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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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《演劇集団キャラメルボックス2008スプリングツアー》に行ってまいりました。

思えば、2年前のチャレンジシアター『俺たちは志士じゃない』以来のキャラメル。

今回は、看板俳優上川隆也さんが主演ということもあり、チケットは二階席。

厚生年金会館の芸術ホールは思ったよりも大きくて、少し遠かったです。

 

舞台は2008年、秋沢里志がアメリカから帰国するところから始まります。

彼を空港で待っていたのは、5年前に別れたはずの恋人・紘未。

ふたりは再び心を通わせ、やがて結婚することになります。

一方、里志の日本での仕事は、物質を39年前に送り出す機械、クロノス・スパイラルの製造。

お腹の中の子どももろとも事故死してしまった紘未を救うため、

里志はみずから39年前に旅立つことを決意します。

 

いかにもキャラメルらしい、ファンタスティックな題材です。

クロノス・スパイラルの原理は、藤子・F・不二雄SF短編集で見たことあるんですけど。

里志がタイムマシンに乗ったところで、なんと休憩が入りました。

はじめての体験だったんですが、キャラメルとしても初の試みだったらしい。

背景を、39年前に変えないといけないからですね。

 

ひさびさのキャラメルだったのですが、

俳優さんたちの技量が上がっていて、驚きました。

あいかわらずの存在感である西川浩幸さん、

坂本竜馬も悪役もなんなくこなしてしまう岡田達也さんはもちろん、

三浦剛さん(ちなみに横浜ベイスターズの三浦投手の弟)や佐東宏之さんら、

若手もずいぶん上達していました。

 

もちろん、30歳から75歳までを演じきった上川さんあっての作品。

紘未を失った「あの日」までの39年を、たったひとりで過ごすことになった里志の孤独。

杖をついて歩む背に、その悲しみが見えました。

 

やっぱりキャラメルの舞台は楽しい!

次回のハーフタイムシアターも行きたいなあ。

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