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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『まれ』
マッサンロスを癒してくれるのは次の朝ドラ。
オープニングの合唱が良い心地です。主演女優とみんなが一緒に踊る『てっぱん』を思い出しました。そして主人公の造形も『てっぱん』みたい。当初は「人情味あるおせっかい」と「地道にこつこつ」がうまく融合していませんでしたが、父親のダメっぷりがクローズアップされるとまれがこういう思考になってしまうのも仕方ないかと納得できました。そのダメ父があまりにダメすぎて、大泉洋を見るたびイライラしてしまいましたが、窮地を救ってくれたのはW田中の桶作夫妻。田中裕子はひねくれと愛嬌の配分が絶妙でさすがの演技力ですし、田中泯の存在感は圧倒的。初登場時の海水を撒く姿の美しさには惚れました。無口な職人肌ですが、時折発するセリフには重みがあります。画面の端でおろおろしていたりまれたちを見るまなざしにやさしさがあふれていたり、もうすっかり元治から目が離せません。
こうの史代『さんさん録』を読むたび、頑固だけれど愛しくて若い女性も惚れさせてしまう魅力的なじじいの参さんを演じられるのは誰だろうと考えていたのですが、「見つけたー!」。ぜひ田中泯で『さんさん録』を…息子夫婦も桶作一家そのままでOKだし。仙川さんは井川遥で。
閑話休題。「地道にこつこつ」とはほど遠いまれの公務員ぶりですが、小日向文世もチラ見せされましたし、公務員を辞めてパティシエになるのかな。恋の行方も含めて、気になる今後の展開です。

『ようこそ、わが家へ』
前クールとはうってかわってホラーチックな月9です。「月9」というブランド自体、もう存在しないのかもしれませんが。
しかも原作が『半沢直樹』の作者・池井戸潤というのも驚きです。こういうテイストの作品もあるのですね。
登場人物皆個性があって、いったい誰が犯人なのかというオチも含めて展開が気になり、怖さを我慢してリアルタイムで見てしまいます。相葉ちゃんの演技力がイマイチでそこだけ気になりますが。ニット帽の男の配役も毎回目をこらして解読を試みていますがわかりません。でもたぶん、そいつが真犯人じゃないんだろうな…。
それにしても沢尻エリカはやっぱりカワイイ。そして竹中直人、むっちゃムカつくー!

『アイムホーム』
何よりびっくりしたのが上戸彩の乳のでかさ。
…それはまあ置いておいて、大事故にあい記憶をなくすという劇的な導入のはずなのにキムタクをはじめ登場人物に悲壮感も焦燥感もなく、淡々と進んでいく展開が、イマイチ話の根幹をわかりにくくしています。これは家路の過去をあきらかにしていくミステリーなのか、家族の再構成を描いていくホームドラマなのか、ひとりの男が違う人生を歩み出すヒューマンドラマなのか。
しかしそのあいまいな環境こそ、記憶を失った家路が突然放り出された世界なのかもしれません。
仮面をかぶった今の妻子、愛していたはずの離婚したかつての妻子。かつてバリバリ働いていたはずの花形部署より、今の左遷先のほうが適職に見える。それがなぜなのか、家路にもわからないし視聴者にもわからない。
バラバラになったパズルのピースがどのように組み立てられていくのか、そろそろ物語の根幹部分を見せてほしい頃合いです。

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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