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ドニー・ダーコ
みんなで議論するのにオススメの映画です。
監督/リチャード・ケリー
出演/ジェイク・ギレンホール、ジェナ・マローン、
メアリー・マクドネル
(2001年・米)
ある真夜中、アメリカ・マサチューセッツ州に家族と住む主人公のドニー・ダーコは、銀色のウサギの声に導かれ、「世界の終わりまで、あと28日と6時間と42分と12秒」と告げられます。翌朝、近所のゴルフ場で目ざめた彼の腕には「28.06.42.12」という文字が書かれていました。その後自宅に帰った彼は、脱落した飛行機のエンジンに押し潰された自分の部屋を見ます。ドニーは数年前に放火事件を起こし、現在も情緒不安定で、精神科医のカウンセリングを受けながら精神安定剤の世話になる日々を過ごしているんですが、その後の彼の生活にはさらに奇妙な出来事が起こり始めます。しかし、その間にも時は刻々と過ぎていき、いよいよ「世界の終わり」の時が訪れようとしていました。
この映画は面白いうんぬん以前に、話がややこしすぎます。こんな難易度の高い映画はかなり前に見てまったく意味不明だった「メメント」という映画以来です。いくら僕が緻密な脚本の複雑なストーリーが好きだといっても、これは難しすぎました。それに脚本が練りに練っていた完成度が高いものとも思えないですしね。僕は内容を理解することを第一に考え、かなり肩に力を入れて見たんですが、どう考えても明確な答えが呈示されていない部分もありましたし。見終わったあとはかなり釈然としない気分でした。
この映画を見た人で、「俺はすべてわかったぞ。この映画のことは何でも聞いてこい。すべて説明してやる。」と言い切れる人はいないと思います。だから、映画好きが数人で見に行って、見た後に居酒屋に行ってみんなでこの映画について議論するのにオススメの映画です。おそらくそれぞれが違う解釈をしていますから、議論は白熱すると思います。僕はひとりで見たし周りにこの映画を見た人もいないのでそんなことはできないですが。
そもそもこの映画は、主人公が死ぬ前に見た夢を描いているのか、パラレルワールドを描いているのかという、という根本的な設定すらかなり悩みました。どっちで考えてもつじつまの合わないところがあるので、本当に分からないです。エンジンが部屋に落ちてきた時間にドニー・ダーコはすでに死んでいるのですが、部屋に落ちてきた地点を起点にして「ドニー・ダーコが死なない」という別のパラレルワールドができて、こっちの世界で生きるドニー・ダーコを描いていると考えた方が、より良さそうなストーリーになるので、無理やりこっちで考えましたけど。
ちなみにこの考え方だと「ドニー・ダーコが死なない」世界は、ドニー・ダーコが死んでいる」世界に収束されて、彼は28日前に戻って死んでいきます。その28日間は主人公はかなりがんばって生きるんですが、結局待っているのは孤独で、主人公が自らパラレルワールドの収束を選ぶという、かなり救いのない話になります。まあしかし切ない青春ドラマとして、これはこれで悪くないんじゃないでしょうか。
しかし、どういう解釈をしても謎は絶対に残るので、ああでもないこうでもないと解釈をこねくりまわすひねくれ者のマニア向きの映画なのは間違いないですね。僕はこの映画についてきついことばっかり言っていますが、決して嫌いではないんですよ。自分も夢の中を彷徨っているような気になる独特の不安定な映像によってすっと映画の世界に入っていけますし、いい雰囲気を持った映画だなあと思います。だからこの監督も才能がないことはないと思うし、次はもうちょっと万人受けする映画を作ってほしいですね。
この映画は評価が難しいです。「わからない」という理由で0点にもできるし、「わからないところが素晴らしい」ということで満点にもできる映画です。実際評価が分かれる映画だと思いますよ。僕はあえて真ん中の★5とします。
ちなみにこの映画の製作総指揮はドリュー・バリモアで、出演もしてるみたいですね。たしかに出てましたが、あまり印象に残りませんでした。主人公を演じたジェイク・ギレンホールは、初めて演技を見ましたがなかなか良かったと思いますよ。ちょっとボンボン臭くて頼りない感じがして、あまりかっこよくはないですが、役には合っていたと思います。
<ドニー・ダーコ 解説>
1988年、アメリカ・マサチューセッツ州ミドルセックス。ある晩、高校生ドニー・ダーコの前に銀色のウサギが現われる。ドニーはウサギに導かれるようにフラフラと家を出ていく。そして、ウサギから世界の終わりを告げられた。あと28日6時間42分12秒。翌朝、ドニーはゴルフ場で目を覚ます。腕には「28.06.42.12」の文字。帰宅してみるとそこには、ジェット機のエンジンが落下していてドニーの部屋を直撃していた。何がなんだか分からないながら九死に一生を得たドニー。その日から彼の周囲では、不可解な出来事が次々と起こり始めた。