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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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無味乾燥の日々を送る平凡な高校生が、ある日突然謎のチェーンソー男と戦う美少女と出逢う・・・。

なんとも荒唐無稽なイントロダクションが、興味をそそります。

原作は未読ですが賞を獲ったライトノベル。つまり軽いタッチの物語、ってことですね。

だからチェーンソー男の「謎」がシンプルなのも絵里がツンデレ(使い方合ってる?)なのも陽介の鬱屈の晴らしかたもふたりが恋に落ちるのも、

「全部まるっとお見通しだ!」

て、とこです。

だから、そういう心構えで観る分には、非常にアッサリとした後味で不満はないです。高校生の時に観たら、面白いと言えたのではないでしょうか。

主演の市原隼人・関めぐみはフツーですが、アクションは頑張っていたと思います。友人役の浅利陽介はスパイスが効いていて、良かったです。死んだ仲間の三浦春馬はカッコ良いので許す。

まあ、暇つぶし程度の映画でした。

評価:★★★☆☆

~ヤスオーのシネマ坊主<第2部>~

 青春映画は多少無理をしてでもそのノリに合わせないと楽しめません。僕ももういいオッサンで、社会に出て色々イヤな目にも遭い若者の心なんか完全に失っているので、こういう映画はダメだろうなあと思っていましたが、そんなに映画の出来が良くないのも相まって本当にダメでしたね。アクションシーンはそんなに悪くないですし、若者の心の不安や葛藤をチェーンソー男との戦いで描くという発想はいいと思うので、若者の心を忘れていない人ならそれなりには楽しめると思うんですけど。

 あんまりこういう映画で野暮なことは言いたくないんですが、やっぱりストーリーをじっくりと煮詰めていないから、観ても感じるものや得るものがないんですよ。まあ比べるのもアレですが、前回観た「愛を読むひと」はかなり煮込まれていましたからね。特に男の方の主人公の陽介の心の葛藤がまったく伝わってこない。どうやら彼は能登に近づき追い越すために何か焦っているようなんですが、主人公と能登との関係をきちんと描き切れていないから、彼の心の声はまったく僕には伝わってきませんでした。もちろん主人公の男を演じた市原隼人と能登を演じた三浦春馬の演技が下手なのも大きな原因ですが、脚本自体がイマイチだなあと思いましたね。

 板尾が演じる先生は、どうでもいいように見えてけっこう重要な役でしたね。大人代表の彼がいるからこそ主人公の若者二人の戦いが日常性から乖離しなかったんでしょう。この映画はどこにでもいる青春時代に苦悩する若者を描きたかったんでしょうから、ここが切り離されてしまったらほんまにこの映画は0点の出来になってしまいますからね。この役にちょっと謎めいた雰囲気のある板尾を持ってきたのは正解だったんじゃないでしょうか。陽介の友達の渡辺の存在意義はよくわかりませんでしたけどね。彼は彼で自分には何の才能もないという現実を信じたくないばかりに色々なことに挑戦し続けるという若者らしい葛藤を抱えながら生きてますから、一回ぐらいチェーンソー男と戦わせても良かったと思うんですけど。

 女子高生役の関めぐみはわりと僕好みの顔をしているのに、パンチラがないのが残念でしたね。見どころの少ない映画なので、それぐらいはサービスしろよと思いましたけど。彼女の苦悩は結局失っていないのもありますが愛する親兄弟や恋人を失った悲しみですかね。なるほどとしか言いようがないベタベタな設定ですね。

評価(★×10で満点):★★

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