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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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なぜか、元旦の朝から我が家に届いたお年玉・ファミコン。

てっきり、見慣れたエンジと白のアレかと思いきや、

のちに作られた《ニューファミコン》なるシロモノでした。

それにしても、小さくて軽い!

カセットの差込口と電源スイッチとリセットボタンだけ。

技術が発達すると、なんでも小ぶりになるのですね。

 

家電製品がどれもこれも優秀になったかわり、

パソコンにしろテレビにしろ、起ち上がりの遅さはなんとかならんのかいなと思うのですが、

ファミコンは早い早い!

スイッチを入れた瞬間に、♪ピロピロロ~。

ちょっと感動しました。

 

手許に来たからには、なんかしないと損よねと、カセットをひとつ買ってみました。

『ドラゴンバスター』という、1987年に発売されたアクションゲームです。

クロービスという主人公の青年が、ドラゴンにさらわれたセリア姫を助けるため、

剣をたずさえ冒険に出るという、お決まりの物語。

なぜこのゲームを選んだかというと、

昔、やったことがあるからです。

といっても、多分、手すさびに二、三回チャレンジしただけだと思いますが、

そんなに苦労した記憶がないので、

「まっ、最初だからこのくらいの難易度でいいだろー」という軽いノリでした。

 

が、私の記憶はどこでどう間違えてインプットされていたのでしょう。

各ステージのゴールはドラゴン山ですが、そこまでは迷路状になっており、

たどりつくまでいろんなダンジョンを通らなくてはなりません。

全部で12ステージですが、もちろん敵は進めば進むほど強くなります。

何度挑戦しても途中でゲームオーバー。

電源を切るとまた1面からやりなおし、

セーブ機能に慣れた人間には鬼としか思えません。

しかも面が進むとダンジョン内が複雑になり、簡単に出口にたどりつけません。

あまり迷っていると突然ワニのオバケみたいなのがどこからともなく現れて、

主人公にかみついて離れず、体力を奪っていきます。

「こんなんやっとれんわ!」とコントローラーを投げ出すこと数度。

やむなく、攻略本を購入しました。

マップはつかめたものの、今度は敵を倒す技術が必要になります。

「ああっ、火の玉投げるなコノヤロ!」「なんでせっかく獲ったアイテム奪われるんじゃあ~」

我が家に罵声が響き渡ります。

 

苦節二週間。

なぜかスイスイ12面。「つ、ついに!」と指に力も入ります。

ラスボスを前に頼みの綱の剣も奪われ、アイテムも残りわずかで刀折れ矢尽きた状態。

「絶対死ぬな・・・」とあきらめ半分で侵入したドラゴン山。

ドラゴンの攻撃にメッタ討ちされながらも、

どうせ最後だからとがむしゃらにマジックアイテムを使いまくっていたら、

なんと倒してしまいました。

残り体力は、たったの2。

突然現れたセリア姫を前に言葉もなく、

「ああっ、そうだ、写真、記念写真!」とあわててケータイを探しに行ったら、

スタート画面に戻ってしまいました_| ̄|○

 

独力でゲームを越したのははじめてです。

ちょっとやみつきになりそうですが、

ゲームをしていると時間のたつのが早くて早くて、

一日を無駄にしているような感がなきにしもあらず。

腕はだるいし・・・。

 

だからしばらくゲーム禁。

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