MENU | MENU | MENU | MENU | MENU | MENU |
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
我が家には、もう1匹忘れられない猫がいます。
黒猫のクロちゃんです。
クロの登場は突然でした。
ある日学校から帰宅すると、玄関先で見慣れぬ小さな黒猫がにゃあにゃあ鳴いているのです。
野良猫のくせに、睨みもせず、威嚇もせず、逃げもせず、
このチビクロは足下へすり寄ってきたのです。
クロちゃんは、おそらくボス黒と、雉猫かどてマダムとの娘だったのでしょう。
光に透けると、おでこのあたりに縞々がありました。
脇の下が白いのも、愛嬌でした。
餌づけしている野良猫のことを、外猫といいます。
最初に餌をあげたのは、姉というのが通説になっています。
でも、もしかしたら私だったかもしれない・・・。
家で飼うのは、子ども3人、そのうえデブ猫と悪ガキ猫がいる手狭な我が家では無理でした。
避妊手術はさせましたが、傷がふさぐまで家で療養させ、治るとまた外に放り出しました。
半野良のクロちゃんは、猫にあるまじき人なつこさを持っていましたが、
それでも野良の習性は忘れていなかったのか、よく狩ってきた獲物をベランダに持ってきました。
窓を開けると、ゴ○やら蜂やらが転がっていて、「ぎょえー!」となったこともしばしば。
人なつこいだけあって、うちの猫たちとは仲良しでした。
避妊手術や風邪で家に入れた時や、2匹がたまに脱走した時は、
しじゅう一緒に遊んでいて、とくにミーコとはラブラブぶりを見せつけていました。
餌を与えられていたせいか、避妊手術で子どもぷりが抜けなかったせいか、
厳しい野良世界では落ちこぼれでした。
幅をきかせたドラ猫たちが引退し、
かわって闊歩するようになったどてジュニアや、
ペルシャ&雉のジュニア(どこからどうみても・・・)たちに、
小さなクロはいじめられて、いつも傷を負い、耳の先は欠けていました。
餌も横取りされているようで、あげてから食べ終わるまでそばで見張るようにしたのですが、
少しでも物音がすると、かわいそうにビクビクおびえるのです。
野良猫たちも巧妙で、少しでも目をはなすとクロの餌はなくなってしまうのでした。
そのうち、クロはなかば神経を病み、突然私たちの前から姿を消してしまったのです。
あちこち探しに行きましたが、結局見つかりませんでした。
あれから8年近くになります。
どこでどうしているのか、最後のほうのクロを思い出すと胸が痛みます。
餌をやるべきではなかった。
外猫は、飼い主が責任を放棄した飼い猫です。
飼うのならば、きちんとしつけをしなければならないし、
なにか面倒を起こした時は、解決しなければなりません。
でも私たちはそれをしませんでした。
クロはあくまで野良猫で、なついてかわいいから餌をやっているだけの関係でした。
近所の人たちには、排泄や庭荒らしでかなり迷惑をかけ、陰で批判を浴びていたようです。
一時の哀れみで餌をあげたこと、今では深く反省しています。
それに、クロを追い出したのは、
彼女から野良で生きるための力を奪ってしまったのは、
我が家だったのかもしれません。
ごめんね、クロ。