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すがすがしい青空になりました。
新幹線の車窓から、きっぱりと稜線を際だたせた富士山を見たのも、
こんな晴れの日でした。
私は大学4回生、就職活動を始めたばかりで、面接のため東京に向かっている途中でした。
東京までひとりで新幹線に乗るのははじめてで、
富士山はどっちに見えるんだろうときょろきょろしていると、車内が突然ざわつきだしました。
反対側のガラスに映っていたのは、色鮮やかな霊山・富士。
「スゴイ!」と身を乗り出して眺めていると、隣のサラリーマンが言いました。
「こんなにきれいに見えるのは珍しいですよ」
「それはラッキー♪」と思いつつサンドイッチを食べていると、
くだんのサラリーマン、「就職活動ですか?」
「ええまあ」
「大変ですねえ」
と、会話を交わしていくうちに、なぜかひとりで語り出すサラリーマン。
「社会ってのは厳しいんですよ。
こっちは毎日残業して休日も出てるってのに、
女の子たちは旅行だなんだって、バンバン休み入れてねぇ。
新卒で入ってくるヤツらなんて、まあ私に言わせりゃ、人間じゃあないですね」
東京までの道のり、えんえんグチを聞かされ。
「おいオッサン、これから夢を抱いて社会にはばたこうっていう若モンに、そりゃないんじゃねえの?」
と、愛想笑いの口もともひきつったのでした。
「ま、がんばってください」と言い残し、東京駅で降りたサラリーマン。
あいかわらずグチを抱えて働いてらっしゃるんですかね。
私も、社会で年月を重ねて、いろんな不条理を知り不満を隠してきて、
あの時の言葉も理解できないことはなくなりましたけれども、
社会に飛び出してきた若モンは、最低限あたたかい目で見守るつもりですよ。