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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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今年の厄払いも春日大社。本厄トリオwithじい先生。

今年で5回目ですが、はじめて週末に訪れてみたら、待合室にはすでに人があふれていました。そして前の御祈祷が終了して部屋から出てくる人数にもビックリ。そんな大人数を収容できたのかというくらいゾロゾロと、入れ替えだけでもそうとうな時間がかかりました。
平日ならいつも2人やら3人やら、去年なぞたったひとりで受けたというのに…。

ひとりずつ住所と名前を読み上げるのですが、神官さんの声もさすがに最後はかすれていました。
巫女さんの舞いもありました。お神酒も頂戴できたし(いや、去年までもあったのか…? 忘れていただけか?)。

そのあと本殿に戻っておみくじを引くと、またも大吉でした。率高いなあ。
神社によっては、「吉凶なし」や「いまだわからず」というのもあるそうで。ズルくないか?

春日大社は駅から遠く、祈祷にも時間がかかってしまったので、じい先生が予約してくれたランチの時間は大幅に遅刻。そして道に迷いかける両奈良県民。

たどりついたのは奈良ホテルです。いつかも、祈祷のあとに奈良ホテルでお茶したなあ。リッチな気分を味わいました。
しかし今回は今後入室することはないであろうと思っていたメインダイニングルーム《三笠》へ!
なんとまあさらにリッチな気分ですこと!





 

窓の外には興福寺の五重塔。贅沢な気分で味わいました。先生、ありがとう。

その後は喫茶店に移動して、またも甘いもん食べながら興じる会話。
先生が、昨年自宅に来た同級生の写真を持ってきていました。
卒業以来、会っていない人もいます。同窓会もずいぶん前になりました。女性はとくに、歳を重ねると顔も雰囲気も変わるもの。最後まで判別つかない人がいて、AちゃんだBちゃんだと喧々諤々。クラスが少なかったものだから、ほぼ全員当時の顔と名前は憶えています。結局○○ちゃんという結論に達しましたが、「だから最初から○○と言うてるのに! あんたらが違うと言い張るから!」と先生はご立腹でした。私たちの写真も違うグループに見せたら、「誰だっけ?」という話になるのでしょうか。

卒業してもう17年。私たちが生まれてから、入学式で出逢う日までの年月を超えました。
それでもやはり、高校生活というのは特別な記憶です。小さな傷も大きな痛みもあふれていた笑顔もどこか特別な場所からあざやかによみがえります。

生まれてはじめて自分で未来を選び取らなければいけなかった受験という大きな分岐点。悩んで選択した進路だったけれど、その後の人生には結びつかなかったかもしれないけれど、決して間違ってはいなかったんだよと、15歳の私に言いたいです。
「僕のうしろに道はできる」、かつて詩人がそう詠ったように。
人生は無数に散らばった選択肢からどれかひとつを拾い上げる、そのくり返し。決まった未来などきっとない。選択によって得た記憶を糧に、また新たな明日を選び取りながら人生の一本道を描いていくのだ。20年を経てもそれは同じ。結局、人生とは選択の連続なのです。
「僕の前に道はない」のだから。
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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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