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確固たる信教を持たない日本人でも、季節ごとになんとなく宗教行事を行うほどに身にしみている。
ましてや宗教とともに歴史を築いてきた欧州諸国なら、生活が教義に支配されるのは当然のこと。
しかし神を信じる心が、つねに敬虔な祈りとともに在るとは限りません。
1964年、アイルランド。
いとこに強姦されたマーガレット、
美しすぎるために男の目を惹くバーナデッド、
未婚の身でで出産したローズ、
それぞれの「過失」により連れてこられたマグダレン修道院。
そこは更生施設とは名ばかりの強制労働施設。
神から与えられるはずの慈悲も愛もそこにはなく、
少女たちを無償で働かせ、暴利を貪る院長。
思春期の少女の繊細な心を切り裂くシスターからの侮辱、暴力。
外部からの蔑視。
淡々と描かれる絶望的な現実。
宗教という法から切り離された閉鎖的世界に閉じ込められた多くの少女たちの哀しみの結集。
同じ女性として、いちばん大切な時期を奪われた悔しさ、怒りを我がことのように感じます。
中東やアフリカだけではない、ここにも信教に虐げられた女性たちの歴史がある。
今、享受しているこのアイデンティティは、彼女たちの犠牲のもとに成り立っていることを改めて思いました。
そして、彼女たちの苦しみは決してまだ終わってはいないということも。
評価:★★★★☆