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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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古代版昼ドラはまだまだ続きます。

 

サオビコとサオビメは結局、ともに黄泉へと旅立ちますが、

そこに兄妹愛以上のものは見出せません。

異母兄妹間の結婚は、当時たくさんありましたが、

同母兄妹の恋はかたく禁じられていました。

そのへんの倫理観は、現代とは大きく異なっていますね。

 

その道ならぬ恋に陥ったのが、軽太子と軽大郎女。

太子は皇位継承者だったのに、その恋のために信頼を失い、流刑の憂き目にあいます。

あとを追っていった妹と歌を詠みかわし、ふたりは命を絶ってしまいます。

 

昨今、兄妹間の恋愛があちこちでネタになっています。

『冬のソナタ』だって、実は兄妹だったというオチ? らしいし(観ていないので知らない)、

漫画でも『僕は妹に恋をする』や『罪に濡れたふたり』なんてのがありましたね。

ほかにもいろいろあるのだと思いますが、

古来『ロミオとジュリエット』『人魚姫』など、

かなわぬ、報われぬ愛、禁じられている愛に、人々は真実を見出すのかもしれません。

このくだりも、本来ならば罪を犯した男女の話。

それがこうして残されているのは、やはり人々がこの愛に胸を打たれ、

ひそかに語り伝えてきたということなのでしょう。

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