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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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船場吉兆の一連の事件でますますその色を濃くしてしまいましたが、

大阪はオカネに汚い町というのが、おおよそのイメージです。

「東京の人は高く買ったものを自慢するが、大阪の人は安く買ったものを自慢する」と、

高校の家庭科の先生が実演つきで弁じていました。

「いかに安く買うか」が、大阪人の命題であり、

その象徴が「日本橋」であります。

お江戸ニホンバシではありません。

東京のアキバ、大阪のニッポンバシです。

 

電化製品の店がところ狭しと並ぶ日本橋、

大阪の家庭では「日本橋で値札どおり払ろたらアカン」と教育されます。

「値切ってナンボ、店側もそれを見越して値札貼っとるんや」だそうで。

 

しかし、私はこの「値切る」ということがうまく出来ないのです。

別に「私って気が弱いから~♪」なんて気取るつもりは毛頭ありません。

スーパーで、「ちょっと! これほうれん草じゃなくて小松菜の値段で打ってるやんか!

18円も違うんやで!」

ということを、もっと柔らかい口調で伝えて返金してもらう程度の強気の持ち主です。

が、日本橋で値切りに成功した試しがありません。

 

タイミングが悪いのか、口調が悪いのか、

あれこれ考えつつ、今日も切り出してみたのですが、

家電量販店だと、値札はギリギリまで下げている値段だろうと理解しているものの、

それでも「ムリです」と即答であしらわれると、

会社の備品なので自分の懐が痛まないのもあって、「あっそーですかー」と引き下がりつつ、

「コノヤローもう二度とここで買わへんからな!」と心の中で毒づいてしまいます。

なんだかものすごく損をしたような気分で紙袋を提げて帰って、

職場の人に「なんでやねん」という反応をされるとヘコみます。

 

次こそは必ず値切ってみせる・・・と闘志を燃やし、

またの機会を虎視眈々と狙っているのでありました。

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