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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『亀は意外と速く泳ぐ』

観る人を選ぶ映画です。

最初から最後まで続くゆる~い、くだらな~い雰囲気を狙って作られたのでしょうが、

そういうのが好きな人以外にはまったく受けないでしょうね。

1シーンごとに満載の小ネタは、うまいなあと思います。

キャスティングのズレ方も絶妙です。

まず、「平凡な主婦」であるヒロインがなぜ「上野樹里」という「10代」の女優なのか、

その友人でブッ飛んだキャラクターがなぜ「蒼井優」という「清純派女優」なのか、

多分まだ当時は「イケメン俳優」だった「要潤」になぜヅラをかぶせるのか、

でも不思議とそのズレ方が物語のテンポと合っているんですよね。

スパイ募集に応じた主人公・スズメは、「平凡」だからという理由で採用されますが、

思いつきでパーマを当てたり,石段の上から転がってきた大量のリンゴに巻き込まれたり、

相当非凡な生活を送っています。

それに気づかず「自分はフツー」と思い込んで生活している人はスズメだけではありません。

なにかを選んで動き出すその第一歩が、昨日と違う今日の始まりです。

ラスト、スパイを解雇された主人公は、非凡な世界に足を踏み入れますが、

それは決断ではなく、すでに始まっていた非凡な毎日の続きなのです。

まあ、この映画、私は好きになれませんでしたが。

評価:★★☆☆☆

 

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』

これを観る前に、1・2も観ておかなければと思いつつ、先に観てしまったのですが、

やっぱり予習が必要でした。

誰が誰やら、さっぱりワカラン・・・。

1作目はジョニー・デップ、2作目はオーランド・ブルームがおいしいところをかっさらいましたが、

今回の3作目はキーラ・ナイトレイが凛々しい「船長」として大活躍。

・・・ですが、そのおいしさはあまり感じなかったですね。

多分、最終作ゆえに、今までの謎やら世界観やらを全部詰め込む必要があったのか、

次から次へといろんなキャラクターが登場し、展開が変わるので、

話についていけませんでした。

途中からは、誰が裏切ろうが、もうどーでもえーわと残り時間を数えながら観ていました。

ま、深いストーリーを追わずに、単純なアクションアドベンチャーとしては、

充分に楽しかったです。

最後の海賊たちの闘いには惹きつけられました。

ラストシーンは、ちょっぴり切なかったです。ウィルとエリザベスは、陸地で幸せになってほしかった。

ひとりで海へ旅立ったジャック・スパロウ。続編を期待させようという狙いですかね。

次回は、もっと単純で楽しめる、1作目のような作りにしてほしいです。

それにしても、2のオマケ映像で気になっていたあの犬が、

海ガメに乗って脱出し、なにくわぬ顔で登場したのには笑ってしまいました。

苦情でもあったのか、それとも計算か・・・。

評価:★★★★☆

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