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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『ぼおるぺん古事記』に出会い、『古事記』を再読してから、出雲への憧憬が再燃していた今日この頃。
式年遷宮の年を経て、「よし、そろそろブームも去ったであろう」と思い切って旅立ちました。

その足はケチって、高速バス《くにびき》号。
予約をした時にはすでに残り2席の段階でした。あぶないあぶない。
座席はいちばん後ろだったのですが、リクライニングも気にせず倒せるし、案外快適でした。

所要5時間半。
ようやく出雲駅に到着しました。

出雲の交通は、バスか一畑電鉄しかありません。
それも決して本数が多いわけではないので、綿密な計画を練りました。

まず、出雲大社を素通りして日御碕神社へ行く!
思ったよりも高速バスが早く着いたので、予定よりも一本早い出雲大社前行きに乗りました。



門前町はにぎわっています。なぜかスタバに行列ができています。
お参りするには中途半端。さっそくお土産を買い、出雲発祥というぜんざいを食べるかどうか迷っているうちに次のバスが。

一路、海をめざします。
山道を登る窓の外には海がキラキラ。いいお天気です。




到着しました。

 

伊勢神宮が「日の本の昼を祀る」社ならば、日御碕神社は「日の本の夜を祀る」社。


下の宮には天照大神、上の宮には素盞嗚尊が祀られています。

 

朱塗りが海と空の青に映えます。

神社を出て、海へ向かいます。

時刻は3時近く。暑い…。坂道がこたえる暑さです。
その暑さをやわらげてくれるのが、海の輝きとウミネコの声。

道中、経島が見えてきました。


ウミネコの繁殖地として天然記念物に指定されています。
しかし…。
青空を舞い飛ぶウミネコの姿は素敵だけれど…。



岩にびっしり休憩しているウミネコは、ちょっと圧巻。



さて、ここまで来たら海の幸を食さねば。
というわけで、お昼をこの時間までず~っと我慢していました。

経島を通過して灯台へ向かう道中にある《花房商店》
「お昼どうですか~もう食べましたか~。今日はウニまだありますよ~」とお店の前で客引きをするおかみさん。決して勧誘されたわけではないのです、ガイドブックを見た時から決めていたのです。
ここでウニ丼を食べることを!

本当は北三陸で食べたかったけれど…。
あこがれの! ドンブリいっぱいの! バフンウニ! (2100円也)。
ごはんとともに! 口いっぱいに頬張る! 待ちわびたこの瞬間!
その美味しいこと美味しいこと。『ごちそうさん』のめ以子ばりの「んん~おいし~」の連発です。
そして、これは勧誘されました。
 
アワビのバター焼き。
「1500円ですよ、このお値段では食べられませんよ」
「はい、お願いします」
今日の夕ご飯抜きが決定。
コリコリ食感、控え目バターとレモンの香り。ああ、幸せ~。

お腹いっぱいになって、次なる目的地へ。



海を横目に向かうは、日御碕灯台です。



青空に映える白い灯台。
なんと日本一の高さだそうです。

そして200円で上に登れるのですが、まず靴を脱ぎます。
エレベーターなどはありません。階段です。


目がまわる…。

それよりも、長い!

登っても登っても、上がある!

この狭さですから、ひとりしか通れません。
下り優先ですが、上で待っている人がいるとあわてて登らねばなりません。

登ること、163段。ゼエゼエ。へろへろ。

でもこの景色!



登った甲斐がありました。



お天気の日は隠岐の島の陰影が見えるというけれど…どこだ?



でも、高いです。怖いです。



手摺の外へスマホを出して写真を撮る手がブルブル。

そして、帰りはもちろん降りなければいけません。

 

絶壁。
そしてここでもあわてて降りなければならず靴下が滑る滑る。

足が棒のよう…。
道理で、入口の外で座って休憩している人が何人もいたわけです。
それでもバスの時間までに戻らなければなりません。
山道を駆け下り、2本目のポカリを開け、出雲観光はまだこれからというに疲労困憊でバスの座席に沈み込む。
 





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