたミステリかと思っていたのですが、そのあたりは味つけで、いかにも今の東野圭吾的オーソドックスさを感じました。

主人公家族と天才医師、看護師と彼女を騙すその恋人、彼女たちの「心」があくまで中心でした。

石原さとみは抑えようとしても抑えきれない複雑な感情をうまく演じていたと思います。舘ひろしは医者にしては少しカッコよすぎですが、あいかわらずシヴイ。速水もこみちは演技下手のイメージがあったのですが、犯人であることが観ている者にすぐわかってしまうのが功を奏したのか、悩み深き若者の雰囲気が出ていました。

2時間ドラマでなく、前後篇であったことが、急ぎ足でもなく冗長でもなく、ちょうど良い尺に感じました。CMがないというのもいいです。息をつくことなく、最後まで一気に観てしまいました。

 

原作、どうしようかなあ・・・新刊ではたぶん買わないだろうなあ・・・。

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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