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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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正倉院展の季節がやってまいりました。

今年も開館前に行くぞ! と決意していたのですが、

案の定、起きられませんでした。

 

・・・60分待ち。

 

実際は40分ほどで入れたのですが、ちょうど団体さんと同時入館という運の悪さ。

年を経るごとに増えていく行列、だんだん、凹んできます。

「ご自由にご観覧ください、空いている陳列からご覧ください」とガイドさんが声を張り上げているにもかかわらず、

「順番抜かしせんといてほしーわ」と当てつけがましく言われちゃー、「じゃあ来んな!」と言い返したくもなりますが、

心の狭い人間になる前に、もうさっさとお目当てのだけ見て帰ることに決めました。

 

今年の目玉は「紫檀木画槽琵琶」。精緻な細工と鮮やかな輝きには目がくらみそうです。昭和20年代に試奏された音色も流されていました。

光明皇后のご真筆「楽毅論」。こちらはちらりとしか見えませんでした。じっくり見たら、おもしろそうだったのですが。

女性たちから「かわいい!」の声が飛んでいたのが「金銀花盤」。お皿の縁に、ビーズ細工のような飾りが垂れているのです。女性(かどうかはわからんが)のセンスは時代を問わず。

裏に漆で絵が描かれた花型のお皿も、ピンク色でかわいいものでした。

去年からつい気になってしまうのが写経生の勤務報告書。今年は「誤字脱字は紙何枚の減俸、一行飛ばしたら・・・」とのオソロシイ罰則規定。写経生よりも、校正(チェック係?)のほうが厳しい罰が設けられていました。今も昔も、雇われもんの悲哀は変わりませんね。

 

40分待って30分で出てきてしまいました。もう限界。

悔しいので、正倉院オリジナル手ぬぐい(また・・・)買ってしまいました。琵琶柄。

 

で、これもおなじみ、出口に並ぶ飲食ブース! 時間はちょうどお昼どき。おなかすいたよー。薬膳弁当、奈良バーガーもおいしそう。・・・でも、席がいっぱい。泣く泣く帰りました。

亀も甲羅ぼしの小春日和。

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